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変わり者の異世界冒険記  作者: 白山なろう
第4章 遭難編
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第64話 砲声

ザクッ、ザクッ、ザクッ 俺は今、村に戻るために野原を歩いていた


(・・・いつもここらへんは晴れているのに雲が多い、、少し気味が悪いな…)


だが今日はたまたま雲が多い日なのだろうと思い、気にも止めずそのまま村まで帰る


(・・そういえば村に来て何日経ったかな…?一ヶ月以上は間違いなく滞在してるな…?)


そうして村に帰るまでの暇つぶしにここまでの日数を数えてみたりする、すると…


ドーン!ドカーン!ドドーン!


「何だ今の音!?」


村まであと100mあるかないか程度の距離で村の方向からとんでもない爆発音が聞こえてきた


「・・・まさかな…」


確かめるために俺は村まで全力疾走する


ザクッ!ザクッ! 踏みつけられる草が連続して鳴り響く


「・・・魔法では間違いなく100m以上届く爆発音は出せない、それに爆発させたら黒煙が見える筈だがそれもない、とすると…」


考えられるのは大砲の類のものしか考えられなかった


「・・・見えてきた、、おっ…!」


そうして目の前に入ってきた光景はいつもよりは慌ただしいが、いつもの食事を準備している家庭や、庭で洗濯物を干している最中な家庭もあった


「良かった、、村が襲われていたんじゃなかったんだな…」


安堵したのも束の間、井戸がある広間に次々と大人たちが集まっているのが見えた


「・・・どうします…?」「・・・・しかなかろう…」


話し声が少し聞こえるが肝心の内容までは聞けない、そこで俺はもう少し近づいていく


「・・・で村長、また戦いが始まったって本当ですか…?」


「あぁ本当じゃ、昨日の夜魔王様の所から使いが来てな、明日の昼に領土を取り戻す為の反抗を行うという通達が来た…」


「なんで教えてくれなかったんですか!」


「おいおい…」「構わん、言いたいことはよくわかる、しかし通達が来たのは真夜中じゃ、これを伝えたら皆が慌てふためくのは目に見えておる」


「しかし…」


「わかってくれ、朝には伝えようとしたが、ここで遊ぶ子供達の姿を見たらどうしても言い出せなくてのう、、すまんかった…」


「・・・それで、これからどうするんですか…?」


「うむ、今は優勢のようじゃし避難する必要もあるまい、だが子供達は村の外へ出してはならん、戦いに巻き込まれるやもしれん」


村長がそう言うと周りの大人たちが一斉にうなずく


(・・・やはりここは魔王領、そしてこの人達は、、おそらくは人類からみたら魔族共なんだろうな…)


気づいたのは昨日、マッピングがほぼ完了し覚えてる限りの地図と照らし合わせると反抗作戦前は魔王領の奥にある村だったが、反抗作戦によってかなり前線と近くなった村だった


(これからどうする、、?前線に行って人類の連合軍と合流するか、、それとも…)


そう考えていると村長からある情報が出てくる


「村長、さっきの爆発?音は一体何なんですか…?魔法にしては音が大きいような…」


「それは、「大砲」と言われる新兵器だそうじゃ、これも連絡があったわい…」


(なにっ、大砲!?そんな物を作れるようになったのか…)


「村長、その大砲とやらでこの戦争は終わるんですか…?」


「わからん、ただこのままでも人類側は黙っておらんじゃろう、しばらくは押して押されての繰り返しになるはずじゃ」


(確かに、人類側にはそれに準じた兵器がもうあるからな…)


「さて、もう十分じゃろう、みんな家に戻りなさい、それと今までより一層子供の脱走には注意しなさい、この前の事件もあるからのう…」


「「「はい…」」」


ゾロゾロゾロ… そうして会話が終わったのか大人たちが村長から離れてそれぞれの家に帰っていく


(・・・戻るなら今か…)


俺は家の影からでて宿に戻っていく


(・・・大砲か、これで銃まで開発されたらそっくり地球の第一次世界大戦の繰り返しだ…)


それだけは絶対にならないと思いつつ部屋に戻る


「あっ!お兄ちゃん!お帰りなさ〜い!」


「あぁ、ただいま」


「ねぇ、さっきの音聞いた!?すっごい大っきな音がしたんだよ!」


「あぁ、それは聞いたよ、凄かったな」


「でしょ!それでね!音の元を探しに行こうってなったんだよ!お兄ちゃんも行こう?」


「駄目だ!それだけは!」


「えっ、、なんで?」


「良いか?音も元には絶対に行くな、また危ない目に遭うぞ」


「危ないって、何が?」


「それは、、、とにかく行っていい場所じゃない、行くのは止めるんだ」


「・・・・・はーい…」


「ごめんな、代わりに後でなんでも創ってやるから…」


「本当!?何でもいいの?」


「あぁ、だけど決めるのはじっくり考えろよ?そんなに沢山は創ってやれないからな?」


「はーい!」


そうして立ち去っていく彼女を見て、俺はひとまず安心したが、心の内ではまだ行く可能性を拭いきれなかったのであった…


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