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肉性生物が世界を侵食してから30日後、とある肉生生物達に完全侵食された街内にて…
「どこ見てもキモ肉ばっかじゃのぉ〜。」
生きた肉の繊維と肉組織の至る所に大量に浮かび出る目玉、イソギンチャクみたいにゆっくりと揺れる小腸・大腸みたいな雑草風の肉、そして人だった形だけの動かぬ肉の塊の像があちこちに立ってっいるだらけの街で、一人屈強の体格をした白いロングコートとキャップ帽を纏う壮年の長身男が歩いていた。
「生きちょる人間は、流石におらんか。」
「束の間の宇宙観光の方が全然良かったわい。はぁ…このギャップ差よ。」
所々聞こえるクチュクチュ音、歪な形をした腕や脚らしい肉塊、なによりも窓と扉が人に酷似した口になっており、歩くその壮年の男を見るなりガチガチと閉じていた歯茎を何度も噛み鳴らす。
「はよワシも安寧な地を見つけねばなぁ。」
「その前にニジと斬り合いたいのぉ。大切だったワシらの火具土を折った落とし前を着けんと。」
と、
「_____。」
「?」
歩いていた壮年の男の耳に奇妙な声が入り、つい気になった壮年の男は声がする方へと足を運んだ。
するとその肉塊が盛り上がった山みたいな所の前方で、
「____!_____!」
「(ほぉ。キモ肉がキモ肉を共食いしちょるのぉ…)…。」
小さな人の形に近い…肉の浮腫みたいな肉が大量に付いた大きめの変化肉が、活発化した肉の塊へと何度も大きく口を開けた歯で食らいつき、噛み砕き、咀嚼するよう共食いしている光景を目にする。
だけでなく固そうな骨っぽいものも簡単に歯で噛み砕き、浮かび出る目玉も、飛び出ている脚や腕みたいな肉も手当たり次第で血飛沫を浴びながらなんでも食べる背後姿を目にした。
そしてゆっくりとそのまま共食い変化肉が壮年の男へと振り向いて、
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ーーーーー!!!!」
声にもならない恐ろしい雄叫びを壮年の男へあげた瞬間、その共食い変化肉は物凄い速さで真っ直ぐに見る壮年の男へ向けて走った。
が、
「フン。」
壮年の男の素早い無の鞘みたいな動きで左手を右腕脇へ持っていった時、一瞬にして左腕ごと真上に振り上げる…発光する橙色の刀状の剣を瞬間居合い抜刀するよう、真っ直ぐに突っ込んできたその共食い変化肉を真っ二つに両断させた。
二つに別れた共食いの変化肉は壮年の男の横を通り過ぎた後、離れた肉の大地へと二つに割いた変化肉がパックリと断面が見えるように落下した。
壮年の男は引き抜いた光の剣を静かに右腕脇…無の鞘へ入れるようにゆっくりと納め入れ、真っ二つに両断するよう瞬殺させた壮年の男は斬れ落ちた方へと振り向いた。
「ん?」
すると真っ二つに両断させた共食い変化肉の側に落ちていた一つの日記帳。
角度によっては虹色に輝き、歩み寄った壮年の男は落ちていたかわいい日記帳を手に取った。
その日記帳のタイトルに、
「【よつき の たのしい にっき!】、か。」
「となるとこのバケモンキモ肉は…。ああ。なるほど。」
子供らしく可愛く書かれたタイトル。
壮年の男は目を細めながら、その日記帳の主…子供が書いた日記の内容を1ページずつ静かに黙読していった。
「…。」
「……。」
「………。」
その後、
「気になるモンが書かれておったのぉ。【虹色のジュース】、か。」
「4・5年前に裏取引で飛ぶよう売れ流行ってたヤク種隠語の【RGB】じゃろうなぁ。」
壮年の男は開いていた日記帳を閉じ、真っ二つに落ちた肉塊…かつての日記帳の主へと側へ置く。
壮年の男は両手を合わせ、静かに目を閉じた後…
「固形物型は知っちょったが、まさか液状タイプもあったとはのぉ。」
「どれも効力は同じじゃな。【人を確実に内部から殺す死の覚醒剤】。それを子供に飲ますとは。」
「知らなかったとはいえ運が無かったな…【嬢ちゃん】。」
幼くして散ってしまった嘗ての【女の子】へ、壮年の男は静かに悼んでいった。
お わ り




