バグ・リトル(10才男児)の例:0.7
海に囲まれた島国、ジャピン。世界最大の島国であるジャピンは5つの区に分かれている。
島の中心部に位置する高齢者の住む延喜区、
機械化した身体の者やトランスジェンダーの者など多様に富む存在で成立するネオダイバーシティ区、
若者や子供のいる家族が多く住むヘラ区、
国家規模の研究を行う特務的多元研究開発機構区略して特研区、
そして海岸沿い一周の地域を割り当てられた沿岸区が存在する。
区はインフラベースで互いに独立しており、そして区間の干渉はほとんど無い。
この分断的構造には理由がある。2423年、世界保全機構が世界的エネルギー不足への対策として発令した、
居住の棲み分けでコストを最小限に抑える政策を盛り込んだ「低エネルギー条約」が各国の義務となった為
である。
沿岸区、海からのゴミが流れ着く場所。
産廃物は当然の事、生活ゴミも沢山流れ着き、まるで沿岸区が膨張していくかの様に、それらは溜まり続ける。
沿岸区とは言わば、ゴミのたどり着く場所、そしてそれは
人間という生物も同じくであった。
社会信用システムによって、一般的な暮らしを割り当てて貰えなかった者達が、そして行き場を失った者達が唯一存在出来る場所、それが沿岸区。
区によって分断された「国」という身体は自浄の力を失っていた。
そしてそれはジャピンだけで無く、各国で起こっていた。人々のえも言われぬ憂いが具現化したかの様に、
世界に難解の根をはり、各地で芽吹いたのだ。




