3P;確かな場所の対価
段々話が進むに連れて、駿が昔の人になっている気が……。
話はどんどん重くはなっていますが、大事な部分ですので大切に書いて行きたいと思います。
それでは、ヘボ小説ではありますが、最後までお付き合い願います。
それから私がどうやって病院に行ったのか、正直覚えていない。
ただ、タクシーに乗る際先生が懸命に私に何か言っていた。
病院に着いてからは、いつの間にかある部屋の前にいた。
『霊安室』
重い銀の扉を開けると、顔に布を被った人が長い箱に入って眠っていた。
「おじ…さん?」
真っ白に変わり果てた私の親を、ただ黙って見るだけしか出来なかった。
霊安室はただ寒く、とても閑かだった。
後ろから、名前を確認された以外は、何一つ会話の無い空間。
そこに、少し経った後息を切らした弟が入って来た。
「姉ちゃん!」
「…千歳。」
ポツリ呟く弟の名前は、私に小さな安心感を与えた。
それと同時に、千歳の胸の中に飛び込む。
嗚咽が止まらない。
千歳が力一杯抱き締めてくれる。
あたしはただこの腕にすがりつくしかなかった。
「…また…2人になっちゃったね。」
「……。」
「振り出しに…戻っちゃった…ね……。」
そんな時、扉がいきなり開き、
「春野さん、たった今重症だった春野 サエさんの意識が戻りました。」
すっかり忘れていた存在になってしまった叔母さんの知らせに、千歳と思わず笑顔が零れる。
千歳に手を引っ張ってもらいながら、叔母さんの病室に勢い良く入る。
「サエ叔母さん!」
姉弟揃って、部屋の女性を呼ぶ。
彼女は、びっくりし慌ててこちらを見た。
「叔母さん…良かった……。叔母さんだけでも…生きてて…。」
安心して、ベッドに寄りかかりながら崩れ落ちる。
不本意ではあったが、千歳と笑い合った。
『生きる』と言う事の重さを、改めて実感した気がした。
そんな中、千歳はただ黙ってこちらを見ていた叔母さんを不審に思い、声をかけた。
「叔母さん?どうかしましたか。」
「あなた達は、誰?」
神様。
あなたは酷い仕打ちをなさる。
私達を、どれだけ底に落としたいのですか。
『駿』と言う漢字を打つのは久々な為、一発で出てきませんでした。
そのくらい駿は活躍していないのですが、今の所が終わるとどんどん活躍してもらう予定です。
しかし、蒼咲は弟の方が愛着があります。
皆さんはどうでしょうか?
今回も、ドキドキしながら書きましたが、こんなヘボ小説を最後まで見て下さった皆様へは本当に感謝の嵐です。
これからも日々精進していきたいと思いますので、もう少しお付き合い願います。