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終末の辞令

作者: 涼吹 翼

ずっとこの場所で私は働いている。もう70年になるだろうか……

自分で言うのも何だが、ここで私より働いている奴もそうそういないだろう。


私の仕事は、外から仕入れてきたものをある部署からみんなに送ったり

また、みんながいらなくなったものを引き取って外にもどすために同じ部署までもって行く事だ。

単調でつまらなさそうな仕事だと思われる事もある。だが、私がいないと周りのみんなはまともに動く事ができない。それほど私の役目は重要なのだ。

周りの同僚もかなり昔からの付き合いだ。私がいないと彼らは何もできないが、それは私も同じ事だろう。

持ちつ持たれつ。心理一体で一つが欠けると全部がダメになってしまう。

その中で、私はいわば機械のポンプの様な存在と言えるだろう。


彼らがいてくれたから私も今までここでやってくることができたのだ。

中には手術でここを出て行った奴もいたが、それでもほとんど欠けずに、ここを大きくしてきた。


さて、私にも最近上から辞令が下った。やっと永い休みがとれたというわけだ。

私としてはまだまだ働き足りない気もするが、上からの命令は絶対だ。ここらで少し休ませてもらうとする。


休んだ事などないから何をすればいいのかは全く分からないが、とにかく寝るとするか。

そう考えていると一人の同僚が話しかけてきた。


「お疲れ様です心臓さん、今までありがとうございました。

私にも脳さんからすぐに辞令が下ると思います、その時は一緒に休みましょう。」

一人の人間の体を一つの会社に例えた話です。

人間の体の中身も人生となんら変わらないのではないでしょうか?

これからも自分の体と健康を皆さん大事にしてあげてくださいね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] つい最近のレンタル惑星から読ませて頂いておりますが、あなたの作品はショートショートとして完成されていますね。星新一さんの作品と遜色のない素晴らしいものだと思います。それくらいのセンスがある…
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