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一人ぼっちだった前世⋯⋯。今世は最強(最恐)愛し子として楽しく生きてます!  作者: おかき
アルスタ王国編

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49話: 里奈の初めての魔術と怒りの処罰(後)

残酷な描写があります。

苦手な方はスルーして下さい。

里奈の右の手の平に乗る珠に全員の視線が集まる。


里奈は左手の人さし指を口に持って行き、

「静かにね!」

全員にこれから口を開く事を許さなかった。


侯爵と伯爵は、何かが違うと察して少しずつずり下がる。


「褒美よ。」冷たく言葉を放つ愛し子様。


床に跪かされている2人を淡い紫の光の半球の中に閉じ込めた。

2人は訳も解らず半球の中から出ようと、光の壁に体当たりするがびくともしない。


里奈は2人に近付き、


「貴方がたは改心する気などない。

自分が行った行為がどれほど残虐な事か理解すらしていないでしょ!?」

「だから、私が解らせてあげます。」


里奈の手の平の2つの珠が2人に胸に飛んで行き、ゆっくりと吸い込まれて行った。

2人は自分の胸と愛し子を交互に見る。

次の瞬間。


「うぅ⋯⋯。く、苦し⋯い」

「体が痛い⋯⋯。」

痛みや苦しさを訴え始めた。


皆は、里奈の思考が解らなかった。

愛し子様が、罪人に身体的罰を与えた事だけは解った。


罪人2人の苦しむ姿を里奈はじっと温度のない目で見つめる。

皆その光景を恐れとともに眺めていた。


里奈の隣に魔術を解いたアルバートが現れ、右手を里奈の腰に回し、自身に引き寄せた。

里奈はゆっくりアルバートを見やると、小さく微笑んだ。

アルバートはその微笑みに頷いた。


里奈は2人に向き合い

「その黒い珠は瘴気の塊よ。」


ヒュッ⋯⋯。息を呑み、全員絶句する。

瘴気を人に押し込んだのだ。皆、その場から逃げようとする。

「大丈夫よ。光の外には瘴気は漏れない。

光を消しても、2人の体から外に出る事はないわ。」

皆の逃げようとする動きが止まった⋯⋯。


「その瘴気は、避難民の赤ちゃん2人の瘴気よ。」

「体は今痛いのかしら?ねぇ苦しいのかしら?大人でも耐えれないでしょ?」

でもね。

「生後間もない赤ちゃんがその痛みや苦しみをずっと受けていたのよ。」


里奈は一筋の涙を流しながら言葉を紡ぐ。


「ねぇ。領民達が貴方達に何かした?

家族の為に領地の為にと、懸命に生きる人々を貴方達は蔑ろにし、踏み躙ったのよ!」

「痛い?苦しい?それがどうかしたの?

領民が苦しむ中、ぬくぬくと贅沢をしつくす貴方達を私は許さない。」

里奈の周りに再び雷が現れる。

ピリピリ、バチバチと里奈の怒りを表すかの様に稲妻が走り回る。


「貴方達の処罰は、愛し子である私がします。」

「貴方達は領民が苦しんだ期間、瘴気に蝕まれて貰います。

同じ様に食事を抜きたいけど、それはしないわ。でも、最低限ね。」

場所は⋯⋯。と、陛下に視線をやる。


「王宮の何処かに小さな小屋を建てたいの。万が一を考えるのと、牢に入れたら他の罪人が可哀想だし。

神力の結界を張るから大丈夫だけどね!」


(ね!って⋯⋯。急に軽口⋯⋯。一同、里奈の感情の高低差について行けない⋯⋯。)


アルバートが

「私も避難民の酷い様を見た。

決して人がやって良い行いではない。一貴族として人として、貴方達の行動を軽蔑する。

私としては、処刑を希望するがな⋯⋯。」

冷たく言い放つ。


「ダメよ。調べたら幸運にも瘴気で亡くなった人はいない。一人でもいたら、考えたけど。

それより、領民が受けた痛みを味わわせるわ。最初に瘴気に蝕まれた人の日付から、私が浄化するまでの同じ月日を。」


侯爵は最初の報告があった日を思い出し、絶句した。呆ける侯爵に詰め寄る伯爵。

喚いて煩いので、アルバートが防音魔術を掛けて静けさを取り戻させた。


「皆さんの中で関係者全ての処罰を望む方もいるでしょ?でもそれはしないし、させない。

罪を犯した者のみに、それ相応の処罰を。関係者でない者。特に家族に対しての誹謗は許さない。」

「権力ある者に命令されれば従うしかない。家族の命を盾にされれば尚更よ?

私の、愛し子の為にと言う言葉の言い逃れは受け入れないわ。」


一同深く頭を下げる。


「愛し子様。貴方様の深い慈愛に感謝致します。

貴方様が心に受ける辛い仕打ちの上に、私達の平和があるのだと胸に刻みます。」

陛下が再び頭を下げる。


「処罰は以上です。小屋の設置場所を急いで用意して下さい。私達は避難場所に行きますので、決まればそちらに連絡して下さい。これで失礼しますね。」


里奈と白狐とアルバートの3人が消えた。


皆、椅子に座り強張った体を緩めていく。

愛し子様を、甘いと考えた者達は自身の思慮の浅さにため息しか無かった。

愛し子様の怒りはとてつもなかった。

だが、それ以上に民を護る優しさ強さに感服していた。

陛下は急ぎ愛し子様の希望を叶えるために動き出す。


集められた貴族達は、愛し子様のわが国の民を思って下さる思いを噛み締める。

愛し子様に対する畏怖を持つ。



里奈達は避難場所に転移していた。

突然現れた里奈達に皆驚くが、愛し子様の登場に場が賑やかになる。


避難場所はちゃんと人が生活出来る様になっていた。

里奈は色んな場所を点検、確認して回る。


「ちゃんと整ったようで、良かった!」

安堵する里奈に携わった者達も安堵する。


そこに魔術で作れた鳥がやって来た。

里奈の手に乗ると、1通の手紙に変わる。

読み終えると、アルバートと白狐に

「小屋の場所が決まったみたい。今から行くわ。」

アルバートに手を振り、子狐の白狐を抱え里奈が転移で消えた。


側付き達が避難場所に急いで来た時には、里奈はいなかった。

忙しく動き回る里奈を、皆は心配する。


「アルバート様。里奈さんは働き過ぎです。一度、ゆっくり休まれた方が良いと思うのです。」

エミルが提案する。

「確かにリリを休ませる事は賛成です。

多分リリはこの事がきちんと納得する解決をするまで、休むつもりは無いでしょうね。」

と、苦笑いしながら話す。


里奈の性格が変わるのと同じように、アルバートの性格にも変化がある。

今まで他者に無関心で無表情だったアルバートが、普通の人と同じようになった。

側付き達はアルバートの変化を喜んでいた。


すると、

「今日、愛し子様としてリリが処罰を下した。避難民に話を伝えたい。騎士と避難民を集めてもらえるか?」

側付き達は急いで避難民と騎士全員アルバートの元に集めた。


「本日、貴女かだの領主や雇い主が愛し子の里奈の手により処罰された。」


集まった者は息を呑む。

まさか、愛し子様自らが処罰なさるとは思っていなかったからだ。

「愛し子様の怒り、悲しみはとても言い表せないくらい凄まじかった。

それ程に、貴方がたが受けた仕打ちを許せなかったのでしょうね。」


罪人となった二人に瘴気を押し込んだ話には、皆絶句していた。

だがその瘴気が赤子から出した物であり、それを愛し子様が罰として堂々と処罰に使う事に避難民達は自分達を思ってくれる愛し子に感謝する。

中には涙する者もいた。


「愛し子様には暫く休暇を取っていただきます。働き過ぎですので。

ゆっくりして頂くため、暫くこちらに来る事がないと思います」

「ですが、決して見捨てられたと思わないで頂きたい。休暇を終えたら1番に顔を出すのはこの場所でしょうから。」


アルバートが皆に声を掛けた。


「そうだよ!愛し子様はずっと私達の為に動いて下さった。お休みしないと、倒れてしまう!」

「だいぶ体も回復したから、働いて愛し子様が戻られた時に安心してもらおう!」


全員が快く受け入れてくれた。

里奈の人望があってこそだな。


話しを終えようとする頃、里奈と白狐が帰ってきた。

避難民と騎士それに側付き達が集まっているので、驚いていた。


「愛し子様。私達の為に自ら処罰して下さったとお聞きしました。ありがとうございます。」


避難民と騎士が儀礼の礼をする。

里奈は膝を突かせるつもりはなかったのだ。

アルバートをジト目で見るが、無視された。

「私がムカついたからやったの。気にしないでね。皆の分やっつけて来たから!!」

と殴る姿勢で皆を笑いに包む。


アルバートが

「さて、リリさん。全て解決しましたので、ここにいる全員のお願いを聞いて頂きます。」


何やら堅苦しい言い方に居心地が悪くなる。

「暫く休暇を取っていただきます!!

全員のお願いを蔑ろにはしないですよね?」


うっ!となる里奈に、皆が休んで下さい!!

と、強くお願いされる。


「わ、解ったわ。休暇をいただきます!!」

半分叫びながら了承した。


「では、これで解散しましょう。」


帰る私達に皆手を振ってくれた。


里奈は悩む。

日本にいた時から、休暇と言うものを取った事がないのだ。

どうするか考えるが、アルバートも側付きもいるから丸投げしようと悩みを思考から放り出した。







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