第36話 雷
「zzzzzzz…」
俺は今、リベンジ戦を終えたあと部屋に戻ってしばしの眠りについていた
ゴロゴロ〜!
(んん?なんだ?)
「勇者様、雷がこちらに近づいています、本艦は一時戦線を離脱し、雷雨圏外まで退避します」
「あぁ、わかった」(雷か、、雷には嫌な思い出しかないんだよなぁ…)
その昔地球いたころ、俺は雷にとんでもない目に合わされたことがあった
(学校から帰るときに強い風と共にやってくるわ、近くに落ちて目と耳がやられるわ大変だったな…)
ゴロゴロ〜〜〜ゴロゴロ〜!
(この音はいつまで経っても忘れないな…)
「観測班より報告!雷雲が早すぎます!このままでは雷の中に突入します!」
「急いで反転しろ!風魔法が使える全ての者は直ちに甲板上で帆に風を送れ!」
ゴロゴロ〜!!!
だんだんと鳴り響く音も大きくなっていく
(確かにこれは早すぎるな、、、ただの雲にしては不自然過ぎる、もしこれが敵の攻撃だとしたら、、敵の狙いは上空から地上軍を支援する飛行船と乗っている俺を戦場から離すことが目的か?)
ギーギギーギーー!船の軋む音がいつにも増して大きくなる
(艦長のところにまで行ってみるか)
構造上、この飛行船は艦長室までに一度甲板を通る必要があり、それはすなわち外にこの雷の真っ只中を進む必要があった
ザーーザーーザーー!!
(どの世界でも雨が雷とセットなのはお約束なのか?)
「結界士」の能力で雨と雨水を通さない結界を自分の周囲に張り、艦長室まで向かっていく
(最初はこの変質者の能力を甘く見てたけど、なかなかに使い道によってはかなり便利だなコレ)
そうして艦長室まで着くと、なにやら中で揉めていたようだった
「直ちにこの空域から離れて体制を立て直すべきです!」
「だから言っているだろう、そんなことをすれば必ず船員達を危険な雷雲の中に突っ込ませることになる」
「ですがこのままもし戦闘になれば地上軍は我々の支援を受けられずに孤立します、故にここから退避し立て直すのです!」
「君の言うこともわかるが、船員達も地上軍と同じ位大切だということを忘れないでくれたまえ」
(なかなか言い合ってるな、まぁ俺だってこんな雨と雷の中で外にずっといるなんてしたくないがな)
「わかりました、、失礼します」
ガチャッ
「あぁ勇者様、こちらにいらしていたのですね、どうぞお入りください」
(この人ここからどう帰るつもりなんだ?)
見てみると、何もせずに雨と雷の中に出ていった彼に俺は少し関心していた
(世の中には自分はしないからといって雨の中で外に行かせる奴もいるけど、本当に外に躊躇いなく出ていったな…)
「失礼するぞ」ガチャッ
「あぁ、どうされました?」
「この雷の中でどうするのか聞きたいんだよ」
「先程の会話を聞いておられましたかな?」
「あぁ、途中からだがな」
「我々はこのまま空域を漂い、雷が収まった時点で元の隊に合流します」
現状飛行船は帆を畳んで空中を漂っているような状態だった
「それはわかったんだが、これがもし敵の攻撃だったらどうするんだ?」
「その場合は一度限界安全高度上空まで上昇して雲をやり過ごすことになっています、その場合は船内がとても冷たくなりますので勇者様もお気をつけください」
「それは俺ならともかく船員達は大丈夫なのか?万が一それで凍傷とかしたら…」
「船には防寒着もありますし、耐寒訓練済みです、ご安心を」
「なるほど、俺からはこれだけだ、部屋に戻らせてもらうぞ」
「はい、帰りには十分お気をつけください」
ガチャッ
ザーーザーーザーー!!
(さっきより多少は強くなってるか?まぁ関係ないか)
そうして艦長室まで行った手段で部屋に戻る
ドサッ、「・・・これで何も無ければ良いんだがなぁ、、、」
淡い期待を抱きつつもう一度眠りに入ろうとする、、、が
ポタ、、ポタ、、、
(まぁだいたいこのぐらいはしょうがないとは思うが雨漏りが酷いな)
雨が船内のあちこちから入ってきており、どこもかしこも濡れているような状態だった
(しょうがないか、地道に「創造士」で穴埋めしていくかぁ…)
そう思い、起きてまず部屋の雨漏りの原因を潰していく
「・・・・・・・・・・たぶんこれでよし、しっかしだいぶ小さい穴でもかなり水が入って来るもんだな…」
次に通路、、次に各部屋へと、、そうして穴埋めしていくうちに時間は過ぎていった
(結局あれから何もなかったな、、まぁ何もないのが一番か、、、)
そうしていると嬉しい報告が入ってくる
「観測班から報告、雷が収まってきました、直ちに甲板乗務員は甲板まで上がってください」
ドタドタドタ!
(あぁ、やっと晴れたのか、、、)
そう思っていると今度は嫌な報告が入ってくる
「報告!味方陣地付近に超大型の魔物発見!真っ直ぐ味方の陣地へ向かっています!」
「総員に告ぐ、直ちに戦闘配置!味方陣地まで急行せよ!」
(はぁぁぁぁ、やっぱり雷にはろくなことがないな…)
こうして俺は見たこともない大きさの魔物と戦うことになるのだった…
用事で少し遅れました、大変すいませんでしたm(_ _)m




