第63話 刀
例の失踪事件からまた数日経ち、もうマッピングもそろそろ佳境に入るぐらいには完成していた
(・・・しっかしこんなの良く出来たなぁ…)
俺は今、部屋に立て掛けてあった日本刀を見ていた、それは数日前にサイクロプスとの戦いの中で創った急ごしらえの刀だった
「・・やっぱり少し傷んでるか、、まぁ刀を降るのは全くの素人だし、極力傷まずに降るには修行が必要だな…」
急ごしらえとはいえ、ここまで出来たのは「創造士」の力あってこそだった
(日本刀を作るためには職人クラスの実力が必要、、なのに魔法という力だけですんなりと出来上がってしまう…)
改めて魔法の恐ろしさを実感する
(・・だが硬いと言われるサイクロプスの手の指も切るその切断力は戦いの上で喉から手が出るほど欲しいなぁ…)
そうして俺は2刀目の刀を創る
ビリリリリリ!!
体にはいつもの電流が流れるが、大抵は何処かの部位に集中して電流が流れてくる
「・・右足か…」
前回は腕に電流が流れてうまく創れなかったが、今度は足なので安定して創ることができる
「・・・手を離してても創れる用になったらなぁ……」
自分の願望を呟きつつ刀を少しづつ創っていくと…
ガチャッ! 「お兄ちゃん、一緒に外、、え…」
「ん?あぁ、そういえば見せたことは無かったな」
「へぇ〜、そうやって創るんだ〜」
そう言って彼女は俺の横に来て創っている最中の刀をまじまじと見る
(くっ、、見られてるとむず痒くて集中出来ん…!)
そんな中で俺は表情を変えず黙々と創り続ける
〜3時間後〜
「・・・よしっ!出来た!」
「うぅぅぅん…」
「なんだ、寝てたのか…」
「ここは…?」
「おいおい、場所まで寝ぼけないでくれよ…」
「あっ!出来たんだね!お兄ちゃん!」
「お、おう…」(回復が早い…)
そうして出来たのは日本刀をベースに、自分なりの改造を施した刀だった
(これを試すにはできるだけ広くて練習台になる物が多い場所が好ましいな…)
「ねぇ、これをどうするの…?」
「あぁ、これは俺の敵に対して振る刀だな…」
「ふーん、そうなんだ…」
「・・・・・・・まぁこの前みたいなサイクロプスが相手になるだろうな…」
「そうだね…」
そしてそこから先は何も言葉が出ず、ただ沈黙するだけであった
〜1日後〜
「・・・よし、ここならいいか…」
そうして俺は昨日創ったばかりの刀を振る
ブォッ! スパッ!
そうして試しに見た目が殆ど竹の植物に刀を振る
ズサーーッ!!
轟音を立てて竹らしきものが他の植物に引っかかって斜めになる
「これは、、、人を切ったらこれみたいになりそうだな…」
切るときには殆ど切ったという感触はなく、何かに触れたという感触だけだった
「これは透明化しなくても良さそうだな、、せめて何か武器を持ってた方が良いだろうし…」
そうして俺は刀を帯刀して村に戻って行くのであった…




