魔王軍編第13話 中断
あの事件から2日、魔王はドワーフ王国に滞在していた
(私をコケにした罪は重いぞ…)
そう思いつつ手紙の鑑定の結果を待ちながらドワーフの街を見渡す
「・・・それにしてもよく発展した国だ、、全員が一生懸命己の仕事に精を出し、全員が良好な関係を築いている、、一方で魔族は種族の違いで仲違いし、挙げ句の果には仕事をしない者もいる…」
ドワーフは朝昼と毎日欠かさず働き、夜には大人数の仲間と一緒に酒を飲む、こんなに働く種族はドワーフのみであった
コンコン!「魔王様!鑑定結果が出ました!」
「入れ」
ガチャッ! 「鑑定結果が先程届きました…」
そうして一枚の紙が渡される
鑑定結果
・筆跡はドワーフ王国内にいるドワーフ族の筆跡とは一致しない
・筆跡はとても精密で、一目見るだけではわからないような精工さである
・この書は魔法を得意とする者によって偽装された可能性がある
「・・・・・・・・・・・」
「鑑識からは、この書から鑑定できる物はこれぐらいしかないと…」
(ふーむ、魔法が得意とする者というこは他に字が書ける魔族などの仕業か、魔法で書いたかのどちらかだろうか…)
そうして魔王が長考を始めてから5分後〜
コンコン!「魔王様!大変です!」
「なんだ?」
現れたのは前線で伝令兵をしている者の格好をした者だった
「先程、前線から連絡があり、飛行船4隻と約5個師団と勇者全員付の大軍が中央に押し寄せて、前線部隊が出て迎撃したものの敗れ、中央が突破されました…」
「なにっ!?それは本当か!」
「はい、私も間近で確認しました、現在敵は4方向に分かれて中央を進撃中です…」
「おい!中央の先にはナーギリア市があったよな?」
「はい、、すぐそこに到達されるかと…」
(くっ、ナーギリア市にはまだまだ調べきれていない兵器が山ほどあるんだぞ、、ん?そういえば…)
「・・・ナーギリア市に例のアレはまだ残ってたか?」
「・・おそらくは、、、もしや!」
「あぁそうだ、アレを使って一番近いルートの奴らの進軍を妨害しろ、多少の時間稼ぎにはなるはずだ」
「承知しました、そのように」
「あと予備部隊も前線に出すように伝えろ」
「そちらも了解しました」
(・・・しかしこうなってくるとここには居られなくなるな…)
「おい、今すぐ魔王様城に帰る準備をしろ」
「りょ、了解しました!」
そう言って召使いの者が廊下を走っていく
「ふぅ、、私もいかねばな…」
そうして着替えた魔王はドワーフ王にもう一度会いに行く
「おぉ、魔王様、先程城に戻るとの連絡が来ましたが…」
「あぁそうだ、先程連絡があってな」
そう言ってドワーフの城を出た魔王はそのまま魔王城への帰路に付くのであった




