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3話: この世界での私の役割

「里奈。ありがとう。」

「先ずは、私が世界の1部に里奈の存在を伝えます。そこから各国にある規模の大きな瘴気溜まりの浄化と魔物の討伐をお願いしたいのです。瘴気溜まりは里奈が心から私に願ってくれたら私から神力を送ります。」


ん?浄化は理解出来るが討伐って闘うって事でしょ〜。無理無理っ……


と、思考を読んだ女神様から説明が入る。


「里奈は剣道なる武術が出来るでしょ?それをアレンジすれば大丈夫だと思うのよ。剣術は剣道を基礎に頑張ってちょうだいね。」


って、ニ〜ッコリ微笑まれた。

なんだか女神様が軽いのは気の所為かな。

うん。気の所為にしておこう。


「浄化するには私はどうすれば良いのでしょう。」

祈るだけって。


「祈るだけだけど、神力を操作するのに訓練は必要よ。国の詳しい人が指導するわね。剣術も浄化も訓練して上手くなってね。」


「………………………。」


まー簡単に物事が進む訳ないのは理解している。

とりあえず私自身が色々頑張るのは必然となるわけだ。

うん。頑張る事は生きる事だし、前世では頑張る気力も無くなっていたのよね。

生まれ変わる『新生里奈』として、目の前に出てくる課題に取り組むのみね。

私は両手に拳を作り、ぐっと握りしめた。


女神様はその様子を見て優しく微笑み言葉をかける。


「我が愛し子の里奈。

あなたには加護と、そして神力を授けます。この力とは別に魔力とこの世界の知識を全て授けます。」

「そして、あなたに助けになる者もです。そして私に用事があれば心の中で話しかければお話する事が出来ます。」

「お願いしたい使命はあれど、私の世界で里奈の思うように楽しく生きて下さいね。」


女神様を見上げると見惚れる程の優しい微笑みで私の両頬に手を添える。

額に口付けを落とされ触れた場所から全身に温かい2つの何かが体を巡る。

暫くその巡る温もりに目を閉じ全てを委ねる。

温もりが額の中心に向かい静かに消える。


「里奈に私の神力と魔力を渡しました。額の印は私の証。この印はあなたを守る盾になります。しかし、その反面利用される事にもなり辛い立場になる事にもなるでしょう。」


暫くの沈黙の後、女神様の後ろに銀色の重厚な扉が現れた。

少しずつ開くその扉に向け女神様が私の右手を掬い取りエスコートする。

開いた扉の向こうは眩しくて何も見えない。

小さな不安はあるが女神様が導くのだ。心配はないだろう。

私なりに精一杯頑張り生きてみせる。

日本で生きた藤井里奈の為にも。


扉の目の前に来ると女神様にそっと背を押される。

前を見据え心を決める。

1歩ずつ足を運び扉に向かう。

扉が目前になり女神様へと振り向くと。


女神様が小さく手を振る。


「いってらっしゃ。里奈。」


生まれて初めて言われた言葉。

駄目だ泣いてしまう。

胸が締め付けられ苦しいが溢れそうになる雫を流さぬ様に笑って手を振る。


「いってきます。」


きっと幸せの始まりだ。


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