第73話 提案
「それで、お願いってなんですか?」
俺は今、イリアさんからのお願いとやらを聞いていた
「えぇ、実は魔王討伐の事についてなのです」
「え?普通に魔王城に乗りこんで魔王を倒すだけじゃ足りないんですか?」
「いえ、それはその認識で間違っていません、何か代償が必要だとかそういうものは必要ありません」
「じゃあ一体なんですか?」
「はい、実は魔王にはある特性があるのです…」
「特性?」
「えぇ、そしてその特性というのが、、、゛勇者の職業を持つものにしか倒されない゛というものです」
「勇者の職業?」
「はい、基本的に私達は召喚された人達全員を含めて勇者様とお呼びしますが、勇者様の中で勇者の職業、つまり神保勇樹様が直接トドメを刺さないと魔王は何度も復活してしまうんですよ」
「へぇ?それがどうしたんですか?ただ勇樹がトドメを刺せばいいだけでしょう?」
「それがそううまくはいかないのですよ」
「それはどんな?」
「えぇ、それは勇者は魔王にトドメを刺す際に全力を出す必要があるんですけど、実は勇者が持つ剣にはある特性があって、それが勇者の体力消費と同等の力を出すというものなのです」
「なるほど、それでトドメを刺せるような状態になる頃には勇者は体力を使い切って全力を出せず倒せないと…」
「そうなのですが、このデメリットを打ち消すものがこの世に4つ、、実質一つですけどあるんです」
「で、それは一体?」
「勇者の剣と同じ剣です」
「勇者の剣と同じ?勇者の剣は勇者と一緒に現れるものでは?」
「はい、仰ることはごもっともなのですがこれが何故こうなったのかと言うことはまだ解明されていないんです」
「・・なんか妙に胡散臭くなってきたぞ…」
「私もそう思います、ですが古い文献にその剣は勇者の剣のデメリットを無くした剣だとか…」
「えぇ、、そんなものがあるならどうして勇者に持たせないんだ?」
「4つあり、実質一つだと言ったでしょう?その剣は4つに分裂した状態で各国に散らばっているんです」
「で、それを集めたら一つに?」
「はい、それを勇者様に集めて頂いて、完成した剣を神保様に渡してほしいんです」
「・・・まぁ詳細は分かった、でその分裂した剣の欠片?はどこにあるんだ?」
「まずここから近いのは海の国アウナリス国ですね」
「海の国かぁ…」
「そこは陸上の国土が海岸線だけという珍しい国なんですよ」
「゛陸上の゛?」
「はい、海の国アウナリスは海中にその都市があるんです」
「へぇ〜、それは楽しみだ、じゃあ早速…」
「あっ、待ってください!行く前に冒険者ギルドに登録していってください」
「冒険者ギルドってのがあるのか…」
「そこで登録すれば各国の国境通行税が免除されたりするんです」
「なるほど、やっておく価値はありそうだな」
そうして俺は海の国へ行く前に冒険者登録することになるのだった…




