魔王軍編第15話 作戦開始
会議から3日程経ち、諜報員から目標が近いうちに前線に移動するという報告を受けていた
(さて、、いざ始まるとなると私でさえ緊張で心が昂ぶってくるな…)
今魔王は部屋で寝ている最中だったのだが、連絡を受けてまるで遠足前の園児の様に少し寝付けなかった
(それにしてもあそこから我々も知らなかったものが出てくるとはなぁ…)
それは3日前ナーギリア市防衛にあたっていた部隊からとんでもない報告が来たのだった
〜3日前〜
「魔王様!ナーギリア市防衛部隊より、接敵との報告です!」
「ついに来たか、、それで規模は?」
「はっ!諜報通り1個師団と飛行船一隻のみとの報告です!」
「よし、それなら十分防衛部隊で事足りるはずだ、だが報告は絶やすな、少しでも前線の様子が知りたい」
「はっ!失礼しました!」
そうして連絡係の者が立ち去っていく
(ナーギリア市は我々にとっても重要な場所だ、例の作戦まで持ちこたえてくれよ…)
そうして待つこと半日
「魔王様!緊急伝です!」
「どうした!」
「ナーギリア市防衛部隊より、ナーギリア市近郊の地下から巨大な飛行船が飛び立ち、瞬く間に防衛部隊が壊滅したとのことです…」
「なにっ!?」
実は魔王はほんの少し前に敵の飛行船がナーギリア市に着陸した後、後方に飛び去っていったという報告を受けて、少し着陸したということに疑問を持っていたものの、大したことではないと踏んで逆に飛行船が去っていったことを喜んでいたのだった
(ぐぬぬ、まだそんなものが残っていたとは、、着陸した部隊はその飛行船を強奪するために着陸したのか…!)
「・・・それでその飛行船の詳細は分かっているのか?」
「いえ、、何しろ新型の飛行船、かつ今までとは比べ物にならないくらいの巨大さですので…」
「まぁいい、後でわかることだ…」
その後の報告で少しだけ損傷を負わせることが出来たという報告を受けた
(やはり奴らとて完全無欠の物を作ることはできない、これは我々にも当てはまるが、造られるものは所詮人が考えたもの、何処かに隙はある…)
「・・・だが奴らも100%が間抜けというわけではない、油断しないようにしなければ…」
そう思う魔王であった
〜今に戻る〜
(はぁ、、例の装置をすべて事前に運び出したのは正解だったな…)
魔王は万が一ナーギリア市が陥落した場合を考え、あの装置のみナーギリア市から運び出していたのだった
(あの装置を使った魔物の効果は絶大だったからな…)
これも前に魔王が巨大化した魔物がとんでもない力を行使することが出来たという事を聞いてその恐ろしさを感じていたのだった
(魔物を巨大化させると周囲に雷を伴う雲を発生させ、耐久力も敵の飛行船の全弾を食らっても生きているというのだから驚きだったな…)
その際に例の勇者の攻撃も受けたがそれも耐えたという報告を受けた魔王はその耐久に驚きを隠せなかった、何しろ自分達でさえ簡単には破壊できない装甲を突破したという攻撃を耐えたというのだから当然だった
(その後巨大化を解いて帰還させたが、あれならきっと今後も約に立つだろうからな)
そうして魔王は暫くして眠りにつく
〜朝〜
「魔・・さま…」
「魔王様…!」
「うん〜?なんだ?」
「魔王様、お目覚めになってください、うれしい報告があります」
「なんだ…?」
「例の勇者を殺す事に成功したようです!」
「なにっ!それは本当か!?」
「はい、敵の部隊に潜んでいた者が朝に計画通りに殺ったとの事です」
「それで前線部隊の方はどうなっている?」
「ちゃんと計画に基づき行動を開始、今はおそらく敵の後方に回っている頃かと思われます」
「よし!そのまま反撃続行だ、急いで会議に行くぞ!」
「ああっ!待ってください!まだお着替えが…」
こうして魔王軍の反抗作戦が始まったのだった…
これで魔王軍編は一旦終了です、これからは主人公の視点に戻ります




