滲む絵
あの日の色彩は、今も胸の奥で脈打っている。
幼い俺が震えるほど羨んだあの絵は、才能なんて言葉を簡単に壊していった。だからこそ、あいつと同じ場所に立ちたいと足掻き続けた。負けたくないとか、追いつきたいとか、そんな単純で幼稚な感情が、いつしか俺の全てになっていた。
美大に進み、偶然あいつの元同級生に出会ったとき、胸が熱くなった。あいつの今を聞ける──そう思った瞬間に返ってきたのは、曇った目だった。
上級生の妬み。絵がうまいだけで殴られ、嘲られ、押し潰された日々。登校しなくなり、そして静かに消えたという事実。
絵を語り合う未来を勝手に夢見ていた自分が、ひどく滑稽だった。
「…馬鹿野郎」
キャンバスの前で呟いた声は震えていた。涙が落ちて滲んだ白地に、俺はゆっくりと色を重ねていく。あの日見た、あの少年の無表情な横顔を思い浮かべながら。
届かなかった才能に。届かなかった言葉に。
そして、もう二度と戻ってこない同い年の絵描きに。
俺は今日も、ひとりで絵を描く。
※以下は、本作制作時にAIへ提示したプロンプトです。
興味がある方だけどうぞ。
あの日見た絵が忘れられない
幼少期、俺は宿題で提出した絵が入賞したと言われウキウキで授賞式に参加した
自分には才能があるんだと浮かれていた
しかし、そこで見た絵によりプライドなんてものは崩れてしまった
隣の市の学校で同じ歳の少年だった
その子はつまらない顔をしながら最優秀賞を掻っ攫っていった
俺は浮かれていたことを恥じた
それから絵に本気で向き合うようになった
あの絵を目標にしてやるという強い気持ちで絵と向き合った
高校に進んでからそいつの話は聞かなくなってしまった
単純に絵を描かなくなったのだと思った
ムカついた
あいつがまた絵を描きたくなるような絵を描いてやると思った
…まだあの絵と同じレベルのものは描けていないが
親を説得しなんとか美大に進むことができ、当時そいつと同じ中学だったやつと知り合うことができた
あいつの話を聞こうとすると少し曇った顔をした
どうやら高校でいじめに遭ったようだ
絵が上手いから調子に乗ってんじゃねえとありきたりな上級生の妬みで起こったものだった
不登校となってしまい自殺したと言われた
あいつと絵を語れるのを俺は心から願っていたのに
あの日見た絵を思い出しながら滲んだキャンバスに色を重ねた




