9P;真実への前触れ
今回はなるべく早めに、且つ短めで。笑
何か変な感じ。
いつもの2人なら、楽しく会話が弾んで楽しい帰り道のはずなのに。
今日は2人とも黙って、いつもの道をゆっくり歩く。
日差しがまだ暑いくて、じりじり首が焼けていくのを感じ、腕を見ると真っ赤だった。
途中、コンビニに寄って、公園で涼みながら話す事にした。
ブランコに乗ってゆっくり漕ぐ。
駿君はとっくに食べ終わって、棒アイスの棒だけ加え高く、高く漕いでいる。
「あの、さ。」
あたしが喋るのを知っていたかのように、駿君はいつの間にかブランコを減速していた。
「はい。」
「えっと、さ。今日は、駿君に伝えたい事があってさ。」
「…はい。」
沈黙が流れる。
すぐ近くで、蝉が鳴いている。
彼らには恋愛をしている暇があるのだろうか。
1週間という短い命の中で。
いやいや。
そんな他の事考えてる余裕なんてあたしにはないのに。
意を決して、拳に力を入れる。
「…あたしね。」
失敗した!
何度も、言い始めは
「私」ってきちんと言おうってシュミレーションしたのに。
思っていた言葉とは違う言葉に動揺して、困っていると
ブルブル
何て空気の読めない携帯何だろう。
いや、逆に読めてるのかな。
まぁそんな事はどうでも良くて。
携帯を開くとディスプレイに
「千歳」の文字。
馬鹿弟めっ。
駿君に一言
「ごめんねっ」と言うと、
「大丈夫ですよ。」とまたゆっくりブランコを漕ぐ。
少し怒り気味に、非がない声だけの千歳に向かって
「何っ!?」
と言う。
千歳の第一声に思わずあたしは携帯を落とす。
駿君が慌ててブランコを止めて、
「どうしたんですか!?」と顔をのぞき込んでる。
電話の向こうでは千歳が
「またあのガキいるな!?」なんて聞こえる。
慌てて携帯を持って、すぐ行くと千歳に言うと電話を切る。
勿論駿君は、
「えっ?」て言ってる。
また慌てて謝り、全力疾走で公園を出る。
「おばさんが書き置き残して消えた。」