魔王軍編第3話 敗戦の報告
今魔王は週に一回の定例会議に出ていた、、のだが…
「・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・」
「・・どうした?何故誰も喋らぬ」
いつもはこの会議は戦争のことでいつも紛糾していたのだが、今回は何故か誰も喋らずただ静けさがあるだけであった
「だって、、なぁ…」「言わねばならんのか…」
幹部たちが互いに小声で喋り合っているが、小声で喋ろうとも魔王には筒抜けなのであった
「・・・言わなければなんだと言うんだ?」
ビクッ!そんな擬音が聞こえて来るほどに幹部達の体が反応する
「で、では私から…」
(はぁ、、ようやくか、私に言えないことって何だ?)
「じ、実は先日実施された勇者の実力のデータを測るために送った魔物たちが殆ど帰還することなく倒されました…」
「ふむ?そのくらい想定されていたことだろう?何か問題があったのか?」
「それが、「勇者」の職業を持つ勇者の方面に行かせたのは我が軍でも指折りの魔物だったのです」
「・・・それで?」
「その殆どが勇者の一撃で倒されたとのことです、、それで勇者が大幅にレベルアップしてしまいました…」
「まさかそのようなことで私に報告できなかったのか?」
「は、はい、、」
「ふははっ!その程度で私が怒るとでも思ったのか?」
「・・・・・・・」
「まぁ良い、それより他に報告することはないのか?」
「もう一つございます」
「言ってみよ」
「あのおかしな「創造士」の勇者に送った新種の魔物ですが、見たこともない武器で攻撃を封じられ、勇者自身で倒した訳ではないものの、その他のサイクロプスなどが倒されました…」
「ほう?「創造士」にそうのような力があるのか?」
「わかりません、、現在我が王国でも解析が困難であり、同じ「創造士」の職業を持つ魔族に同じような物を創らせ、試して見たのですが勇者のようには出来ませんでした…」
「まだまだ勇者のことに関して我々は無知だ、これから調べていけば良い」
「ありがとうございます…」
「それでその新種の魔物とやらの実戦の効果はどのくらいだ?」
「はっ、それはこのようになっていまして、、、、、」
こうして会議が続いてから2時間後〜
「・・・・それではその「創造士」の勇者らの方面は魔物を増やすとして、残りはそのままで待機とする、これにて定例会議を終了する」
(・・・「創造士」の勇者か、、かなりやるようだな、今後は「勇者」以外にも注意を払わねば…)
そう思いつつ魔王は部屋を出て、廊下を歩く
コツッ、コツッ、コツッ
(まったく、、世界は不平等なことばかり、この世界に我々の居場所は無いのだろうか…)
いつもそう思う魔王なのであった




