第14話 祭りと予想外
魔物による攻城戦の後、俺は宿に行って疲れを癒やそうと思っていた、のだが
「いえーーい!」「勇者バンザーイ!」「串焼き美味しいよー!」
(・・・めちゃくちゃうるせぇ、、、疲れてるってのにどんちゃん騒ぎだよ)
あの後自分の部屋に行き、寝ようとしたのだがしばらくするとこの騒ぎだった
(まだ17時だぞ、、一体どうなってんだ?)
コンコン、コンコン!
「はーい」(今度は何だよ)
「失礼します、実は市長様からお会いしたいとのことで今玄関にいらっしゃるのですが」
「帰ってもらえ、今俺はすごく休みたいんだ」
そう返すと…
ガチャッ!
「おい、なんで入ってこれるんだよ市長」
「申し訳ない、女将から合鍵を貰いましてな」
「はぁぁ、、それで要件は?」(あの女将なんてことしやがる)
「いえね、この祭りの最後にこの街の英雄として出席していただきたいのです」
「拒否する」
「即答ですか、しかし座っていただけるだけで良いのですよ?」
「それでも断固拒否する」
「この街一番の食べ物がいくらでも食えますぞ?」
「なんでそこで食い物なんだよ!」
「いや、護衛から朝から一つも食べていないと聞いていたものでね」
「そうだったか?」グゥゥゥゥゥ!
「言葉ではそう言っておりますがお体は正直ですな」
「・・・・・・今回だけだぞ、、」(確かに腹は減ったな)
「その言葉を待っておりました、もう既にお仲間の勇者様達は参加しておりますので、貴方様もどうぞ」
「あいつらはもう行ってるのか?」
「はい、たいそう楽しまれているようです」
「まぁ言った以上は参加するが、座っているだけだぞ!」
「承知しております、ささっこちらへどうぞ」
ガチャッ
「行ってらっしゃいませ」
「あぁ」(あんたのことは一生恨むぞ!畜生めぇぇぇ!)
外に出ると見る限りの人と屋台にあちこちから料理の臭いが漂ってくる
(だがこういうときが一番怖いんだよな)
こんなときは大抵スリか、迷子か、はたまた暴力事件が起こる
「というかなんであんたが付いてくるんだよ?」
「いやはや勇者様には精一杯楽しんでもらわなければ私の名誉に関わるのでね、ぜひともこの街のすべてを楽しんで頂くため、ご同行させていただく所存です」
「いやそんなのいらねぇよ!」
「まぁまぁ遠慮なさらず」
そんな感じて勇者に市長がまとわりつくという奇妙な光景を過ごしていると
「いやっ!離して!」
「ぎゃはは!助けて!だってよ、笑えるぜ!さぁ大人しくしろ!」
(ん?こんな裏道で堂々と誘拐か?)
「むっ、あれは見過ごせませんな」
そう言うと一直線に市長がチンピラ4人に走っていった
(いやいやいや!あんた一人でどうする気だよ!)
「チッ、俺も行くか」
「さぁこっちに来い!」「待て!」
「あぁ!なんだジジイ!さっさと失せろ!」
「そのお嬢さんを離して貰おうか」
「ぎゃはは!たかがジジイ一人で何が出来る!おいお前ら!あのジジイを教育してやれ!」
「ふむ、交渉決裂かならば仕方あるまい」
「おいおい爺さん?そんな構えでどうするつもりだ?ぎゃはは!」
「さぁかかってきなさい」
「言われなくても殺ってやるよ!おい!お前等!行くぞ!」「「おうっ!」」
(ッ!不味い!3方向からはいくら何でも防ぎきれない!)
「オラッ!あの世に逝けやぁぁっ!」
「ふんっ!」
「ぁぁぁ、、、あ?」
バタバタバタ 「ふぅ」
(いやいやいや!勝っちゃったよ!て言うか強っ!腕が一瞬見えなかったぞ!)
「おい!お前等!ジジイは始末したか、、、あ?」
「さぁ貴方の部下は始末した、お嬢さんを返して貰おうか」
「ハハハッ!あんな奴ら部下でもねぇよ!」
チャキッ!そう言って出したのは少し刃の長いナイフだった
「ふむ、結局は武器に頼るか、なんと愚かな」
「うるせぇ!調子こいてんじゃねぇよジジイ!」
(流石にあれは止めたほうがいいな、分が悪すぎる、いくら市長が強くても武器のあるなしじゃ段違いだ)
「オラッ!死ねぇぇぇ!」
ザシュッ!(ッ!いったか!)
「まだまだですな、ふんっ!」
バタッ!
(ええええぇぇぇぇ!?勝ったよ!いやめちゃくちゃかっけぇぇ!)
「ハァ、ハァ市長!通報がありましたがどうされました?」
「この愚かな若者達を牢に入れてしばらく反省させなさい」
「はっ!連れていけ!」
「あとお嬢さんがその家の中にいるから助けてやりなさい」
「承知しました」
「いやぁお待たせしましたな、さぁ行きましょうまだまだ巡る場所はありますぞ!」
「あぁそうだな」(この人一体何者なんだ?)
そんなこんなで予想外なことも起きながら市長に祭りと街を案内されることになったのだった
(もう十分堪能したから止めてくれ…)
10月9日に始めてブックマークして頂きました、後書きではありますが、この場で御礼申し上げます、誠にありがとうございました、今後ともよろしくお願いします!。




