表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

桜前線、高校生に転生して初めての骨折でも治らなくていい、この片想いが消えなければと願う、とある陰陽師の独り言!その2

作者: 摩周 璃玖

ボーイズラブの片想いをエッセイ風にした1527字ほどの短編です。


8月、高校生も夏休みシーズン到来。

夏だ、海だ、山だ、湖だと、気分もあっがりまくり~♪


だがまだ骨折した足の指骨がズレているから包帯は取れていない……

このぉ、めちゃくちゃな猛暑っ。

足の包帯の真下に展開する、汗とムレと痒みの三重苦行なんて、マジ有りえないんですけれど(号泣)


まあ、その気になれば骨のズレなんて呪術で治せなくもない。

が、整形外科のイケメンK先生に会えなくなる方が辛いから、もうちょい我慢しようかなっとか、思ってしまった。


この間の診察でK先生が「暑いから大変だね」とボクの足を包帯の上から撫でてくれた。

おおっ、K先生の御手に触れられている、どうかこのまま触れたままでいてくれー。いっそ、この手をチョンと切り離して宙に浮かせ、永遠にボクの足を撫でさせようか……。


ちっ、ここで片想いのボクは、それをやったら野蛮だ、欲望に従うのは良くないとか考えてるじゃんかよっ。が、また来週の診察でK先生が撫でてくれるまで辛抱しよっかなとか、思った。


こんなふうにボクがいい気分の診察帰り、背後から呼び止められた。



「蘆屋くん」

振り返ると、どこにでもいそうな普通な雰囲気の同級生女子がいた。

「ねえ、蘆屋くんって、どんな女性が好み? いま誰かと付き合ってる?」


は? ななななななんなんだ、いきなりなこの展開は!


ここは「もう夏休みの宿題終わった?」と訊くのが一般的でないのか。

やむを得ん……こんな時は適当にあしらうに限る……うん?

うううん…………マジで?限る?……かな?


「うーん……まあ、しいていえば、小野(おおの )小町(こまち )と和泉式部を足して2で割ったとしても好みじゃないかもねぇ」


「はぁ? 何それぇ? 意味わかんないし。それって好みが無いってことでいいんだよね? 付き合ってる子はいないんだよね?」


「うーん……まあ」

と、言葉を濁す……にしても、絶世の美女と(うた)われた小野小町も知らないとは世も末だよぉ。



「じゃあさ、良かったら私と付き合わない? ほら、私って男子からも人気あるの知ってるでしょ。それってぇ、可愛いからだと思うんだ」


「うーん……、まあ、しいていったら付き合わないかな。可愛い女子よりもイケメン男子の方がいいなぁ」


「うわっ……訊かなきゃ良かったぁ……。せっかくの土曜日がサイアク過ぎて笑えなーい」


「ぶっ、あっはっはっは、最悪過ぎると笑えるよね……あっはっはっ」


「蘆屋くんって、マジサイテーだよ」


いや、それはこっちのセリフだ、好きになる人が同性でもいいだろっ、と思ったら、その瞬間、目の前が暗くなった。

フツ顔同級生女子が、持っていたバッグでボクの顔面に向けバァーンとブチ当てたからだ。

何するんだよっ、ふつ顔、さすがに温厚なボクだってムカツクぞぉ。


まあ、ぶっちゃけ、呪術で悪鬼を呼び出して、ふつ顔の魂を抜き取るぐらい、お手の物だ。

が、令和でゆったり穏やかに過ごすことを決めたボクは、ぐっ、ぐぐぐぐぐっと我慢する。


ふつ顔が「あしたぁ、みんなに言うからねっ!」捨て台詞をほざいて去った。



以上、興味のカケラも持ち合わせていない「ふつ顔女子」から突然告白と暴力と偏見を受けても何事もなかったかのように対処できるなんて、なんて人徳(じんとく )の高い人間に転生したんだ、最高に立派だよボクは!いっそ人徳(じんとく )道満(どうまん )と改名してもいいぐらいだ、と、自分で自分を富士山ほどに()め、どんどん褒めすぎてエベレストにまで達し、エベレストとチョモランマの境界線に「陰陽師 蘆屋(あしや )道満(どうまん )♡」の明朝体で書かれた大文字の赤旗を立てたら、五芒星( ごぼうせい)なんぞのチンケな旗より、よっぽどイケてるだろう、どうだぁ安倍(あべの )晴明(せいめい )、ボクの実力をっ、うぇーい、イェイイェーイ~の高校一年生の蘆屋道満16歳の独り言ごとでした。


追記 イェイイェーイ~の後には、指がブイの字になっていることを(せつ )に想像してほしい、イェイ(^^)v

読んで頂きまして、ありがとうございます(⁎˃ᴗ˂⁎)


おもしろかったーと思われましたら、★をポチッとお願いします!

(୨୧ᵕ̤ᴗᵕ̤)★ポチもブクマも嬉しいです。



陰陽師の蘆屋道満が昭和に転生して登場する「鴉金屋の娘」も連載中です。こちらもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ