第61話 第2ラウンド開始
「さぁ、第2ラウンドと行くか…」「gyaaaaaaa!」
そうして俺はおそらくは子供のサイクロプスと戦うのであった
「gyaaaaaaaaaa!!」
サイクロプスが咆哮を上げて腕を振り落としてくる
（狙いはこっちか!）
咄嗟に後ろに飛んで避ける
ドカン!…
（やっぱり子供とはいえサイクロプスだな…）
自分が元いた場所はサイクロプスの拳で7cmほどえぐられており、サイクロプスの特徴である高いパワーを持っている証拠だった
（だがその特徴が一緒ということはコイツも大人と同じ弱点、つまり背中の柔らかい所を持っているはずだ!）
そして腕を引っ込めたサイクロプスがしばらくじっとしていると…
（ん?何をする気だ?）
唐突にサイクロプスは地面を掘って土を両手に持つ
（・・・まさか…）
「gyaaaaaaa!」ドサッ!
そうして両手に持った土を両手で丸めて団子を作る
「おいおいおい、、デカすぎだろ…」
その大きさは大人二人を中に入れてもまだ余裕がありそうな大きさになり、サイクロプスの腕力で団子も圧力でとんでもない硬さになっている
「gyaaaaaaa!!」
そうしてサイクロプスは団子を投げてくる
「うおっ!あぶねぇよ!」
咄嗟下に避けてサイクロプスの狙いが甘かったおかげで少し下に着弾し、なんとか破片が体に当たる程度で済む
（あんなの直撃したら押し潰されるぞ…）
そんなことを思っているとフルがサイクロプスの頭一つ分くらいありそうな石を持ってくる
「gyaaaaaaa!」 ヒューーン!
「gyaaaaaaaaaaaaaa!」
「よし!頭に食らった!」
そのおかげでサイクロプスは頭を抱えて少しフラついて周りにあった木にぶつかる
ドシン!!バキバキバキ!
「あぁ、怯んだけどあれじゃ攻撃は無理だな…」
そこで俺は新しい武器を創造してその武器で倒すことにする
（もうちょっと怯んでてくれよ…）
ビリリリリリ!! いつもの電流が体内に流れてくる
「ぐぐっ、、腕が…」
腕が痙攣して震えて思うように創造できない
「もうちょっと…」
腕を体に当てて抑えようとするが手首も震えてくる
「くそっ、、あとちょっとだってのに…」
「gyaaaaaaaaaa…」
そうしていると遂にサイクロプスが怯みから回復して立ち上がる
「gyaaaaaaaaaa!!」
さっきの攻撃で完全に怒り狂い、咆哮を上げながらこちらに近づいてくる
「gyaaaaaaa!」ヒューーン
!
ドカッ!「・・・・・」
フルの攻撃も気にも止めず向かってくる
「くそっ、、緊張して、、足が動かん…」
ドシン! ドシン!
だんだんとこちらに近づいてくる音が近くなり、あと10mあるかないかぐらいまで近づいてくる
ドシン!、、、
（ん?音が止まった…?）
突然近づいてくる足音が止まり、周辺が静まり返る
「なんだ、、って!おい!何やってんだ!」
そこには子供達がサイクロプスの前に並んでいた
「危険だ!逃げろ!」
「嫌だ!」
（・・・は?いま嫌って言ったか…?）
「おい!嫌じゃねぇって!お前らに叶うわけがない!」
「時間稼ぎぐらいできるもん!」
「駄々をこねるな!そんな場合じゃないんだぞ!」
「お兄ちゃんは私達が守るもん!何も言わないで!」
「gyaaaaaaa!」
そうして遂にサイクロプスの攻撃が来る
「危ない!避けろ!」
「みんな!」「「「おうっ!」」」
「信じてるから…!」
そう言って子供達はサイクロプスの足元だったり腕の攻撃が届く範囲内だったり様々な所を走り回る
「くそっ!なんとか持ちこたえてくれよ!」
そうして俺は武器の創造を続ける
「もっとだ、、もっと速く…」
パキッ! 「これが最後の一本だ!、、、プハァ!」
魔力を回復して最後の仕上げにかかる
（もうちょい、、もうちょい、、、、できた!）
そうして俺の手に握られていたのは柄こそ少しできていないが、確かに日本刀の姿がそこにあった
「待たせた、、な…」
俺が顔を出して見ると、そこには今にもサイクロプスに掴まれそうになっている子供達の姿があった
（くそっ!）
「gyaaaaaaa!」ヒューーン!
「gyaaaaaaaaaaa!!」
（ナイスだ!フル!）
フルはサイクロプスの手の甲に石を当ててサイクロプスの手を引っ込めさせた
「・・・よくもやってくれたもんだな…」
「gyaaaaaaa…」
サイクロプスが俺を掴もうと手を開いて腕を伸ばしてくる
「・・・今だ!」ザシュッ!
日本刀を掴まれる瞬間に指に向かって振る
「gyaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
指を切り落とされたサイクロプスは今まで以上の咆哮を上げる
「これで終わりだ…」
サイクロプスが目を閉じた所で首元にワイヤー弾を打ち込んでワイヤーを引っ張る
「gyaaaaaaa!!!」ドカーン!
首から引っ張られたサイクロプスは俺に向かって倒れ、うつ伏せになる
ザシュッ!! そして背中に登り心臓に日本刀を突き刺す
「gyaaaaaaaaaaaa…」
そうしてサイクロプスは絶命し、ピクリとも動かなくなる
「ハァ、、、あの行動は肝を冷やしたぜ…」
そう言って俺はその場で倒れたのであった
