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「「……」」
無言のまま霙と2人で、クラスに入るとクラスはいつも通りだった。
どうやら妹尾綺理ちゃんはそんなに容易く話している訳では無いらしい。
……良かった。綺理ちゃんがそう口が軽い人じゃなくて……。
僕は霙と別れて席へと座る。
「冷夜さん、ちょっとよろしいですか?」
と、上野初雪がそう言って僕の所にやって来た。
上野初雪はなんかいつもよりニコヤカで、その顔に浮かべる笑顔が無駄に笑顔だし。彼女の頭から生える兎耳はいつも以上に真っ直ぐに立っているんだが。
「……ん? 初雪さん、何か用ですか?」
「ちょっと聞きたい事があるんですけど」
と、僕の机にドン! と、手を打ちつけて僕の方を真っ直ぐに見つめている。
「妹尾さんから聞いたんですけど……海王霙さんと体育倉庫で何をしていたんですか?」
「へ……? それはちょっと……」
「どう、なんですか?」
彼女は無駄に顔を笑顔にして、僕を問い詰める。兎耳はその中でもピコピコと揺れていて、とても可愛らしいが、それが彼女の機嫌が悪くなっているのと連結していると考えると、いささか……。
「さぁ、冷夜。ちょっとお姉さんの私に話を聞かせてくれないかい?」
「……はい」
そして、僕は彼女に怒られ続けたのであった。具体的には先生が来るまでずっと。




