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一人ぼっちだった前世⋯⋯。今世は最強(最恐)愛し子として楽しく生きてます!  作者: おかき
アルスタ王国編

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11話: 女神様は里奈の為に動く

『女神よ。怒りを収めよ。

我はそなたとの誓約をした事に嘘はない。』


女神が怒気の籠もる眼差しでこちらを睨む。


何か言いたげだが、怒りで何も言えぬのであろう。

先程までの、我を下に見ながら飄々としていた態度とは大違いだ。

だが、これでは話が出来ぬ。


『女神よ。そなたは里奈が大事か?』


この言葉に女神がハッとし、後ろで横たわる里奈に視線をむける。

と、同時に意識が里奈に向かった為に怒りも解けた。


我は女神の横に並ぶ。


『里奈を救い守りたいのは、我もだ。

そなたの眷属にはなれぬが、共に有る事は出来る。

里奈が大事ならば我はそなたに力を貸そう。そして、そなたの力を貸して欲しいのだ。』


『どうだ?我の提案を受けてはくれぬか。』


「………。」


里奈の為。

そう。冷静に考えたならば、里奈の為なら異界とはいえ神の助力が増えるのは、確かに有り難い話しなのだ。


だが、だが……。

いけ好かないあいつと関わりのある。

関わりがある事が、どうしても、ど〜うしても受け入れられないのだ!


里奈の先程の痛々しい姿は、放置したあいつのせいでもあるのだ。


思考がグルグル回る。

里奈を大事に思う狐神を、ほんの僅かではあるが受け入れたいと思う気持ちもある。

だが、あやつと関わりある狐神は受け入れたくない。右に左に気持ちが揺れる。


『我を受け入れられぬは、異界の神が関係するからか?』


と聞いてきた。


はぁ〜!?

あちらの世界の里奈の処遇は、あやつのせいだと言うのに。

こいつは知っているはずだ。里奈の孤独を寂しさを。

何を他人事のように聞くのだ。


また怒り出す寸前に


『女神よ。異界の神と我の繋がりを話す。それを聞いたうえで答えを聞こう。』

『我にしばしそなたの時間をくれぬか?』


狐神の話を聞けば納得出来るのであろうか。

逆に少しだけある受け入れたい気持ちも、聞いてしまえば微塵に消え失せてしまうのか。


だが、聞かねば話は進まぬか。


「解った聞こう。

聞いたうえで答えを出す。」


横たわる里奈に視線を向ける。

暫く眠るように。

体力が回復するように。

何も考える事無い深い眠りを。

銀色の神力で優しく包み込む。


「さて。話を聞こう。」


 〜 ❀ 〜 ❀ 〜 


我は、そなたの会った異界の神よりも更に古い異界の神だ。


我は妖狐と言って妖かしであった。

我は人間が好きだった為、悪戯したり殺したりは決してしなかった。

だが人間好きの妖かしなど、人間・妖かしどちら側からも受け入れられず山の奥深くに追われてしまった。


そこには朽ちた社があり、そこに棲み着いた。

その周囲に小さな村があった。

信心深いその者たちは我が棲み着いてる事には気がついてなかった。


毎日貧しい中でありながら以前社にいたであろう主に、お参りとお供えをしていた。

我にくれた訳でもないが、村人から流てくる清い祈りが心地良かった。

我はお返しにと、熊や猪など人間が対処しにくい動物等を遠ざけた。

長雨で山崩れが起きた時も濁流が他に向かうよう流れを変えた。


不思議な幸運が村に度々起こる。

村人は社の神様のおかげだと、皆で社を立て直してくれた。

沢山お参りにきてくれた。

狐の妖かしとは知らず、神様だと我に祈りをむけた。

祈りを捧げる。

村を護る。


いつしか村の幸運の話しが他に流れ、外からも社にお参りに沢山の者が来るようになった。

そして我はいつしか大御神から白狐として認められるまでとなった。


しかし、人間とは愚かしい生き物でもある。

過ぎたる繁栄は侵略される対象にもなる。

村であった場所は都になり、そして滅ぼされ野原となった。


我の社は焼かれた。

だが、離れられなかった。

人間が好きだった。

この村の人間が好きだった。

もう誰もいない。


消えゆく体を横たえ永い眠りに就こうと丸く横たわる。


その時我の元に来たのが女神の会った神だ。

大御神から我の元に遣わされたのだ。


幾多の命を扱うその神に、大御神からまだ消えゆくは許されず。

と、生きる事を命ぜられた。


命を繋ぐ為に、あの神と誓約を刻んだのだ。

あの神は我の体が戻るまで、その命を我に与え続けてくれたのだ。

ただ元に戻っても、何となく誓約を続けていたのだ。

里奈との繋がりは、女神の嫌う異界の神からの頼み事であったのだ。



里奈に縁付くまでの。

妖かしと言われた時から、白狐となるまでの我が歩みを女神に見せたのだ。


女神は我と眼を合わせたままだ。

暫し見合うと


「理解した。そなたに力を貸そう。」

「ッ里奈のためだからだ。

そちを、ましてやあいつを信用したからでは無いのだからなッ。」

と、プイと横を向いた。


ほんにこの女神は素直ではないな。

天邪鬼か。


我は呆れた目を女神に向けつつも、里奈を守れると心落ち着くのが解る。

ふと、女神が


「1つ聞きたい。が、良いか?」


と、問うてきた。

是の頷きを返す。


「大御神とは、こちらの創造神と同じような立場である御方であろうか。」と。


そうであるが、それがどうしたのかと問い返そうとした時、


「あの嫌な異界の神が1番偉くないなら、それで良いのだ。私よりも上の神であったらムカつくからなっ。」

と、ブツブツと言っている。

安定の異界の神への悪口である。

あやつは相当にこの女神に嫌われておる。


まあ、とりあえずは我は女神に受け入れられたのであろう。

そう結論づけた。


『女神よ。これからの事を話そうぞ。』


お互い里奈の為に出来る事を話し合うのだ。


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