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一人ぼっちだった前世⋯⋯。今世は最強(最恐)愛し子として楽しく生きてます!  作者: おかき
ザイラー獣人国編

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1話: 女難の幕開け

❀ザイラー獣人国編、宜しくお願いします❀

獣人国に到着。


する前に、一波乱⋯⋯。


私の目の前には、青褪め絶望の表情を浮かべる男性達がいる。


そう。アルバートとライアンにギルベルト。愛し子の婚約者と側付き達である。


「顔色が悪いけど、なぜ?貴方達が選んだんでしょ?」

「無駄な時間を過ごすつもりは、私はないのよ。」


そう。ここ4日間足止めされ、浄化先の侯爵家の邸に滞在中(3人の男性のみがね。)


この大雨のせいで⋯⋯。


〜 ✿ 〜


王都を無事に出立し、各領地を巡りながら浄化をして行く。

里奈達は長い隊列を組みながら、領地を回る。

残り3カ所の領地を巡ればヨーク領に入る。


獣人国との戦いの為に、沢山の仲間が準備の為に先にヨーク領に入っている。

急ぎ浄化を進め、一刻も早くヨーク領に着きたかった。


だが、残り3カ所目の領地でまさかの大雨。

隊列が通る道が、崖崩れで通れない。


一先ず、このオルギ侯爵家の邸に滞在となった。

邸に到着すると一人の女性がアルバートに声をかけた。


「お久しぶりです。アルお坊ちゃま。」


アルバートは驚いていたが、直ぐに笑顔を見せ女性を抱きしめた。


「リリ。この女性は私の乳母だった人だよ。母上が寝込みがちだったので、乳母に私は育てられたのだ。」


「お初にお目にかかります。アルバート様の乳母を務めておりました。マリーと申します。今はオルギ侯爵に嫁ぎ、領地の為に尽力しています。主人は崖崩れの様子を見に出ております。出迎え出来ず、申し訳ありません。」


頭を下げ、愛し子様に挨拶をする。


「初めまして。里奈と言います。雨の中の出迎えありがとうございます。暫くお世話になります。」


里奈が挨拶をすると、マリーは目に涙を浮かべてアルバートを見る。

「あの小さかった坊っちゃんが、愛し子様の婚約者だなんで。マリーは嬉しゅうございます。」


涙を拭い、優しく温かな笑顔でアルバートを見る。

アルバートは苦笑いだが、照れているのが解る。

和やかな空気を変えたのは、オルギ侯爵家の娘だった。


「アルじゃない!久し振りね!」

そう言うと、アルバートに抱きついた。

アルバートは拒否する事なく、抱きつかれたまま話しかけている。


「エリアナ。久し振りだね。マリーに迷惑はかけてないか?」

「ちゃんとしてるわよ!アルも元気だった?お母様も心配してたのよ?寂しがっていないかしら?って。」

エリアナの言葉に、

「大丈夫だよ。マリーは心配性だからね。」

優しくエリアナに話しかける姿に、周りが驚いた。


アルバートは女性に触れられるのも、馴れ馴れしくされるのも、とても嫌うからだった。


アルバートとエリアナは周りに関係なく、会話を楽しんでいる。


マリーが無作法に気が付き、エリアナに注意をする。

「エリアナ!愛し子様の前でなんて無作法をするのですか!」

そう嗜めた。


「そうだったわ。初めまして。オルギ侯爵家の長女のエリアナよ。宜しくね。」


馴れ馴れしい挨拶に、マリーの顔が青褪めて行く。


揉め事が嫌いな里奈は、

「そう。宜しくね。」

と、返事を返し無礼を放置した。


「リリ。エリアナに悪気はないんだ。人懐っこいだけだから。」


と、エリアナを嗜めることも無く、庇ってしまった。


「そうなの。久々の再会でしょ?ゆっくり話しをしたら良いんじゃない?」

里奈の提案に、アルバートが

「そうだね。少し話しをして来るよ。」


「アル!じゃあ、いつもの部屋でお茶をしましょ?」

そう言うと、アルバートと邸に入って行った。

マリーは直ぐ様、里奈に謝罪をした。


「申し訳ありません。愛し子様。あの子の我が儘で気分を悪くさせてしまいました。」


深々と頭を下げた。


「マリーさんのせいではないでしょ?気にしないでね。それより、申し訳ないげと部屋に案内してもらえるかしら?」


マリーは、ハッとなり急いで愛し子様付きの侍女達を呼んだ。

「この侍女が、愛し子様のお世話を致します。」

侍女達が頭を下げ、里奈達を邸の奥へと案内する。

統括隊長をはじめ、騎士やライアン達側付きは別の侍女達が案内をする。


ヨーク領までの里奈の身の回りの世話役は、王都から来た王宮侍女2人。


里奈と王宮侍女が案内された部屋に入る。


「何ですか!この部屋は!」

「愛し子様に、この様な部屋を用意するなんて。」


侍女が怒るのも無理はない。

客室とは呼べない、質素な部屋だった。


振り向くと、案内したオルギ侯爵家の侍女はいなかった⋯⋯。


「里奈様。部屋を替えてもらいますね。」

侍女の一人が部屋から出ようとする。


「このままで大丈夫よ。寝れればどこでもいいから。揉め事は、面倒だわ。」


さらりと言葉を伝え、ソファーに座った。


「これからきっと面倒な事になるわね。」

「サリー。統括隊長をこっそりこの部屋に呼んで来て欲しいの。」

「それから、リュカも一緒に連れてきて欲しいけど、リュカに転移で私の部屋に来るように伝えてね。この部屋の事は他言無用よ。」


サリーは、礼をとり部屋から出て行った。


「これからどうなさりますか?」

もう一人の侍女のナミが問いかけた。


「雨が止むのを待つつもりはないわ。白狐に先の領地の様子を見てもらいに行ってるの。雨が止んでいるなら、そっちから領地の訪問と浄化をするわ。」


そう話していると、リュカが統括隊長とサリーを連れて部屋に現れた。


「何ですか。この部屋は。」

リュカがポツリと呟いた。

「まさか、里奈さんの滞在する部屋じゃないですよね?」

冗談のつもりだったが、

「そうみたいね。別にどうでも良いけどね。」


さらりと口にする。


「はぁー。侯爵家は馬鹿なのかな?」

リュカの言葉に、

「たぶん侯爵家ではないわよ?」

里奈の言葉に統括隊長が、

「あの娘ですか?」

里奈に聞いて来た。


「たぶんね。」

「里奈さんは、アルバートとあの娘を行かせて良かったのですか?」

リュカの疑問は、侍女達も隊長も気になっていた。


「行く行かないを決めるのは、アルバートでしょ?離れて行くならそれまでじゃない?」

(アル呼びをしない⋯⋯。)

全員が気が付いた。


リュカだけが、里奈の真意をなんとなく理解している。

侍女達は里奈が嫉妬していると思っている。


「隊長とリュカに話しがあったのよ。座ってくれる?」

ソファーを勧めた時に、白狐が帰ってきた。


『ただいま。里奈。』

「お帰りなさい。白狐。」


里奈は立ち上がり、白狐に抱きつく。

恒例のお互いの頬へのキスをし、白狐を隊長や侍女の前に連れて来た。


「本来の姿よ。大きいから驚いたかしら?」


侍女の二人と、隊長が大きな白狐に驚いている。

「白狐は私の守護神よ。これからはこの姿を見る事になるからね。」


里奈はソファーに座り、白狐は子狐になり里奈の隣に横たわる。


「先の領地はどうだったの?」

里奈は領地の様子をさっそく聞く。


『先の領地は山を越えた先だ。あちらは雨は降っておらん。それに、崖崩れの場所を見たが我の目には魔力痕が見えた。あの崖崩れは、態とだな。』


里奈は考え込んでいた。

全員、里奈が口を開くのを待った。


「解ったわ。ありがとう白狐。」

「今日は移動の疲れもあると思うから、隊長達もゆっくりして。明日の朝食の後リュカと一緒に来て欲しいの。」


リュカが里奈に問いかけた。

「明日から何をするつもりですか?」


「ここで長居するだけの無駄な時間を過ごすつもりはないわ。

先の領地が晴れているなら、先にあっちを浄化するわ。最後にここを浄化したら、全員でヨーク領に転移するわ。」


「詳しくは明日の話し合いで。リュカと隊長はこの事は内密にね。」


リュカと隊長は了承し、戻って行った。


『アルバートはどうした?』

白狐がいつもいるアルバートがいないので、不思議に思い里奈に問いかけた。


「ん?ここの夫人が昔アルバートの乳母だったらしいわ。たぶんその頃仲良かった乳母の娘が懐かしかったのか、あっちに行ったわよ?」


『はぁー。あやつは、馬鹿か。』

「良いんじゃない?アルバートも嫌がって無かったし、昔を懐かしむ?事もあるんじゃない?」


「私も白狐との日本での生活を懐かしく思うから、それと同じじゃないかしら。」


侍女は白狐と里奈の関係性が解らない為、話しの内容があまり理解出来ない。が、口には出せない⋯⋯。


『里奈が良いなら、それで良いがな。』

里奈は、白狐の言葉を聞きニコリと笑った。


夕刻近くになり、夕食の案内を里奈達は待っていた。

案内が来るまで、自分達からは行けないのだ。

日も沈み、夕食の時刻は過ぎた⋯⋯。


「里奈様。様子を見て来ましょうか?」

侍女のサリーが声を掛けた。


「んー?この邸で食事はしないわ。」

侍女達は黙っている。


その時、リュカが転移してきた。

「やっぱりね⋯⋯。」


リュカの言葉で、侍女もこの状況の意味を理解した。

侍女達は、怒り出した。

「愛し子様へのこの仕打ち。許せません!」


「どうでも良いのよ。外に出るわ。リュカ、貴方も行く?」

里奈は侍女の怒りを無視して、リュカに聞いた。


「勿論、一緒に行きますよ。」


「サリーにナミ。怒っても仕方ないでしょ?私と一緒にご飯を食べに行かない?」

里奈の誘いに即答で、

「「行きます!!」」

元気の良い返事にクスクス笑い、全員で街まで転移した。


街を通った時に里奈は必ず街並みを覚えた。

どの領地を通っても、何かあった時の為にと何となく覚えるようにしていた。

今回は食事屋を探すのに、役に立った。


「ここに入るわ。」

少し寂れた食事屋だった。


里奈が中に入ると、お客は数人いる程度だった。

いきなり現れた黒髪黒目の愛し子様に、店内にいる者は固まった。


「食事をしたいのだけど、良いかしら?」


里奈の言葉に我に返った店主が、あたふたと席に案内する。


「店主のお勧めを人数分お願いしても良いかしら?」

里奈の注文に店主は、言葉が出ずコクコク頷くだけだった。


「里奈さん。良いのですか?アルバートさんはあの娘とずっと一緒にいますよ?まぁー、夫人も居ますがね。

それに、娘の知り合いの令嬢達も来て、ライアンさんやギルベルトさんにベッタリですよ?」


里奈はキョトンとしている。

里奈の膝に乗っている白狐が代わりに答える。


『里奈はその様な事に興味がないのだ。あの者達がそうするなら、そうすれば良い。それだけでしかない。それより、急ぎヨーク領に向かう算段しか頭にない。』


里奈は白狐の言葉に頷いた。

リュカは、やっぱりか⋯⋯。である。


「そんな気がしました。嫉妬じゃないだろうとね。」

侍女達は(え?!違うの?)


「里奈さんは嫉妬する時間すら無駄だと思ってる。もしくは、嫉妬心を元々持ってない。どっちでしょうね?」

リュカの疑問に、里奈は首を傾げて考える。


「んーー。嫉妬ね⋯⋯。あの娘とアルバートの事よね?

アルバートが嫌がるなら、手助けするけど自分で選んだならそれが答えでしょ?

私は離れたなら元に戻れないと考えてる。だから、追わない?ん?違うわね⋯⋯。」


「言葉にするには、難しいわ。ただ白狐が言った通り今はヨーク領に急いで行く事が先決よ。それに先の二つの領地の浄化は優先事項なの。それを邪魔するならば、例えアルバートやライアン達でも切り捨てるわ。」


リュカがヒュッと息を呑んだ。

アルバートを切ると言ったのだ。二人は愛し合っていたのではないか⋯⋯。


渋い顔をするリュカに白狐が、

『里奈を理解するのは難しいだろうな。アルバートは里奈にとって愛情をくれる大切な人間ではある。そして里奈もアルバートに深い愛情を持っている。』

だが⋯⋯。

『離れるならば、追わない。追ったところで離れた心は元には戻らん。どこかに歪みが出来る。元に戻らないものに縋る事はしない。後は、相手が決めた事を尊重するからだろうな。』


侍女達やリュカは理解し難かった。

あんなに好いた相手を切れるのかと⋯⋯。


「何だか私が変な考えみたいじゃない!」

「でも、最終的にはそうなのかもしれないわね⋯⋯。」


「里奈さんは、もしもですが。アルバートさんがあの娘を選んでも良いと?」

リュカの直球に、

「良いわよ。アルバートが決めたのなら、それで良いわよ。」

「私は獣人国にやり返す為に今は動いている。パトリックやリュカ達の事もよ?やらなければならない事があり過ぎる。

優先順位をつけるなら、今は恋愛は最下位よ。」


「でも間違えないでね。アルバートを愛しているわよ。大切な人なのよ。だからこそ、アルバートの決断を尊重するだけよ。」


複雑な里奈の心理を白狐が言うように、理解は出来なかった。


「不躾な質問をしても?」

里奈はリュカの問いかけに頷いた。


「アルバートさんをアルと呼ばないのは、何故ですか?」


「あの娘とやり合う気がないからよ。アル呼びをしたら、あっちが煩そうだし。アルバートが離れたから、まーアルバート呼びで良いかな?って。もしもの時の予行練習ね。」


リュカはガックリした。

少しは嫉妬があったのでは?と、期待したのだ。

たが。里奈が言った理由は、アルバートには可哀想な真実だった。

里奈は既に離れる事を頭に入れていたのだから。


リュカはアルバートの昔を懐かしむ気持ちが理解出来なくもない。寂しかった幼少期を支えてくれた人達を疑わないのは仕方の無い事だ。

タイミングの悪さに、リュカは一人頭を抱えていた。


ザイラー獣人国編と書いていながら、まだアルスタ王国から出れていませんが⋯⋯。


❀毎日投稿、頑張ります。

宜しくお願いします❀


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