第80話 試飲
「おーい、生きてるか〜?」ブンブン…
俺は今、固まって未だに動かない彼女の前で手を降っているのだが…
(ふざけて固まった振りをしてる訳でも無さそうだな…)
ふざけてやっているのなら目が動いたりするものだが、彼女は完全にどこも動いておらず、本当に石化魔法を食らったのかの様だった
「と、とりあえず家の中に運びませんか?」
「まぁそうするしかないか、、家の中入るぞ〜?」
「・・・・・・・・・」
「返事がない、ただの屍のようだ」
「屍になっちゃったら困りますよ!」
「分かってるよ、無意識的に言っただけだ」
そうして俺達は彼女を横倒しにして両肩と足の両方を持って、まず家の入り口に運ぼうとする
「行くぞ?、、せーのっ!」
「くっ、、重い、、、え?」
マナカが重いと言うと突如、彼女の頭が持ち上がり、体を回転させてマナカに強力な足蹴を放つ
グキッ!「グボァッ!?」
「レディーに対して重いなんて失礼よ!」
(おいおい、マナカのやつ通路の反対の壁までぶっ飛ばされたぞ…)
急いで俺はマナカの元に駆け寄る
「ううう…」
「あっ、生きてるな」
「生きてちゃ悪い様な言い方ですね…」
「まぁまぁ、食らったのが急所以外で良かったじゃないか、とりあえず生きてた事を喜べよ」
「・・・そうですね…」
そうしてマナカを立たせた俺は腰に手を当ててそっぽを向きながら立っている彼女の元へ向かう
「おーい、行商人ふっ飛ばして良かったのかよ…」
「・・・・・・え?」
「おいおい、固まって数分前の記憶まで固まったか?」
しばらくすると思い出した彼女がマナカの元に行ってめちゃくちゃ必死に謝る
(うわぁ、マナカも困惑してるよ…)
そうすると今度はマナカの腕を掴んだかと思いきや自分の家まで引っ張り同時に俺も腕を掴まれて引きずり込まれる
バタン! 今まで聞いたことのない音を上げて扉が閉まる
「この度は、、、申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!」
「だから謝る必要は無いですって!」
「ちょっと待ってて頂けますか!持ってくるものがありますので!」
そう言うと彼女は俺の目の前から消え、奥の部屋に消えてゆく
「・・行っちまったな…」
「どうします…?」
「とりあえず椅子にでも座るか?」
「そうですね、、そうしましょう…」
そうして俺達は真ん中のテーブル席へと座る
「そういえばここって何かおかしくありませんか…?」
「確かに外から見たら小さい一軒家ぐらいの大きさかと思ったが、、ここはそれ以上の広さだな…」
「何かの魔法でしょうか?」
「考えても仕方ない、今はただ待ってみるか…」
〜8分後〜
「お待たせしました!いや〜探すのに手間取っちゃいましたよ〜」
そうして俺達の目の前には大きい樽コップの中に泡が詰まった物が出された
(この匂いは、、酒だな…)
「あの〜、僕お酒無理なんですけど…?」
「安心してください!なんとこれは味はお酒ですが、お酒の様に酔ったりしないお酒なのです!」
「えーとつまり、、酔わない酒って事だな?」
「はい!」
そう言われて俺とマナカはしばらく見つめ合い…
「飲んでみるか…」(ノンアルコールならば体に害は無いが…)
「じゃあ僕も…」
そうして俺達は同時に飲んでみる
ゴクッ!!
「ど、どうですか…?」
「・・確かに酒だな…」
「僕初めて飲みましたよ…」
「俺も初めてだから安心しろ…」
「で、味はどうですか!?」
「うーん、、、確かに味は酒だしこれで酔わないなら売れると思うが…」
「中には酔う人も酔わない人もいるので絶対に誰が飲んでも酔わないという証拠が…」
「そ、そんなぁ…」
「と、それよりもここって何か魔法でも施されてるのか?」
「あ、はい!昔なんですが、人気があったときに儲けたお金で空間魔法が得意な人に頼んで家の中の広さを2倍ぐらいにしてもらったんですよ!」
「なるほど、それで…」
「今も昔もこのままなんですか?」
「はい!先祖代々ずぅぅぅっとこのままですよ!」
「へぇ〜、それでなんで人気が無くなったんだ?」
そう言うと彼女の表情が明らかにさっきよりも暗くなる
「・・・それには長くなるんですが…」
「いや悪かった、それは後にしよう、それよりもここの機械って故障したんじゃ無かったか?」
「あ、はい、この前に急に動かなくなっちゃって…」
「見せてくれないか?」
「はい、じゃあついてきてくだい!」
そうして俺達は彼女に連れられて屋根に登る
(一階から階段で2階に登り、そこから梯子で屋根に登るのか…)
「落ちないでくださいよ〜」
「お前じゃないかそれ…」「あなたじゃないですかそれ…」
「お二人とも気が会いますね!、、っとここです、ここが急に作動しなくなっちゃって…」
そこにはむき出しの歯車が回ろうとしているが何かにつっかえて回っていない姿が見えた
「もう歯車がボロボロじゃないか、、よくこれでやっていけたな…」
「修理のお金が無くて…」
「まぁここらへんはどうにかなる、それよりもこの歯車はどこと繋がってるのか?」
「ここは、、二階の動力室から繋がってますけど…」
「分かった、とりあえずこの歯車とかは臨時で修理しておくぞ」
「え?どうやってですか?」
そうして俺は彼女に創造士としての力を見せるのであった…
ノンアルコールとはいえ酒は成人になるまでは違法ですので絶対に止めてください




