第27話 撤退
ガラガラガラガラ!今俺はオルドランド補給基地の攻撃のため、俺がいる位置から見て東側から侵攻してくる味方と合流するため川沿いに進んでいた
「しかし、後ろ側から行くとしても万が一結界が基地全体を覆っていた場合のことを考えて調査は必要です、そして本当に基地全体を覆っていたならば調査する兵士に犠牲が出てしまいます」
「ううむ、そこが問題だ、我々も幅24kmもの長さを誇る結界を見たことがないとはいえ我々と魔族共とは違う」
「その通りです、そして先程の偵察兵の怪我の様子で兵士の士気が下がっています」
「うーむ、攻撃するしないに関わらずとも士気は重要です」
(正直あの怪我を見てやる気が上がる奴の方がおかしいしな、、、)
「やはりここは一時後方に下がり、体制を整えてから攻撃するのも手ですぞ」
「それでは一時とはいえ撤退するということですぞ!そんなこと断じて認められません!」
議論は紛糾し、結局2時間もかかったが出した結論は当初の予定通り味方と合流して攻撃するということだった
ガラガラガラガラ
「報告します!味方の歩兵師団を発見!」
「おおっ!遂に合流出来たか!だが向こうからも来る筈なのに時間が1刻もずれているぞ」
「何かあったのでしょうか?」
「わからん、とにかく合流だ急げ!」
そうして合流した味方は酷いことになっていた
「うぐっ!あぁぁぁぁ!」「み、水をくれ、、」「こっちが重症だ!急げ!」
(これはまさに地獄絵図ってやつだな、、)
周りに横倒れる兵士に悲鳴を上げる兵士でまさに地獄となっていた
「おい!師団長はどこだ!」「はっ、現在は軽症を負い、治療している最中であります!」
そうして師団長の元へ行く
「おい!師団長は誰だ!」「私です」
そうして出てきたのは32歳ぐらいだろうか、少し若そうな人が出てきた
「一体なぜこんな被害を被ったのだ?」
「敵の待ち伏せにより我が兵士の半分が負傷し、死亡した者も少なからず出てしまいました」
「いやまて、待ち伏せだとしてもこれはいくら何でも被害の出過ぎた!」
「本当です!おそらく狙撃に長けているものなのか我々の視認できない所から矢で攻撃を受けたのです、それも狙いはとても正確、今は少数兵で敵を各個撃退し、今のうちに兵士の治療をしている状況です」
「話は分かった、それで無事な兵士は今どのくらいだ?」
「現在、数を合わせて約5000ほどです」
(つまり狙撃兵に5000人ほど殺られたのか、、、)
「よし、では貴殿はそのうちの1000と負傷兵を連れて後方に戻られよ、我々はオルドランド補給基地に向かう」
「承知しました、くれぐれもお気を付けください、今も何処にいるのか皆目検討が付きません」
「承知した、貴殿の安全と無事を祈っておこう」
そうして今までいた軍に4000人ほど加わりまた来た道を戻って基地に向かうことになった
(しっかしそんな腕のいい狙撃兵がいたとしても5000人が殺られるってかなり酷い結果だな、、あの師団長大丈夫かな、、)
召喚初日で勇者の護衛をしていた指揮官の末路を思い出しつつ馬車は進んでいく
〜6時間後〜
(全員が馬車に乗っていないせいでスピードが遅くなっているな、、)
俺が配属されていた隊は全ての兵士に馬車があり、いわゆるゲームで言うところの自動車化歩兵師団のようであった
「そろそろ目標地点に到着します」
「・・・それでは調査をする兵士を選ばないとな・・」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
(やっぱり今日の偵察の結果を思い出すよな…だったらここは!)
「俺が行く」
そうして言うと全員の目がこっちに向く
「お待ちください!いくら何でも勇者様がさなることではございません!」
「そうです!偵察は我々の兵がいたします!」
(そう言っておいてなかなか言えなかっただろうが、、、)
「俺は隠密のスキルも持っているし大丈夫だ、それに勇者が自ら危険なことをしているとしれたら戦意高揚にもなると思わないか?」
「・・・それは、、まぁそうですが・・・」
「だろう?ここは俺に行かせてくれないか?」
「・・・わかりました、そこまでおっしゃるのならおまかせします、ご無事を祈っておりますぞ・・・」
「あぁ、分かった」(なんとか行かせて貰えるか、少しホッとしたぜ)
そうして俺は基地に貼られてある結界の調査をすることになった
(一体どんな結界か楽しみだな、俺も結界をその気になれば張れるし参考にさせて貰うとするか)
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