第74話 冒険者登録
「一応、これをつけておいてください」
そうして見せられたのは無線タイプのイヤホンの様な物だった
「これは?」
「自身の顔等を別人に変える装置です、古代の遺跡からしか時たま発掘されますが希少故に王様等の高官がお忍びで外出する時などに用いられます、これならあなたの事を見たことがある人でも見分けることは出来ません」
「良いのか?これはイリアさんに渡された物だろう?」
「私は大してお忍びで外出することなど滅多にありませんから、、勇者様につけておいてもらった方が良いでしょう」
「あぁ、じゃあ有り難く頂いとくよ」
「はい、それでは朝までここで居てください、朝までギルドは空きませんから…」
〜朝〜
「えーと、これを付けて、、、これでどうだ?」
「バッチリです、このまま司令所の右に真っ直ぐ行けば周りより扉が大きい建物があります、そこがギルドになっています」
「分かった、ありがとう」
「それでは、、行ってらっしゃいませ…」
そうして俺は今、イリアさんと離れ、冒険者ギルドに向かっていったのであった…
「えーと、、周りより扉が大きいやつ、、、、あった…」
そこには周りの建物と大きさは大差はないが、俺が今まで見てきた扉の中で一番大きい、具体的には入り口の高さが3.5mぐらいある扉がついた建物だった
(俺の身長の2倍位はあるか…?)
そんな扉を俺は押して中に入る
ギィィィィィ…
「あれ、、、すいませーん!」
「あっ、はーい!ちょっとお待ちくださーい!」
そうして奥から受付嬢と見られる人が出てくる
「あれ?見たことない人ですね、ここにはなんの御用ですか?」
「冒険者登録にきました」
「分かりました、ではこの用紙に名前等を書いてください、文字は書けますか?」
「あぁ、大丈夫だ、問題ない」
カリカリカリ… よく漫画などで見るようなペンを使って職業等の項目に書き込んでいく
「それよりもこんな朝早くから来るなんて珍しいですね…」
「待ちきれなかっただけですよ…」カリカリ…
そうして書き込み終わり、受付嬢に提出する
「はい、大丈夫です、これからギルドカードをお渡ししますがギルドや、ギルドカードの説明はいりますか?」
「あー、、、一応お願いします」
「はい、では左を見てもらえますか?」
そう言われて俺は左を見るとそこには食物連鎖のピラミッドの様な形をした図形が壁に書かれていた
「あれがギルドのランクになります、それぞれ下から白、緑、靑、黄、紫、黒になります、今言った色はカードにも反映されます」
「それで?」
「上に行くほどランクが上がるのは分かりますね?そしてランクが上に行くほどギルドや王国からの指名依頼になったりします、、、まぁ今のご時世軍とギルドの冒険者との共同作戦等が多いですが…」
「ハハハ、、上に行く頃には終結してることを祈ってますよ…」
「そうですね、、っと、続きなのですが上に行くにはギルドの審査等を受けてからランクが上がります」
「それは一体どんな?」
「申し訳ありません、詳しくはお伝え出来ないのですが、ギルドが出す依頼をこなして貰うなどになります」
(まぁ当然だな…)
「次ですが、ギルドと言ってもギルドは複数あり、商業ギルドや鍛冶ギルド、はたまた釣りギルドなんかがあったりします、それらは複数取っていても大丈夫なので安心してください」
そうして説明は続くが、大抵は漫画等で見るような説明ばかりであった
「・・これで説明を終わります、、、は〜長かったよ〜!」
「お、おう、、お疲れ様です…」
「本当に説明する項目が多すぎて初めての方がたくさん来る時は喉が死ぬかと思いましたよ〜」
(・・なかなかこの人も苦労してるんだな…)
「えーと、、よし!あとはこのカードに指を触れるだけで大丈夫です」
そう言われて俺は出されたカードに触れる
ビーッ!! そんな音を出してカードの表面に俺のステータス等が表示される
「お疲れ様でした、これで登録は終了になります、良い冒険ライフを!」
そうして俺の冒険者登録は終わったのであった




