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一人ぼっちだった前世⋯⋯。今世は最強(最恐)愛し子として楽しく生きてます!  作者: おかき
アルスタ王国編

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39話: 里奈は初めて人を頼る

白狐がやってくる。

里奈は白狐の雰囲気で、処罰が終わったんだろうと予想した。

『女神の処罰が終わったぞ。聞くか?』

里奈は頷いた。

一緒に遊んでいた眷属達は心配そうに里奈の側に集まる。

カズラは、里奈にピッタリくっついた。


『女神の処罰はエメラルダとミランダの2人のみ。

他の令嬢令息は、里奈お前が望むようにして良い。』

里奈は白狐を見つめながら

「エメラルダ様は解るけど、ミランダ様はなぜ処罰されるの?」


『あやつは国を背負う王族となる予定の者だからな。』

(あ〜。未来の王妃様って事か)


「そうね⋯⋯。考え無しは駄目だもんね。

でも、酷い処罰はダメだと思う。何があるか知らなかったんだから。」


白狐が首を振る。

『知らなかったでは済まない話だ。ライアンはミランダに 「今回の相手が身分を隠した他国の王族だったらどうなるか。戦争か回避出来ても多額の慰謝料を支払う事になる。民が1番被害を被る。思慮が浅い!」と、相当怒っておったぞ。』


里奈は考え込んでいる。


暫くすると、

「そうね⋯⋯。上に立つって、そう言う事よね。私は愛し子だからもっと上に立つのよね?⋯⋯。」


『どうしたのだ?』


「私が泣いたから白狐が来てしまったでしょう。もう少し我慢するべきだったな〜って思ったの。」

白狐は尻尾をまた里奈の顔にバッサバッサとし始めた。


『思い違いをするな里奈よ。

泣いたのは勿論ある。だが、我と女神は里奈の幸せを1番に願っておる。あやつらは人として醜い行動をした。相手が愛し子でなくても許される事か?』

『女神は里奈への負担が更に大きくなると。女神の世界の為に負担を担う里奈に少しでも楽しく過ごしてもらう事を、あやつは願うておる。』

「⋯⋯。」


『泣いてよいのだ。怒ってよい。

なんなら、やり返してもよいのだ。

我慢するな里奈。我等にはその我慢すら伝わるのだから、意味ないのだぞ?』

顔面バッサバッサがまた続く。

きっと白狐なりの励ましね。


「解った。」


『ところで、神官達が来てるようだが。里奈も行くか。』

「うん。でもまだ何となく心の整理がついてないから、宮には入って欲しくないかも。

眷属もいるし⋯⋯。」


『相わかった。外に行くぞ。

お前達は待っておれ。カズラお前も待っていろ。』

付いてこようとしたカズラを制止した。

「カズラ大丈夫よ。白狐がいるからね!」

心配そうに紅い瞳が揺れる。

頭をなでなでして、白狐と外に転移した。


神官達は膝を突いて待っていた。

「おじ様!止めて。立ってちょうだい。」

ガルズさんも、ライナスさんも。


「皆は悪くない。私が我慢し過ぎたからダメだったのよ?!女神様が処罰したなら、もう全て終わった事よね。」


「ありがとうございます。里奈さん。」

大司教が里奈に頭を下げた。司祭も司教も。

3人は顔をあげ、里奈に微笑んだ。


「処罰は決定されました。後はこちらで対象します。里奈さんには負担かもしれませんが、他の者達の処罰についてお聞きしたいのです。」


『里奈が思うようにして良い。』


「難しいなぁ〜。何もしないで許すのは良くないのよね。

少しの間どこか掃除とか雑用をさせる?とか?」

大司教は頷いた。

「家族達はどうしますか?」

ガルズ司祭の質問にビックリする。


「なんで家族までなのよ!?」


「身分ある者は全てに責任が問われます。それが貴族で居続ける為の条件⋯⋯。でしょうか。」

里奈は、ガルズ司祭の説明に納得出来る訳ではない。ないのだけれど⋯⋯

「少しだけ待って貰える?!」


思い悩んでいた里奈が

「昼食後で良いんだけど、側付きの女性3人と会いたいの。

宮は今は入って欲しくないし、王宮もちょっと嫌だから。神殿で会いたいんだけど大丈夫かな?」


「それなら私の部屋をお使い下さい。

1番安全なお部屋ですので。」

大司教が勧めてくれる。

「ありがとう。昼食後に行くわ。」


大司教が「女神様が里奈さんをお披露目するよう言を出されました。落ち着いた頃ご相談させてもらっても?」


里奈は快諾し、宮に戻った。

『側付きと会うのか?』

「うん。キャロルが気になるのよ。きっと1番辛い思いをしてると思うの。

怪我も気になるし。

相談もしたいから。」


白狐は里奈が人に相談するとは思わず、少しだけ驚いた。

『そうか。』


「あ!白狐も一緒に行くのよ!

私を護るんでしょ!?」

『我を見せて良いのか?』


「勿論よ。でも白狐だとビックリするから、子狐でお願いします!」


カズラの出迎えで厨房に向かう里奈を見つめる。白狐は急激に心が成長していく里奈に安堵と心配を思う。


〜❀〜


子狐を抱いて、大司教の部屋に直接転移する。

宮の庭から一瞬で大司教の部屋に景色が変わる。

そこには、突然現れた里奈と子狐に驚く女性の側付き3人が待っていた。


キャロルは勢い良く里奈に土下座するかのように膝を突き頭を下げた。

「愛し子様!!申し訳ありません。全て私の判断能力の無さです。

処罰は行かようにも受ける次第です。」

と、泣きながらも謝罪を口にする。

残る2人も黙ったまま深く頭を下げる。


「はぁ〜。」

3人は里奈のため息に肩を揺らす。


「とりあえず、3人はそこに座ってくれる?」

3人はオズオズと並んで座るが、誰も里奈の顔を見ない。


里奈は子狐(白狐)を抱えて対面に座った。

「ごめんね。ため息は自分が情けなくて出ちゃったの。」

3人はバッと顔をあげた。

目にしたのは、子狐を抱え悲しそうにこちらを見る里奈の姿だった。


「キャロルもエミルもナタリーも、私の為に一生懸命だったのは知っているよ。

でも、私がダメなばっかりに迷惑かけたし。キャロルには怪我までさせてしまったから⋯。」

「本当にごめんなさい。」

里奈は深く頭を下げて、3人に謝罪をした。

3人は里奈に頭をあげて貰うように進言しなければいけない。

だが、誰も何も口に出来ない。


3人は里奈の言葉に泣いていた。

ただただ、涙を流していた。


『里奈。頭を上げろ。

お前が頭を下げれば、3人の立場がない。』

色んな意味で4人はビックリした。


里奈は(どうしよう!!もしかして私のせいで3人に罰がある!?)


3人は(里奈さんに頭を下げさせてしまった!しかも、狐が喋った!!)


4人はそれぞれが心の中がドタバタしている。

『はぁ〜。お互い謝罪をするな。話が進まぬ。里奈は相談があったのであろう?それを話せ。』


「そうなの。えっとね、処罰をどうするかを大司教に言われたの。家族に対してどうするのかを。」

3人が里奈を見つめる。

「私は家族にまで罪を背負わせるのは余り好きではなくて。

多分それは、日本の考えの影響だと思う。

ガルズ司祭は、貴族は責任を負うからこそ貴族で居られると。」


3人は里奈の言葉に頷く。

「家族に罪を与えるのは、里奈としては嫌なの。でも、愛し子としては罰を与えないといけないのかな?」

悩むの⋯⋯⋯。


3人は喜んでいた。人に頼らない里奈に初めて頼られ、しかも相談されている!

顔に出さないが、心はぽかぽかしていた。

「里奈さんが思うままで良いと思います。嫌な気持ちのまま罰を与えれば、それは心の負担になります。」

「また次⋯⋯は、あってはならないのですが、もしまた何かあった時に同様の処罰をしなければなりませんし。」

滅多に話さないナタリーがそう口にした。


キャロルもエミルも同意した。


「でも無罪放免は良くないので、何か罰にはなるけど里奈さんの負担にならない方法がいいのよね。」エミルがそう話すと。


「では、お金を出させましょう。慰謝料として、里奈さんにお渡しする。」

3人はそれを提案してきた。


「お金ね⋯⋯。罰金か。」

里奈が呟く。ナタリーに聞こえたようで。

「何か思うところがありましたか?」


「慰謝料は良い案だけど、私は要らないのよね〜。でも、1番負担が少ないのは慰謝料なのよね〜。」


ナタリーが顎に手を置き少し考えていた。

「ではこれは如何でしょうか。

瘴気や魔物の被害にあった方は生活が成り立たない者も居ます。

そこに慰謝料をあてるのは。愛し子様としての役割の初めての活動にもなりますし。」


「その案採用!!」 と。


里奈は勢い良く立ち上がる。

左腕に子狐を抱え、右手の人さし指をナタリーに向けて満足気にうんうん頷いている。

「罰も与えられるし、人助けも出来る。良い案ね!ナタリー!!」


3人は快活に話す里奈に驚いていた。

心の優しさは変わりないのだが⋯⋯。他人にばかり気を配っていた里奈を見てきた3人は自己主張する里奈に安堵する。


異世界から来た里奈は、全てに遠慮してる様に見えていた。


この世界にいる事を受け入れてくれた気がして、側付き3人は喜びで胸がいっぱいであった。


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