表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眷族  作者: 浅倉
2/5

選択

やっぱり短いですね…

携帯なので、見づらい方は申し訳ありません。

何かが瞼の向こう側で光っている。


その眩しさで、青年はゆっくりとその目を開いた。


起き上がってみれば、目の前では燃え盛っているものがあった。もはや元の形は崩れ落ちてわからないだろう。


青年はそれを眺めていた。



「昼の住人にしては珍しく胆が座っているな」


と背後からの声に、青年は驚きもせず、


「ええ、全て受け入れることにしてるんですよ」


苦笑混じりに、


「まあ、割りと驚いてますけど」




青年の答えはどこか他人事のようだった。



「ふむ…とりあえず、それはいいとしよう」


こちらも今の状況などどうでもよさそうだった。


「どうだい、君。体の調子は?」



青年は言われて気づいたようだった。



「…確かに今までのような重苦しさは感じませんね…それに、肌の色も…?」


青年の肌のいろは僅かに青くなっていた。まあ、それも本人でしか気づかないような程度だが。


「それと、首筋に咬まれたようなあとがあるのですが…これはどういう…?」


やはり一番目立つのは、その首筋にある牙らしきものの痕だろう。ご丁寧に二本ついている。



「ああ、君には夜の眷族の加護を与えた…私の単なる気まぐれだよ。」


「けんぞく…」


青年はそれきり黙ってしまった。






火が消える頃にはもう夜も深い頃だった。


そこでようやく沈黙は破られた。

「さて、整理はついたかね?ついていなくとも、君の答えを聞きたいな」


青年はまだ背を向けたままだ。


「答え…とは?」


「そうだな…夜の眷族の力は強大だ。詳しくは日々を過ごすなかで、自分で知っていくといい。今までの昼の住人なら…仕返しをするだとか、この世で最強になるだとか…ああ、借金を踏み倒すなんてのもいたね」


面白かったのか、どうやら笑いを堪えているらしい。

収まった頃に漸く。


「ふう…何をしようとも君の自由だよ。ただ、それを知りたいだけだ」


青年は背を向けているため気づかない。

そう言った人物の目は、それだけで狂わせるような魅力をもった力がこもっていた。


「そうですね…」


青年は少しだけ悩むようにかぶりを振ったが…

すぐに。


「貴女についていってはだめですか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ