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物語のネタ  作者: ななし
3/52

影を継ぐ王①

「陽の当たらぬ王子」


生まれたときから、俺は「第一王子」という名札を貼られていた。

それは栄光の証であるはずなのに、気づけばいつも重石のように肩にのしかかっていた。


弟が生まれるまでは、俺は「よくできた子」と呼ばれていた。

けれど、あいつが初めて剣を握った日のことを今でも覚えている。

年齢に似合わぬ見事な構え。侍従たちが息を呑み、父上が笑った。

その瞬間、俺の世界の光はすべて弟に向かった。


以来、俺の名はいつも「比較」の前に置かれる。

「第一王子にしては努力している」

「第二王子ほどの才はないが、真面目だ」

——そう言われ続ける人生だ。


俺は努力した。

血の滲むような鍛錬も、眠る間も惜しんでの勉学も。

でも結果はいつも「まあまあ」で、弟はいつも「完璧」だった。


それでも、弟は俺を慕ってくる。

「兄上のように努力できる人になりたいです」

無邪気な笑顔。

あの言葉を聞くたび、胸の奥が痛む。


——俺なんかより、お前の方がずっと上だよ。


それが口癖になった。

自嘲と嫉妬と、少しの愛情を混ぜた言葉。

弟はそれを謙遜だと思って笑った。


やがて、王位継承の話が持ち上がった。

形式上、第一王子である俺が王位を継ぐはずだった。

だが、臣下の多くは弟を推した。

「民が望むのは、才能ある者です」と。


その夜、弟が俺の部屋を訪れた。

「兄上、僕は王になりたくありません。兄上の隣で仕えたいのです」

ああ、なんて残酷なんだ。

お前のその優しさが、俺をどれだけ傷つけるかも知らないで。


翌朝、俺は辞退の書を差し出した。

「この国を導くには、あいつが相応しい」

それが俺にできる、唯一の“兄としての役目”だと思った。


――その日を境に、弟は“第二王子”ではなく“王”になった。

民は歓声を上げ、父上は満足そうに頷いた。


俺はただ、影の中でその背を見送った。


今も弟は、折に触れて俺を訪ねてくる。

「兄上のおかげで今の僕があります」

そう言って笑う。

俺はただ微笑み返すだけだ。


——俺なんかより、お前の方がずっと眩しい。


その言葉を胸の奥で呟きながら、

今日も俺は、光の届かない場所で小さく息をしている。

※以下は、本作制作時にAIへ提示したプロンプトです。

興味がある方だけどうぞ。


第一王子:凡才

常に弟と比較されているため苦しんでいる

口癖は「俺なんかより…」


第二王子:天才

兄が努力家だと思い自分も頑張らないといけないと信じ努力する

兄のことを敬愛している

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