第69話 道中
ザクッ、ザクッ、ザクッ 土の上を歩く音と風の音だけが響く
「ふぅ、、少し休むか…」
俺は今、お世話になった村を離れ、村から続く道を歩いている最中だった
(・・・すぐ連合軍と合流出来るかと思ったけど、まさか俺が川に落ちて丁度魔王軍が反抗作戦に出るなんてなぁ…)
おかげで歩く距離が伸び、未だに前線すら辿り着けていない状況だった
「・・・さて、もう少し歩くか」
度々小休憩を挟みつつ歩くが、たまに林に入るくらいしか景色が変わらなかった
(ひとまずこのまま歩いて合流しようとしても、あっちでの俺の扱いがどうなってるのかが重要だな…)
もしも俺が川に落ちたとして死亡判定されていた場合、人類側からしたら死んだ勇者を装う魔物にしか見えないだろう、そう考えた俺はひとまず連合軍を視認しても様子を見るなどの計画を立てる
「しっかし、、遠いなぁ、、そこまで連合軍は押し込まれてるのか?」
俺が前に乗った例の飛行船は艦長いわく有利な戦局に拍車をかけることができる程の力を持つらしいが、今のところそんな気配はなく、今のところは一方的に押し込まれている様に見えた
(やっぱりあの大砲が原因か、、魔族達も負けず劣らずの兵器を開発するものだな…)
そんなことを考えていると前からふと、気配がする
(まずいっ!) ズササッ!
とっさに脇にある草むらに飛び込み隠蔽のスキルを発動する
パカラッ!パカラッ!パカラッ!
(ん?馬か?)
少し見てみると音の招待はミノタウロスで、その上に魔族らしき人が乗っていた
(・・・・たぶんアレは定期連絡か…?)
ミノタウロスの上に乗っていた魔族らしき人はかなり顔が険しく、かなり急いでいるようだった
(・・・ミノタウロスは腕あるんだから持たせてミノタウロスだけ送ればいいと思うんだがなぁ…)
ザザッ…! 身を隠していた草から体を出す
「ふぅ、まったく冷や汗をかいたぜ、、人類にも魔族にも見つかっちゃいけないってどんなゲームだ?」
そんな冗談を言いつつも歩くのを再開する
(・・・今の男、顔が険しかったな、、前線連絡員だとしたら戦局が魔族にとって悪化、、、する要因があったな…)
「・・・たぶん例の飛行船が前線で戦い出したということか…?」
歩きながら考察してみるが、情報が少な過ぎて永遠と歩く事への退屈凌ぎにもならない
「はぁ、、フルのヤツがいたら退屈も紛らわせるんだがなぁ…」
一応まだテイム状態は解除しておらず、その気になればここからフルにも連絡がとれるのだが、それは安全な場所まで行ってからにしようと考えていた俺はフルと通話することも考えず、ただ歩き続ける
「他のみんなはうまく戦ってるかな?まさか戦死していないといいんだがな…」
そんなことを考えているとだんだんと日が落ち、周囲に暗闇が立ち込めてくる
〜夜〜
「・・今日はこのぐらいで止めるか…」
そうして俺は道から少し離れた場所でテントを張り、野営の準備をする
「ふぅ、こんなもんか、、、一応結界張っておくか…」
キーーン! いつぞやの結界の様に結界の上のみ開けて必要な魔力を節約しつつ結界を張る
(これでよし、中で暇でも潰して寝るか…)
そうして村でこっそり作った一人用ゲームでもして暇を潰した俺はそのまま寝るのであった…
追記:PV(総アクセス数)が5000をだいぶ前に突破していました(汗
まだまだ初めてたった数カ月の小説ですが今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m




