プロローグ
初投稿です。拙い文章ではありますが、ご容赦ください。
村のはずれの家にその青年は住んでいた。
外見からすれば年の頃は16,7といったところか。
肌の色はまるで今まで太陽に当たったことのないかのように白く、その体は骨と皮でできていると言わんばかりに細い。
その青年は自分が寝ているベッドから覗ける窓をずっと眺めていた。
青年はまだ幼かった頃に病に侵された。
両親は青年を看病している間に同じ病を患って死んでしまった。
それからは様々な親戚渡り歩き、青年を預かった親戚は例外なく死んでいった。
それでも青年だけは死ななかった。
死ねなかった。両親の死の際、自傷しようとした青年だったが、どうしても出来なかった。それだけの覚悟もなかった。
絶望しながらも死ぬことすら出来ぬとわかった青年は
只、受け入れた。
それからの青年の扱いはひどかった。
村の者は青年を惡魔の落とし児と罵り、誰も近づかなかった…一人を除いて。
その人は父の妹にあたる人だった。
その人は嫌々ながらも最低限の世話をしてくれていた。
最低限だ。青年には動く体力も、動こうとする意思もなかった。
ただ窓を覗いているその姿はまるで精巧な人形の様ですらあった。
だからだろうか。
ただ一人世話をしていた人が。
家に火を放ったのは。
青年は最後に何を思ったのだろうか。
ベッドに横たわるその青年は。
薄れゆく意識のなか。
うっすらと、
ほほえみを、
うかべていた。