魔王軍編第5話 戦況
(ついに来たか、、いつかは来るだろうと予想していたが、、、だがそのために策定した作戦だ、うまくいってくれれば良いのだが…)
そして敵の反抗作戦が発動された場合、直ちに軍幹部を交えての会議を開くことになっているので今魔王はその会議場へ向かっていたのだった
コツッ!コツッ!コツッ! いつもよりペースを早くして歩く
「魔王様!お待ちしていました、直ぐに開きます」
ギィーー! 会場の扉が開く
「だからあれほど言ったであろう!敵の反抗作戦があるから防衛体制を取れと!」
「だがそれは今となっては結果論だ!あの時点で本当にあるのかどうかは貴様とてわからなかったはずだ!」
ギャーー!ギャーー! お互いがお互いを罵り合い、事態の責任を問おうとしている
「静まれ!」
その一声で会場中が一斉に黙る
「敵の反抗作戦自体はいつかあったであろう、そのようなことで争うな!今回のことは誰も責任を問わん!それよりも未だに我が領内に入ってくる愚か共を始末する方法を考えることが先であろう!」
(まったく、、今は身内で争っている場合ではないというのに!)
実は魔族と言っても自然に出現するものでもなく、自ら魔族になった者、不可抗力的に魔族になった者、意図的に魔族にさせられた者と様々であり、ここにいる議員達はその殆どが保身の為に自ら魔族になった者たちが多くあり、まだ人間時代に培った保身術を捨てきれない者たちか多くあった
(ぐっ、平等な世界を目指して地方の者にも議会に参加できるようにしたがこれは間違いだったか…?)
地方の者ほど己の名声を欲するもので裏で暗躍する者も多数いた
「魔王様、事前に策定していたという作戦は機能しているのですか?」
「あぁ、まだ一日目だからなんとも言えないが、前線からの定期報告が続いているのを見るに、しっかり機能していると言えるだろう」
質問してきた者は胸を撫でおろし、安心したようだった無論他の者も安心したようだった
「魔王様!発言をお許しください」
「言ってみろ」
「その作戦の後、もう一度領土を取り返す術はあるのですか?」
「・・・ない、、所詮この防衛戦術もその場しのぎの一時的なものだ、いずれ突破され、私は殺されるであろう…」
そう言うと会場が一気にざわつく
「静まれ!そのためのこの会議だ!私も黙って殺られるつもりはない!たとえ私一人になろうとも戦い続ける所存だ!諸君らもその覚悟で望んでほしい!」
場が活気を取り戻す
「陛下に忠誠を!」「陛下!」「陛下!」
会場全体が魔王に忠誠を誓う言葉を言う
「ありがとう!その言葉で私もみなぎった!それでは始めよう、私達に歯向かう愚か共を蹴散らそうじゃないか!」
「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」
そうして場の興奮が最高潮に達する
(この団結力があれば、必ずや敵を打ち倒せるはずだ!)
しばらくして会議を終えた魔王は次に全ての軍関係の者たちを集めて本格的な反抗作戦の策定に入る
「魔王様、先程の演説はとても素晴らしいものでした、我々も一層力が入ります」
「ありがとう、それではさっさと作戦を練ろうか、、して、今回の領土への侵入を許した原因はなんだと思う?」
「やはり勇者の存在です、あの力をどうにかしない限り我々の勝利はないでしょう」
「うむ、それでは勇者を抹殺すればこの戦争は勝てると思うか?」
「いえ、それでは足りません、例え勇者全員を始末したとしても奴らの数は無尽蔵、対してこちらは限りがあります、勇者を始末するには膨大な戦力がいります」
「どのくらいだ?」
「おそらく、、、我が軍の全軍を集めてもギリギリというところですな…」
「それほどか…」
「もっともこれは現時点での推測で、勇者が今後レベルアップしていくにつれもっと始末は困難になるでしょう…」
「そして始末しても数が減った我々は簡単に物量に押し潰されるということか…」
(議会ではあぁ言ったが実際の戦況は最悪だ、なんとかせねばな…)
「魔王様、兵器局から報告がございます」
「ん?なんだ?」
「この前から試作していた兵器がついに完成しそうです」
「おおついにか!それでその性能は?」
「ちょうど会議の後に試験を行います、ぜひ兵器局にいらしてください」
「あぁ、もちろんだ!それさえあればこの戦局をひっくり返すことができるかもしれん!」
「あの〜、その兵器とはなんですか?」
「ふふふ、まだ誰にも話していない秘匿兵器だからな、少し待っていろ、直ぐにわかる」
「は、はぁ…」
そうして少しばかり楽しみが増えた魔王なのであった




