第6話 二人目の鬼教官、そして救援要請
「もっと魔力を出し切りなさい!」
そんな声が響く中俺は女教官に限界まで魔法を維持するように命令されていた
(フゥ、意外とキツいな、これ)
今維持しているのは各種4大魔法の火属性の魔法「フレア」である、初歩中の初歩な魔法なのだが教官が言うには
「初期の魔法だろうが訓練をすればそれは初期の魔法とは言えなくなる!」
・・・らしい
俺はチラッとステータスの欄を見る
(ハァ、まだ4分の3程度しか出せていないのか)
「フフ、どうした?おそらく4分の3程度でまだ尽きないのかと考えているのか?」
(!?、何でわかるんだ?)
「秘密を教えてやろう、魔法使いはある程度成熟すると相手の残り魔力がある程度予知できるんだよ、無論私も出来るが私は完璧に相手の残り魔力を測ることが出来るんだよ」
(何だそりゃ、それじゃズルしたくても出来ないじゃないか!)
、、、、プシュー…
そんな音と同時に魔法が消える
(ようやく終わったか、時間にして約40分ってところか、「フレア」の魔力消費量が最低の1だから一分で約3ぐらいの魔力消費量か)
「よし、ようやく魔力が切れたようだねそれじゃあ早速次の訓練に移るか」
「あの、ちょっと休みとかは?」
「あぁん?休みだ?寝言言ってんじゃないよ!さっさと次に行く!」
(こっちもこっちで鬼教官だな、さっきの教官とでいいコンビになりそうだ)
「あぁ、あとさっきの野郎と私を一緒にするんじゃないよ、あいつは筋肉バカだからね」
意外と仲は悪い様だ
「さあ次の課題だよ、お前の得意な魔法が何かを測定させてもらう、この玉に触れてみな、それでお前の得意な魔法が分かる」
どうやらこの占いとかにある玉に触れれば良いようだ
スッ、、、、、? 何も起こらない
「あれ?おかしいな、長年使ってはいるが故障なんぞしなかったんだかなぁ…」
どうやらアクシデントの様だ、まぁおそらく特殊スキルのせいでこの玉がうまく機能しないのだと思われるが、そんなこと教官は知らないので故障だと疑うのも当然だろう
「うーん、しょうがない不本意だがこのザマだ、しばらくの休憩とする」
(よし、なんとか休憩が取れそうだ、最初は役に立たないと思っていたがなかなか使えるじゃないか)
「じゃあここで座っていな、換えを取ってくる」
〜5分後〜
「待たせたな、今度こそはいけるはずだけど…」
スッ、、、、、 やはり何も起こらない
「えぇ〜コレも壊れてるのか?どれどれ〜?…」
そうして教官が玉に触れる
スッ、、、、、ピカッ! 一瞬赤に点滅してまた元の透明に戻る
「うん?壊れているなら光らん筈だが一体どうなってるんだい?」
(赤に光ったということはおそらくこの教官は火属性が得意なのだろう)
「じゃあしょうがない、測るのは後でいいだろう、次は・・・」
バタン! 「失礼します!」
兵士が慌てて部屋の扉を開く
「何だい!そんなに急ぐことかい?」
「失礼しました、城の地下のダンジョンにて異例の魔物が発生し、訓練中の勇者様方が魔物に包囲されている様なのです!」
「「なんだって!?」」
「至急、地下ダンジョンにお急ぎください!もう一刻の猶予もございません!」
「すぐに行くよ!お前はここで待ってな!」
「あの、勇者様にそのような言い方は…」
「うるさいねぇ、一刻の猶予も無いんだろう!急ぐよ!」
「あの、待ってください!」
俺は教官を呼び止める
「何だい!」
「俺も一緒に付いて行かせてもらえませんか?」
「このど阿呆が!早死にしたいのかい!?おとなしくここで待ってな!」
「でも付いて行かせてください!」
「・・・変わってるねぇあんた、そんな事を言う奴は初めてだよ、死んでも知らないからね!」
こうして俺はダンジョンに行くことにした、理由は早々にチート持ちのあいつらが苦戦する相手がどんなものか調べておくのが一つ、2つは・・・
(やっぱりダンジョンってやつを一目見ておきたいよね!)
そんなこんなで俺は目的は不純ながらもダンジョンに行くことにした、もっと異世界を感じてみたいが為に




