第23話 武器と噂
あれから8ヶ月、俺は初めて敗北したあの魔物の倒す兵器を創っていた
バァン!
「うーん、これも駄目だな………」
そして「結界魔法師」のスキルを使って発砲音周りに広がる音を抑えながら試行錯誤を繰り返していた
(一体何がいけないんだ?ライフリングと銃弾も極力尖らせてあるが、なかなか肝心の貫徹力が足りないな………)
そして今開発しているのは対戦車ライフルと言われるものだった
(しょうがない、もっと銃身を伸ばすしかないか…)
バァン!ズザザザザー!
「おおっ、やっと2つほど木を貫いたな!」
しかし銃身を伸ばして解決してもある問題が出てくる
(これ何処に持っておこうかな……)
そう、ただの銃ならば服の中などに忍ばせておけば良いのだが、対戦車ライフルともなると銃身が長く、簡単には隠せないのだ
(あの人のことだ、見つかったら必ず創ってもらうように言ってくるだろう)
青銅の剣のことは1000本だけ創るとして後は自分次第でどれだけ創るか決めるの言ったのだった
(うーん、一旦ここに隠して置いて後で何か隠せるものが手に入ったら取りに戻って来るのもありだな……)
「・・・まぁ、一旦ここに置いて置くしかないか・・・あっ!」
(そうだよ!俺には透明化のコーティングができるじゃないか!)
そうして、わかるように印をつけて他の人に当たらないように持って、砦にある自分の部屋に戻る
バタン!
「ふぅ、当たらないようにしていると判っていてもやっぱり不安になるな・・・」
そしてここまでして対戦車ライフルを創ったのには理由がもちろんある
(あの襲撃の後で聞いたが、勇者が派遣された地域で続々と新種、しかもかなりの強さの魔物が出たらしいからな、、おそらく魔王軍が勇者の現時点での強さを測るために送ったんだろう)
コンコン!「勇者様!また襲撃が始まりました!」
「あぁ、わかった」(またか!ここ最近多すぎるぞ!)
カーン!カーン!
(襲撃の警鐘だな、まったく、今まで週に3回だったのに今週は毎日だぞ!)
襲撃の際に俺は壁の上に配置されており、例の槍で援護してくれと頼まれていた、そして俺は壁の上にむかっていたのだが
「gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
「総員突撃ー!魔法隊は掩護せよ!」
「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」」」
ドカーン!カキーン!カキーン!
(おー、やってるな)
もうこの音も慣れたようで、なんとも思わなくなっていた
(この砦は簡易的なエレベーターがあるから良いよな、、)
カシャッ!ブゥゥゥゥン!
(これももう慣れたな……初めは頭をぶつけたのが懐かしいな…)
「弓兵構え!一斉発射だ、、、放て!」
(この弓って実際に効果があんのかな?魔物にしたら人間で言うと木のささくれ程度だと思うんだがな…)
そう思いつつ槍を出して一つ一つの魔物の弱点を刺していく
(今俺は2本が頑張っても限界なんだが、あの時は4本くらい操ってたと思うんだよなぁ、、、あの時の俺はどうなってたんだ?)
「おおっ、あれが新種の魔物の倒したと言われる槍か」「いつ見ても空中に浮いてるのが不思議だな、、」
「コラッ!サボってないでさっさと次の矢の準備をしろ!」
(これも「創造士」が現実ではありえないものも創れることの派生だし、「創造士」様々だな)
「よし!お前ら!最後の突撃だ!奴らを地獄に送り返せ!」
「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
そうして最後の魔物が兵士によって倒される、俺ももう槍を消していた
「我が軍の勝利だー!」「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」
「あれだけ叫んだら喉カラカラだろ………」
「そうならないように訓練もされているんですよ」
話しかけてきた兵士は俺より少しだけ上ぐらいの男の人だった
「ん?あんた兵士だった経験があるのか?」
「はい……でも、足を痛めてそのまま弓兵の部隊に配属されたんです……」
「あぁ、なんかすまんかったな」(トラウマっぽいこと聞いちゃったか?)
「いいえ、大丈夫です他の人に「お前は足の訓練が足りないからそうなるんだ!」って言われちゃって、、本当にそうだったなって思ったんです」
「・・・そうだったのか、ところで弓兵の仕事は、、」
「コラッ!お前そこで何油売ってるんだ!」「ああっ!すみません隊長!」
「勇者様申し訳ありません、まだコイツは配属されたばかりでして……」
「あぁ、いや大丈夫だよ、それより離してやってくれ、首後ろから締めてるぞ」
「ハッ!、、、申し訳ありません!それでは失礼します!」
(結局引きずられて行ったな、、、あの兵士大丈夫かな?)
そう思いつつ壁を降りると、とある兵士の話し声が聞こえてくる
「おい聞いたか?近々反抗作戦があるらしいぜ」
「マジかよ!?よーし魔王軍どもに仕返しする時がようやく来たんだな!」
「バカ!声がでけぇよ!まだ秘密事項だって話しだからな、あんまり声に出すなよ、、」
(そう言いつつお前も声に出して喋ってるじゃないか、、、然し反抗作戦か、、本当なのか?)
そう思っていたらいいタイミングで声がかかる
「勇者様!イリア大佐がお呼びです!」
「あぁ、わかったよ」(答えは大佐に聞くとするか)




