Ⅲ
とまぁ、それが僕の今動いている現状だった。
僕の今動いている目的は、『王上院ハルリナを見つける事』。
Emanは出来る訳が無いと言っていたが、僕は出来ると信じている。
王上院ハルリナの姿は、未だに僕の網膜に焼き付いている。
日本人とは思えないブロンドの腰まで伸びる長髪。
茶色の瞳に豊満な胸と長身の体躯。
腰は細く、指もまるで白魚のように白く細い。
姿だけでない。
僕を見つける度、ニコリと笑いかける姿。
女子を少し褒めて煽てるだけで焼き餅を焼く嫉妬さ。
少し料理が苦手な事。
料理を上達しようとした一生懸命努力している事。
僕の恋人は今も、頭に残っている。
そんな事を考えていると、僕の通う学校、入江高校が見えて来た。それも元居た世界と全く同じで、少しむかついていた。学校の前には1人の女生徒が立っていた。
前の世界に居ない、そして僕が気にしている女子生徒の1人。
日本人とは思えないブロンドの腰まで伸びる長髪。それは王上院ハルリナも一緒だった。
ただハルリナと違う部分もある。良く焼けた肌に、少し大きめの制服を羽織ったような服装の小柄な体躯。腕に『K.M.』と言う文字が書かれた氷の結晶型のブレスレットを付けている少女。
そしてこの世界が普通でない事を証明するかのように、頭には髪と同じ色の犬耳が生えており、スカートから同じ色の犬の尻尾が出ている。どうやらEmanが言っていた分かりやすい特徴とはこれの事らしい。
「やぁ、れいやん。おはようだよん。今日も良い天気だねん」
そして、ハルリナはこんな喋り方をしない。僕の事を『れいやん』なんて呼ばない。
その事に少々ムカつくが、僕はその怒りを抑えて彼女に親しげに話しかける。
「おはようだね、霙。元気そうで何よりだ」
「そうだねん、霙は元気だよん。おはようだよん、れいやん。今日も楽しみましょうん」
彼女の名前は海王霙。この世界の王上院ハルリナハルリナ候補の1人である。




