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物語のネタ  作者: ななし
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名前のいらない酔い夜

古びた赤ちょうちんがゆれる夕暮れ時、賑わう居酒屋の隅で、ふたりはいつものように隣り合う席に座った。出会いは本当に偶然だった。同じタイミングで暖簾をくぐり、同じ席へ案内され、同じ銘柄の酒を同時に注文した。それだけのことなのに、妙に印象に残った。


「また同じの頼んじゃったね」と男が笑えば、「好みが似てるだけでしょう」と女は肩をすくめる。名前も知らない。仕事も聞かない。互いに必要だとも思っていない。ただ、酒の話だけがいつも自然と続いた。


おすすめの地酒を教え合い、期間限定の居酒屋を紹介し合い、今日はどんな一杯に出会えるかを楽しみに店へ向かう。待ち合わせをしたことは一度もないのに、気づけば同じ時間に同じ暖簾をくぐっている。


「今日のこれ、飲んだことある?」

差し出されたぐい呑みを覗き込み、女はふっと微笑む。

「ないけど、絶対好きなやつ」


そんなやり取りがもう何度続いたのか分からない。けれど不思議なことに、距離は近いのに踏み込みすぎない。翌日どこで何をしているのかも知らないし、連絡先も交換しない。それなのに、ここで会えば自然と隣に座り、自然と杯を交わす。


「俺たちってさ、なんなんだろうな」

ふと男がこぼした。

女はしばし考え、静かに答える。

「知らなくていいことって、案外心地いいのよ」


その瞬間、ふたりはゆるく笑い合った。名前も知らない赤の他人。だけど、それ以上でもそれ以下でもない関係が、なぜか誰よりも安心できた。


今日もまた、同じ酒を手に、同じ時間を過ごす。

それだけで十分だと思える夜が、そっと更けていく。

※以下は、本作制作時にAIへ提示したプロンプトです。

興味がある方だけどうぞ。


居酒屋で出会ったふたり

互いに名前も何の職に就いているのか何も知らない

唯一知っていることは互いに酒好きであると言うことだけ


出会いはただ偶然席が隣で同時に頼んだ酒が同じだった

話のネタとしてはあまりにも都合が良すぎた


それからは待ち合わせや予定を合わせているわけではない

ただただ同じ居酒屋で出会う、そんな関係

互いに好きな酒を勧めたりイチオシの居酒屋を紹介するだけ

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