第3話 勇者
次々とクラスメイトのスキルや職業が公開され、記録係がステータスを記録し職業のレア度や戦闘向きのスキルがあるかどうかでそれぞれ A B C D の4段階を付けて言い渡していく
「ランクB」「やったーっ!」
そう言われるのは武闘家の職業を持つ子だった、あの子のように高いランクをつけられて喜ぶ者も居れば、低いランクを付けられ怒鳴る子もいる
「おおっ、これは!」「なんと!」
何かまた一段と騒がしくなった
「こ、これは!勇者の職業!」「それだけではない!各種体力など他と比べて遥かに高いぞ!」「もしかしたらこの数値は歴代勇者で最高かもしれん!」
どうやらとうとう勇者の職業を持つ子が出てきた様だ、どれどれ一体誰かな?
(・・・嘘だろ?)
勇者の職業を持つ子は俺の数少ない友達である新保勇樹その人であった
ステータス
名前 新保勇樹 体力600 魔力200 知力170
職業 勇者
特殊スキル
勇者の加護 LV1
スキル
勇者の覇気 LV2
各種魔法スキル LV3
(ほう、歴代勇者の中で最高かもと言われるだけはあってかなり自分よりステータスの値が高い)
「やった!これで我が国は救われたも同然だ!」「勇者ばんざーい!」
「まぁ!これで我が国も安心ですわ」
官僚達や姫と思わしき人も勇者が現れ、それも歴代最高ということで誰も彼もが勇者の事を担ぎ上げている
(まぁ、それも当然か)
なんたってこんな状況で歴代最高の値を持った勇者が現れたのだ、俺が官僚達だったとしても今の彼らと何も変わらない行動をしていただろう
「当然ながらランクはAでございます」
当然勇者はランクAを付けられ、官僚達も安心したのか少し記録の作業が雑になっている
(次は俺の番か)
とうとう俺のステータスが公開される時がきた、さてどうなるかな?
ピピッ! 記録機が音を発し、その瞬間俺の偽装されたステータスがプリンターのように紙に映されて出てくる
「うーむ」「これはどうする?」「だがこれは少々見たことがないぞ?」
(・・・あれ?)
「創造士だとしてもこの値は一体どうなっているんだ?」「どの創造士の記録にもこんな値はないぞ?」
どうやら変質者の能力はうまく発揮され、創造士の職業で出ている様だが少し体力などの値の調節をしくじったらしい、官僚達がどのランクにつけるか話し合っている状態だった
「うーむ、いかなる職業であってもステータスは無視できん、よってランクBとする」
どうやら俺はランクB相当になるようだ、ランクBだとそこそこの強さということらしい
「それでは後は係員に従い言われたランクの部屋に行ってください」
「あなた様はランクBですのでこちらに付いてきてください」
俺は係員に付いていくと一つの部屋たどり着いた
「こちらの部屋でお待ちください」
「わかった」
ガチャッ!
ドアを開けると数名が部屋の中にいておそらくランクBを付けられた人達だろう、先程の武闘家の子もいた
(俺とは全く接点のない子ばっかりだ…)
それからしばらくするとまた係員がやってきた
「今から貴方様方に今の我が国の状態をお伝えいたします」
どうやらこの国の詳細を聞ける様だ、さて今のこの国はどうなっているのかじっくり聞かせてもらおう