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初めての戦い

セラフィ一行は汗だくになりながら火山を登っていた。

「頑張るラヴィ。このホットボルケーノに正の譜はあるラヴィ」

ラヴィオラは励ますが、自身は疲れていなさそうだった。

「いいよなあ。飛べる奴は。山登りも楽で」

月が嫌味を言う。

「見て。あそこに誰かいる。

私達以外にこんな火山に?」

カンパニャラが指した方向に、

小虎の少女がいた。ぐったりしているようだ。

「あっしとしたことが……水を忘れるなんて……」

どうやら水分不足のようだ。

「大丈夫ですか?水をあげますよ」

セラフィは心配して、バッグから水筒を差し出した。

「貴重な水だぞ。いいのか」

ルシフェは忠告する。

「困っている人は放っておけません。

藪蛇先生も水分補給は大事だと仰っていました」

小虎の少女は渡された水筒を一気に飲み干した。

「恩に着るでやんす。あっしはリズムアニマルの、

トライアングルの虎威でやんす」

セラフィは疑問を口にする。

「リズムアニマル?」

その疑問にカンパニャラが答える。

「この星には楽器を司るリズムアニマルという種族と、

そうでない者の2種類がいるの。

おそらく符の力もそれと関係あるんだわ」

その話に虎威が反応する。

「もしかしてこの火山に来たのは、

符の力が目的でやんすか?

だったらあっしが案内するでやんす」

どうやら虎威はこの辺りに詳しいようだった。

「それは助かるな。情けは人の為ならず、か」

ルシフェは感心するように言った。

セラフィの優しさがこの結果を生んだのだ。

そして自分の身勝手さを反省すると同時に、

同じ存在であるはずのセラフィとの違いに、

もどかしい思いをした。

「ラヴィがいるから案内は必要ないラヴィのに」

ラヴィオラは不満そうに膨れっ面になる。

「まあまあ。ここは素直に好意に甘えようぜ」

月がラヴィオラを窘める。

「ここが符のある、山頂でやんす。

おーい!姐貴ー!」

虎威が駆けた先には、

まるで炎のような赤と黄色のポニーテールをした少女がいた。

「おう、虎威。どうした?そこにいる人達は?」

虎威はみんなの横に立って紹介する。

「この人達に助けてもらったんでやんす。

正の符を取りにここまで来た人達でやんす。

バーニング姐さんには守護者として、

話を聞いてほしいでやんす」

みんなは守護者なんているのかと驚いた。

「あれ?知らなかったラヴィか?」

ボケるラヴィオラにカンパニャラがツッコむ。

「そんな話は聞いてないよー」

それに対しバーニングが説明する。

「符の力は強大だ。護る者がいて当たり前だろ?

そして守護者が認めれば符が手に入るんだ。

俺がお前達を試してやるぜ」

セラフィが質問する。

「試すってどうするんです?」

バーニングは拳を叩きながら言った。

「戦うのさ」

セラフィはたじろぐ。

「そんな、戦うと言っても……」

そんな時、ラヴィオラが両手を上げると、

刀身が開放型のバレルのようになった白い剣と、

中央が透明なピンクで周囲が黄色いラウンドシールドが、

セラフィの手に降りてきた。

「これを使うラヴィ」

使うと言われても、セラフィは誰も傷つけたくなかった。

それを察して、

「安心するラヴィ。

それは相手を傷つけず戦意を削ぐだけラヴィ」

ラヴィオラは付け加えた。

「私がレシアを元に戻すのに使った物に似たような原理か。

どうする、セラフィ?

嫌なら私がまたやろうか」

まるで挑発するかのようにルシフェは言った。

セラフィはボロボロになり、こっちの世界にまで来た、

もう一人の自分であるルシフェに任せっぱなしにはできないと思った。

「私、戦います!」

それを聞いたバーニングは笑った。

「その意気だ。それじゃ、戦闘開始!」

バーニングが振りかぶると、そこから炎が飛んできた。

セラフィは左の盾でそれを受け止めると、右手の剣を向けた。

砲身からピンクのスパークが飛び散り、ビームが発射される。

バーニングは背面跳びで躱して考えた。

互いに遠距離攻撃手段があるが、相手は盾を持っている。

このままでは埒が明かない。

ならばと一気に距離を詰めて接近戦に持ち込んだ。

「一発がデカすぎてチャージまで時間がかかるようだな!」

セラフィは貰ったばかりの武器をまだ使いこなせていない。

だが、だからといってバーニングは容赦したりしない。

体に渾身の一撃を叩き込もうとする。

それをセラフィは盾で防いだが、あまりの威力に、

かなりの距離を押し出された。

また距離が開いたのは面倒だが、もう一発おみまいしよう。

そう思って駆けだしたら、セラフィも走り出した。

バーニングは驚いたがそのまま近づいた。

しかしそれは間違いだった。

走っている間にもセラフィはビームをチャージしていた。

そして砲身をバーニングの腹部に突きつけた。

この距離ならかわせない。

発射されたビームは直撃し、バーニングは大きく吹き飛ばされた。

確かに痛みは無かった。

だが言われた通り、戦意というものが抜け落ちた感覚だった。

「合格だ。符を持っていっていいぜ」

バーニングは素直に負けを認めた。

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