第5話 鬼教官
「さあ、ワシの野望はすぐに果たされるであろう、ワハハハハ!」
(・・・ふーん、そうだったのかあらかじめ創造スキルでダミーを用意してまで調べにきたかいがあったぜ、、召喚した国が勇者を使ってあれやこれや暗躍するのは小説とかでたまに見かけるが、この世界もそのパターンのやつらしいな)
だが今すぐに何かするわけでも無いようだし、定期的に監視するだけでいいだろう
(というか調査するために我慢しているとはいえ流石に眠いな、ここはさっさと部屋に戻って寝よう)
というかこの通路は一体何なのだろうか、部屋から繋がっていたから使わせて頂いたが、王族の避難経路だとしてもあの少しばかり太っている王様が通れるとは到底思えない
スッ、、 そんな音を立てて部屋の天井にあるブロックをどかす
(全く天井のブロックが外れるなんてある程度考えていたとはいえ、実際にあると流石に驚くな)
そんな愚痴を漏らしつつ怪しくないようにブロックを元の位置に戻して隙間を埋める
(そういえばこの城を造る時はこの通路は無かったのだろうか?もし最初からあってこの通路を作った人はどうなったのか気になるな)
そんなことを考えつつ眠りにつく
〜朝〜
「ピチュン」「ピチュ、ピチュン」
そんな鳴き声で目を覚ます
(毎度毎度どの世界でも鳥公が人間を起こすのは当たり前なのか?)
ちょっとした殺意を鳥に対して懐きつつ体を起こす
「カチカチだがこれはこれでよく眠れる工夫がされているな」
ちょっとこの世界の技術の評価を上方修正する
「ふぅー全く夢じゃないとなると少しワクワクしてくるな」
そんなことを呟いていると誰かがドアをノックした
コン、コン、コン 「はーい」
「お目覚めですか?これから訓練を担当する教官があなた方をお呼びしています」
(は?まだ朝の・・・しまった、この世界じゃ時計が無かったな…)
「わかりました、すぐに行きます」(後で時計は作っておこう)
そうして着替えて案内されたのはグラウンドのような広さを持った場所だった
「今日からあなた方を訓練するように仰せつかったグランド・マッケンゼンと言う、今日からは私があなた方の上官となるので私に従うように!」
(なんか筋肉ムキムキだし顔も強面のThe鬼教官みたいな男の人が出てきたな)
「まずは、グラウンド30週!」
「はぁ〜!?」「ふざけんな!」「もっと緩くしろ!」
「つべこべ言うな!さっさと走れ!」
「そういえば教官」
「なんだ!」
「ダンジョンで訓練するんじゃなかったんですか?」
「そうだ、そうだ!」「ダンジョンに行かせろ!」
そんな声が上がる
(確かに何故だ?)すると
「ダンジョンに行かないのは私の独断だ!いいか!お前らはまだ親鳥の中にいる卵以下の力しかない!だからしっかり育つまでダンジョンには行かせない!」
(なんとも厳しい教官に当たってしまったようだな)
「さあ走れ!死ぬまで走るんだ!」
そう言ってしばらく反抗していた奴らもおとなしく走る
(まぁしょうがないよな、だって)
「ぬおぉぉぉぉぉぉ!」 「ひぃぃぃ!?」「なんだあれ!?」
(鬼の形相で木刀振り回してたら走らざるを得んよな)
〜17週後〜
(ハァ、体力が少ないせいかかなりきついな、こうなったら!「変質者」発動!)
〜さらに13週後〜
「ひぃぃぃ」「はぁぁぁ〜疲れた〜」「ハァ、、ハァ・・もう・・だめだ」
「お前らたるんでおるぞ!何を休んでおる!」
(ハァ、ハァ、、、流石に走り屋の気質を使っても元々の体力がきついな)
「次はそれぞれに合った剣を振る練習だ!さっさと剣を取りにいけ!」
(・・・これは俺でも反抗したくもなるな)
「それとお前!」
(ん?誰だ?)
「だからお前だと言っているだろう!」
「俺ですか?」(俺だったのか…)
「貴様は職業の関係上剣を降っても相手には木のささくれ程度にしかならん!だからお前は向こうの魔力の訓練をする所へ行ってこい!」
「わかりました」(まぁその気になれば剣も振れるんだがな)
そう言って来たのは走った場所の隣にある少し大きめの体育館のような場所だった
「あら、次はあなた?」
今度は女性の教官のようだ
「さあ早速訓練を始めるわよ、まずはあなたの魔力が尽きるまで魔法を維持しなさい!」
(ま、マジか、、予想より厳しくなるようだな)
これはまだまだ序の口だという事を予想してはいたが、考えたくないという思いが予想を頭の中に封印していた




