第75話 一応冒険者としての仕事
(うーん、、ここではあまりクエストは出てないんだな…)
俺は今、冒険者登録を終えて護衛系のクエストをボードで探していたが、最前線に近いからかあまりクエストが出ていなかった
「ここらへんは軍からの回復薬に使える薬草探ししかあまり無いんですよ〜」
「ここらへんでクエストがある場所は何処だ?」
「えーと、、、あっ!この街から伸びる道を真っ直ぐ行くと少し大きめの村があるんですけど、そこならここよりも初心者の冒険者さん向けのクエストが発行されているはずですよ!」
(やはり移動は必要か、、、まぁもう慣れたな)
「・・そこには護衛系のクエストはあるか?」
「はい、、、多分あったと思いますけど…」
「じゃあその村に行くことにするよ、ありがとう」
「はい、行ってらっしゃ〜い!」
元気な声で言う受付嬢を背に俺は建物を出る
「登録されたんですね」
「あぁ、これからクエストが豊富な場所に行ってくるよ」
「ナズベル村ですか、あそこは平和で良いですよ」
「へ〜、クエストが無くてもそれは行ってみたいな…」
「えぇ、ぜひ堪能してきてください…」
「分かった、行ってくる」
そう言って俺は城壁まで行き、なんの問題もなく通過する
(緊張はするけど、無心で行ったらなんとかなったな、、、ん?)
咄嗟に気配を感じて後ろを振り返るがそこには何もいない
(・・気のせいか、、?例のアイツの気配がしたが…)
立ち止まって周りを見てみるが、そこには平原が広がっているだけで何もなかった
(まぁ追っかけて来てるならそれならそれで対処するか…)
そうして俺はまた歩くのを再開する
〜14時間後〜
「・・おっ、あれか?」
途中で休んだりしたため少し時間がかかったがようやく目的地であろうナズベル村に到着する
「すっかり夜になっちまったけど、、おお〜、確かに村という割にはでかいな」
夜で家の明かりを頼りに目視で確認して、少しブレがあるかもしれないが、直径6km程の円形っぽい形に家屋が並んでいる
(ここは壁が無いんだな、、敵の襲撃があったらどうするんだ?)
正確には壁はあるのだが3m程の壁で、魔物などに対しては軽々と飛び越えられる程度の壁しか建てられていなかった
(多分冒険者が多いのかな?それで緊急時には守って貰ってるのかも…)
そんなことを考えつつ村の中に入っていく
(道は、、そこそこ広いか、まぁ馬車なら余裕で通れる位の道幅だな)
その他にもたま〜に、2階にベランダのある建物があり、そこには子供がとても小さいすべり台の様な物で遊んでいる所が見えた
(夜なのに危ねえな、、えーと、ギルドは…)
今度も俺は扉が大きい建物を探して、一軒だけそれに合致する建物を見つけ、しばらく様子を見て冒険者が入ることを確認してから中に入る
ガヤガヤガヤガヤ!!
(周囲からは、、、酒の匂いかこれ!?、、そこらへんに充満してるぞ、、換気してるのかこれ…?)
周りを見回してもガタイの良い男達がテーブルに集まって酒を浴びるように飲んでいる姿がチラホラと見える
「しっかしこれだけ飲んでるならそれ程この人達が潤ってるってことか…」
俺はボードの前に行き、クエストを確認する
(えーと、薬草採取に魔物の討伐、、と何だこれ?畑仕事の手伝い?それもかなり報酬が多い…)
数えてみると普通のクエストでありがちな討伐等のクエストよりも手伝いや何故かカカシ等と言う何だこれ?と思うようなクエストばかりであった
(見事に殆どが農業関係、、討伐と言っても鳥が圧倒的に多い…)
その中で一つだけお目当てのクエストを見つける
(よし、行商の護衛クエスト、これが欲しかった!)
そうして俺はボードのクエスト紙を取り、受付嬢に提出する
「はい、行商の護衛クエストですね、明日の朝7時に出発です、遅れないように注意してくださいね」
そうして俺は無事お目当てのクエストを手に入れたのであった…
(今度は宿探しだな…)




