表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

3.聞こえてきた声。







「麗華のやつ、いきなり何だっていうんだ?」



 今朝の一件から時間が経過し、昼休みになった。

 クラスメイトは弁当を広げる者から、食堂へと向かう者まで様々。俺はいつも食堂のラーメンないし購買の菓子パンで済ませるのだが、今日に限ってはそのようなことを言っていられなかった。

 登校時に、麗華は海晴に「話がある」と告げたのだ。

 悪友は「気にしなくていい」と話していたが、しかし俺としては無視できない。



「とにかく、二人から目を離さないように……ん?」



 というわけで、昼休みになってから海晴の動きを見守っていると、彼女は誰かに教室の外へ呼び出されていた。どうやら相手は、所属している委員会の後輩らしい。

 それなら問題ないか、とも思った。

 だが、海晴が戻ってくる様子は一向にない。



「マズい、もしかして……!?」



 数分ほどの空白時間。

 俺は大急ぎで席を立って、海晴を探す。だが――。



「……見失った!?」



 彼女がいたであろう場所に、その姿はなかった。



「な、なぁ……! 海晴のやつ、どこに行ったか知ってるか!?」

「え……湊のことか? さ、さぁ……」



 とっさに近場にいた男子に訊ねるが、歯切れのよい回答はない。

 それでも、俺の必死さを感じ取ってくれたらしい。彼は少しばかり困惑しながらも、こう口にした。



「そういえば、さっき生徒会の書記に声をかけられてたな……?」

「……ありがとう!!」



 その情報を聞いて、考えるより先に身体が動く。


 なにか、嫌な予感がする。

 俺は焦燥感に急かされ、呼び止められるのも気にせず駆け出した。







「こっちで見かけた、って話だったけど……」



 すれ違う生徒から話を聞きつつ、追いかけること十数分。

 たどり着いたのは人気のない校舎裏だった。このような場所でなければならない内容、と考えるだけで不安が募る。しかし、ここで尻込みしている場合ではなかった。俺は意を決して歩を進め――。




「話し声……いや、これは?」




 周囲から雑音が消えるほどに踏み込んだところで。

 俺の耳に、彼女たちの声が飛び込んできた。

 そして、微かに聞こえたのは――。




『……貴女は相応しくない!!』




 耳にまるで馴染みがない。

 あまりに痛々しい、麗華の悲鳴のような声だった。




https://ncode.syosetu.com/n9876jk/

下記にリンクあります。




面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ