星観者
超お久しぶりです。agoです。
短編ではありますが、読んでいただけると幸いです。
星が崩壊する様を目にする。
星が崩壊する音を耳にする。
その星の中心はあまりに赫い。
「隊長!早く離れてください!崩壊に巻き込まれます!」
部下の叫びはもはや私には届かない。
我々は気づくのが遅かった。いや、遅すぎた。
こうなることは早期に分かっていたはずなのに。
手を打つことが遅れたために崩壊する時期を早めてしまった。
ツーーーっ
頬に一筋の涙が伝う。
私はこの光景を見るしかなかった。
この行為は「静観」であり「星観」なのだろう。
そろそろ時間だ。この星は今1度大きな爆発を起こし、その姿を消すだろう。
ならば私に出来ることはただ1つ。
こうなることを予測しておきながら、他のものを説得しきれなかった者としてこの星と共に運命を終えることだ。
悲しくなどはない。むしろ私の心は満足感に浸っている。
もう間もなく、星の大爆発が起こる。
私は星に近づき、そしてかつて地上であった場所に浮かぶ。もはやそこには立てる地上はない。
星がその息吹きを派手に終える。
そして、私も……。
今、残された者に伝えたい。
何かをするのに早すぎることはない。遅くすることに比べれば…。
が、頑張った…。