餌
俺は自分のことがよくわからない。
ただ、化物を倒せば大人たちが美味い飯をくれる。それだけは確かだった。
腹が満たされると身体の奥が熱くなり、昨日より強くなった気がする。大人たちはそれを栄養だと言った。難しいことはわからないが、飯を食えば次も勝てる。それで十分だった。
飯の後は、白い小部屋に呼ばれる。
一人ずつ座らされ、体調や気分を聞かれる。今日は少しだけ気分が悪かったから、正直にそう答えた。
途端に大人たちの声が止み、視線だけが突き刺さった。
怖いと思ったのは、その時が最後だった。
次に目を覚ました時、身体が重かった。
言葉がうまく出ない。手足の感覚も曖昧で、考えが霧の中に沈んでいく。
檻の外から、子供の泣き声と魔物の咆哮が聞こえた。
理解する前に、檻が開いた。
俺は押し出され、剣を持たされた子供と向かい合う。
そいつの目は、昔の俺と同じだった。
斬られても痛みはなかった。
ただ、視界が暗くなり、最後に思った。
――ああ、俺は飯になるんだ。
次の子供が、少し強くなるために。
―――――
「ここか、例の施設は」
剣士は鼻を突く腐臭に顔を歪めた。檻、血痕、解体された魔物の残骸。人がやっていいことじゃない。
奥で、まだ生きている反応が一つだけあった。
鎖に繋がれた少年が、膝を抱えて座っていた。
「助けに来た」そう声をかけた瞬間、少年は顔を上げる。
「……飯は?」
その声と同時に、鎖が弾け飛んだ。
少年の体は歪み、骨が鳴り、魔物の力が溢れ出す。剣も魔法も通らない。ここで作られた“成果”だった。
死闘の末、心臓を貫いた時、少年は一瞬だけ正気に戻った。
「いっぱい食べたら……強くなれた?」
答えは返らない。
施設は破壊された。
だが、少年が何者だったのかを知る者は、もういない。
※以下は、本作制作時にAIへ提示したプロンプトです。
興味がある方だけどうぞ。
俺は自分のことがよくわからない
ただ化物を倒せばご褒美に大人から美味い飯がもらえる
飯を食うと力が湧いてくる気がする
大人たちは栄養ってやつで人は動いててそのおかげって言ってた
難しいことはよくわからないけど美味い飯を食うと強くなれることはわかった
飯の後は決まって小さい部屋で1人ずつ質問に答える
体調がどうだとか色々だ
今日はちょっと体調が悪い気がするから正直に答えた
大人たちの顔が怖かった
そこから俺の記憶はなかった
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「ここか、例の実験施設とやらは」
「はい。情報によるとここが人体実験を行なっていた施設で間違いないかと」
「クソが…子供を利用した生物兵器の生産など気の狂った実験許されるはずが無え」
子供に魔物の肉を投与し化物じみた生物兵器を生み出そうとした狂人たちの実験施設だ
適応できなければその子供も魔物となる
廃棄ついでに戦わせ、その肉を子供に与えるという到底許されるはずのない実験
これ以上の犠牲者を産まないためにもここで全て破壊しなければ…




