第1話 状況
(・・・は?)
自分は咄嗟にこいつは何を言っているんだと思った、今までオタク文化などで異世界という小説などがあることは知っていたが、それはあくまでも空想で異世界など存在しないと思っていたからだ
(何がどうなってるんだ…)
だが起こってしまった事をいつまでも思っていてもしょうがない、周りを見ていると2つ気づいたことがある
一つは何人かクラスメイトがいなくなっていること
二つ、教室に一人はいるはずの担任や教師もいなくなっていること
一つは教室にいなかったから召喚されなかったと理解出来るが、そうだとすると二つの担任などがいないことが問題になる
そんな考えをしていると…
「これから皆さんを玉座の間まで案内するので付いてきてください」
先程の女性が付いてこいというのでとりあえずは様子見として付いていくことにする、だがよく見るとその女性は側にいる召使いのような人達と比べかなり派手な服装をしていておそらくは姫だとかの位の人だという予想がつく
(これも漫画や小説では定番だな)
そう思いながら付いていくとだいたい周辺のことが分かってきた
ここは中世や漫画にあるようなかなり大きい城であること
先程いた場所は城の中にある一番高い塔の最上階であること(いわゆるベルクフリートと呼ばれる塔)
周囲には町があり水道も通っていて、数はそこまでないが飛行船と飛行機のハイブリッドのようなものがあること
(ここではは文明が進んでいるのか進んでいないのかよくわからないな)
周りのクラスメイトからは不安の声や居なくなってしまっているクラスメイトなどを心配する声ばかりが聞こえてくる
〜6分後〜
女性に付いて行くとようやく玉座の間とやらの場所に着いたらしく3メートルほどある大きな扉が大きな音を立て、いかにもそれらしい装飾が施された部屋とこれも中世などにはありがちな階段の上にある玉座に王様らしき人が座っている
「よくぞ来てくださいました我が勇者達よ!どうか我が王国をお救くだされ」
テンプレなセリフを言うその男に周りのクラスメイト達は大盛り上がりでいた
「うおおおお!」「異世界キターー!」そんな声が上がる
呑気なものだ、どいつもこいつも目先の事ばかりでこれから先どうなるのか考えもしていない
「ではまず、この世界の説明をします、この世界アリンシアと呼ばれる世界です、ここでは魔法が存在しそれと比例して科学と呼ばれるものも発展しております、ですが数年前、魔王率いる魔王軍が各国に宣戦布告し、次々と国が滅びその勢いは我が国を攻め落とす勢いです、そこであなた方を召喚させていただき、我が国を救っていただきたいのです」
なんとまたテンプレなことだ、それに魔法があるということは ゛アレ゛ も有ることだろう
「この世界にはステータスというものが存在し、個人の力量や個人の得意分野など、あらゆるものが確認出来ます」
(まぁ、だいたい察しはついていたがやはりステータスというものがあるらしいな)
どうやらそのステータスとやらはlvやら職業やら使える魔法の一覧まで分かる個人専用の辞書のようなものらしい
「それでは早速、皆様のステータスを拝見させていただきます、皆様心の中でも言葉でも良いので゛ステータスオープン゛と唱えてください」
今度は別の人が出てきてステータスを見るというものらしい、さてさて俺のステータスは一体どうなっているやら
「「「ステータスオープン」」」
俺も含め皆がそう唱えると目の前に透明な板が出現した
(・・・・・えぇ?)
今更透明な板が現れたとしても驚かないと思っていても俺はこんなステータスだとは思っていてもいなかった