第26話 オルドランド補給基地
俺たちは第一目標のヴィンカース街を奪取してそこで一夜明けたあと、第二目標であるオルランド川まで侵攻していた
(とりあえず第一目標のヴィンカース街を奪取できたし、ここからはどれだけ侵攻できるかになってくるだろうな…)
「・・・でしてこの地点を確保できれば海上からの補給が・・・」「・・・それならばこちらの方が・・・」
馬車の中でオルランド川の何処に向かうかを協議をしている、何故そんな重要な馬車にいるのかというと、イリアが俺をこの馬車に同乗させるように言ったらしい
(どうしてこんなところにいるのやら…)
そんなことを思っているとあることが耳に入ってくる
「・・・やはりここを突破するにはいささか危険すぎませんか?」
「何を言っている!ここさえ突破すれば我々の補給と停滞している戦線の支援ができるんだぞ!ここを突破せずになんとする!」
「ですからそこの突破するための戦力は我々に無いと言っているのです!ここは一旦味方と合流してから攻撃すべきです!」
「貴様臆したか!こちらには神々と勇者様が付いておられるのだぞ!」
(おいおい勘弁してくれよ、わざわざヤバい所に突っ込むなんぞ俺には出来んぞ…)
「ならばここは一旦偵察してから敵の戦力を把握し、こちらの戦力が足りなければ味方と合流、足りるならばそのまま奇襲攻撃とする、各車にこの旨を伝えろ」
「「はっ!」」
「勇者様、聞いて頂いた通りオルランド川の重要拠点であるオルドランド補給基地に向かいます、重要な拠点ですので敵も相当数が駐屯していると思われます、怪我のなさらぬようお願いします」
「あぁ、わかってるよ」
そうして馬車の隊列はオルランド川のオルドランド補給基地に向かい、前進していく
〜5時間後〜
「もうすぐでオルドランド補給基地に到着します!」
「よし!全車一旦停止!偵察兵を出し、敵基地の様子を見る」
「「了解!」」
それから15分後
「ううむ、、、かなり遅いな、そろそろ帰ってきても良い頃合いなのだか…」
「敵数の把握に手間取っているのでは?」
「いや、それだとそれだけ敵がいるということだし、第1偵察隊は偵察のエキスパートだ、そんな手間取るなどありえん」
「しかし帰ってこないことは事実です、一度調査に行くのはどうだ?」
「よし、それで行こう、調査兵を出して偵察兵の捜索に当たれ」
そのとき
「報告!偵察兵が帰還しました!しかし、かなり負傷しています!」
「なにっ!?偵察兵が負傷した!?何があったのだ!」
「その偵察兵によると、基地周辺に近づくと謎の痛みがあり、進めば進むほど痛くなり、果てには皮膚からとめどなく血が出ると言うことです…」
「ううむ、おそらく結界が張ってあるのだろう、しかし結界となると厄介だな…ここは一度諦めて味方と合流するしかないか…」
(まぁそうするしかないだろうな、、でも結界って透明みたいな壁かと思っていたけど実際は違うんだな、、、)
だがそこである一人の言葉で全員の目が開く
「お待ちください!あの基地はかなりの広さがあり、周囲を結界で覆うことなど不可能、つまり後方ならば攻撃が通用するやもしれません!」
「はっ!そう言えばそうだ!確かにあそこは長くて24kmもある、24kmもの長さを覆う結界など聞いたことがない!」
「いやしかし!実際に覆っているかもしれん!」
「だとしても行ってみる価値はあるだろう!」
「危険すぎる!また兵に死にに行けと言っているようなものだ!断じて容認出来んぞ!」
「戦いに犠牲は付きものだ!今更一人や二人の負傷がなんだ!」
「貴様正気か!まともな人間の発言とは思えんぞ!」
「静まれ!!」
その声で場が静まる
「確かに行ってみる価値はある、だがそれは兵士に負傷を強いるものだ、だから調査は後ほど行い、まずは味方と合流して攻撃する、異議は認めん!」
「「・・・承知しました・・」」
(さすがに兵士に負傷を強いることはできないか、良い隊長だな)
こうしてここの攻略は一旦打ち切り、味方と合流してから進むことになるのだった
一方その頃王城では、、、
「・・・それで前線はどうなっているんだ?」
「はい、現在我が軍は魔王軍に大して優勢であり、着々と侵攻しつつあります」
「ふふふそうか、ところで数ヶ月前に青銅とやらの剣はどうなっている?」
「はっ、勇者様がお創りになった剣はどんな魔物でも有効であり、兵器局からは数々の勇者が残した武具の中で最高であると報告があります」
「そうかそうか、やはり私の考えは間違っていなかったということだな、この調子ならば周辺国を見返してやる絶好の機会だ」
「はっ、既に全方面軍で侵攻を続ける用に伝えてあります」
「ふふふ、我が野望が達成される日も近いということだな、待っておれ魔王よ、今すぐにでも息の根を止めてやる、、ふはははははは!」




