8P;愛の形
しばらく、ずっと書かずに今日まで来てしまいました。実は小説は出来ていたんですけども、なかなか投稿出来ずにいました。溜めたくせに仕上がりは悪いですが、一生懸命書きましたので、是非読んでいただければなぁと思います。
「で?」
「え?」
お昼休み。
暖かい日差しを受けながら、私と早紀は屋上でお弁当を広げる。
「え、じゃなくてさ。」
「じゃなくて?」
「何で駿君とそこまでいったのに告らないかなー。」
「…ねー。」
早紀がキッと睨む。
「あんたね、そーやって余裕ぶっこいてると駿君誰かに持って行かれるんだから。」
「誰かって?」
「学校の子とか。駿君結構モテるらしよ。」
へー。
うん、あの顔でもてないのは世の男子にケンカ売ってるな。
「…何でそんな事知ってるの?」
「それは内緒。」
おー、怖いこと。
「…別に嫌いじゃないんだよ?」
「うん?」
「駿君。…でもね、何だろ。何かこう、しっくり来ないような……。」
言葉を選びながら、ゆっくり話す。
「千歳君より下だからとか?」
「…ああ、かも。」
「んな、ありきたりな。」
どういう意味でしょう。
「ほら、あたし告白されるなんて初めてだったから。
どうしていいかわからないんだ。」
告白なんて勿論私からもした事がないから。
今回、どうやって駿君に気持ちを伝えればいいかわからない。
「ねぇ、千尋。」
「ん?」
「あたし、『告白』って素敵な事だと思う。恥ずかしがるような事じゃないよ?」
「…うん。」
「駿君だって待ってると思う。」
『素敵』
うん。私もそう思う。
ちゃんと向き合う事も大事。
それに。
もうあの夜、こうする事を決めていたのかもしれない。
「…早紀。私、駿君に電話してくる。」
机の中から携帯をだして。
昼休みはあと15分。
電話をして、
放課後一緒に帰ってその時に言うんだ。
私の気持ち。
昼休み中に、私は駿君に電話をした。
短い呼び出し音で、駿君は心なしか少し弾んだ声で出るからおかしくて。
「何かいい事あった?」何て聞いたら、
「先輩が電話くれたんで!」
て言うもんだから、思わず微笑んでしまう。
「それよりどうしたんですか?」
「え?…あっ!そうそう。今日の放課後一緒に帰らない?」
「はい!」
あまりの返事の速さに少し怯む。
「俺、学校終わったらダッシュで行くんで校門で待ってて貰ってもいいですか。」
「うん、わかった。でもそんなに急がなくていいよ。」
思わず吹き出しながら軽く注意。
「いーえ。俺は先輩に早く会いたいんです!」
電話の向こうからブーブー言う君。
それと同時に電話の向こうから鳴る鐘の音。
「…じゃあ、また放課後。」
「うん、またね。」
と言いつつ、電話が切れない。
「…は、早く切らないと、次の授業遅れるよ?」
「わ、わかってます。先輩が切ったら行きます。」
「何で私!?」
「俺から切るのが嫌なんです。」
えー!?
そんな事言われたら……
「私からも切れない。」
何か意地になってしまう。
「俺だって切りません。」
駿君も意地になるから、何だかおかしくて。
2人同じタイミングで笑う。
電話の向こうで笑う駿君に、
「じゃあ、一緒に切ろう。」
と提案。
駿君は
「そうですね。」なんて言う。
「じゃあ私がかけ声かけるから、それに合わせて切ろうか。」
「はい。」
「せーっの」
かけ声を言った癖に、電源ボタンを押せず固まった私。
そっと携帯を耳に当てると、
電話の向こうは、機械の一定の音。
でも、何かおかしい。
思い切って大きな声で読んでみる。
「っ駿君!」
「ぅわぁ!!」
案の定、プープー言っていた彼が驚いて。
その拍子で電話が切れて、電話の向こうから本物の音がなる。
でも決して虚しい気持ちにはならなかった。
「何やってんだ。」
思い出し笑いをしながら、
私はチャイムと同時に屋上を出た。
放課後。
亜美に別れを告げて、げた箱から外を見ると、まだ駿君は来てないみたい。
ゆっくり靴を履く。
周りは下校の生徒だらけ。
今日は日差しが強いからもう少しここにいよう。
ふうっと息をつき、玄関の端にある傘立ての前に立つ。
勿論、何もささっていない。
「いよいよ言うんだ。」
私の気持ち。
キチンと彼に伝えるんだ。
そう思うと胸が苦しい。
あー、何だか気分が悪くなりそう。
そもそも何で私は気持ちを伝えようとしたんだっけ?
彼を必要と思ったから?
それって本当に恋?
自分に問いかければ問いかけるほど迷宮に入り込む。
いや。
駿君の事を私は好きなんだ。
半ば自分に暗示をかけるように考える。
今日は伝えるんだ。
伝えなきゃ。
それから。
5分後に必死で謝りながら、汗だくで私の所に走って来たのは、言うまでも無い。
こんなヘボ作品を最後まで本当に読んで下さってありがとうございます。これからはもっと早く更新出来ればなっと思います。