第11話 初戦闘(初とは言っていない)
「勇者様方、敵襲です!備えてください!」
「なんだと!」「敵襲!?」
(はぁぁぁぁ、なんでこんなことになるかね、、お約束にも程があるな)
そう思っていると次の報告が入る
「新たに報告!敵数6、いずれもレベル8程度のゴブリン!」
「マジか!?ゴブリン!?」「ド定番モンスターキターーー!」
「勇者殿、定番モンスターとは?」「まぁ気にすんな」「・・・はあ」
(そりゃ向こうの世界でゴブリンは空想のモンスターだと言っても信じられんわな)
「また新たに報告!敵はソルジャータイプ4匹、アーチャータイプ2、武器は棍棒と石です!」
(石と棍棒ってそれ以外に無いのか?てっきり剣とか持って来るもんだと思っていたがそうでも無いのか?)
「よし、いっちょ殺ってやるか!出るぞ!」「まて!俺も行かせろ!」バサッ!
「ああっ!待ってください勇者様!」
そう言って2人が馬車から飛び出して行ってしまった
(・・・大丈夫かなあいつら・・・まぁやられたら適当に助けたらいいか)
「ねぇどうしよう?私達も行く?」「そうする?」
まだ馬車に俺も含めて4人程残っているのだが2人が飛び出したのを見て自分達も行くかどうか話し合っているようだった
「報告!勇者様達の戦況不利!あとこちらも2分で会敵します!」
(あーあ言わんこっちゃない、アレを使うには時期尚早だし、、、、新しい能力を使ってみるか)
そう、俺は訓練で多少レベルアップしていたのでそれに応じて創造士の能力もレベルアップしていたのであった
「ッ!勇者様1名負傷!会敵まであと50秒!」
(そろそろか、よし行くぞ!)
「全員降車!戦闘開始!」 「うおぉぉぉぉ!」
「よし!いくぞ!「創造!」」
ゴゴゴゴゴゴ! ザシュッ!ザシュッ!
突如音がして地面から針が飛び出してゴブリンを2体程貫く
「うっ…」 「「きゃぁぁぁ!」」
そうなるのも無理はない、なぜならゴブリンを貫いた針はゴブリンの体を貫通してあちこちに血が飛び散ったからだ
(流石にこれは応えるな、、、)
「あとは3体だ!突撃ー!」「「うおぉぉぉぉぉ!」」
どうやら1体は先に行ったクラスメイトが殺ったらしい、彼らの服にゴブリンの血がついているし過呼吸気味のようだった
「ハァ、ハァ、ハァ、、、ゴブリンなんて、楽勝だと思ったのに、なんでこいつらこんなに強えんだ?」
「ハァ、ハァ、知らねーよ、お前が行くって言ったんだろ…」
(まったく、反省するどころか先に行ってこのざまか、先が思いやられるな)
ザシュッ! 「殲滅完了!勇者様の手当をしろ!」
「勇者様、こちらでお休み下さい」
(こんな奴でも勇者なら真っ先に手当を受けるのか、、世も末だな)
「3分後移動を再開するぞ!明日には前線に着かねばならん!準備を急げ!」
「「「はっ!」」」
(徹底されているな、それだけ優秀ってことだろう、これならば明日には前線に着いているだろうな)
〜4時間後〜
ガラガラガラガラ…! 車輪の音が何とも言えない、地球で馬車に乗ることがあまりないから珍しいだけかもしれんが
(それにこう言ってはなんだか、、、、とても尻が痛い!)
そう、この時代の馬車というのは当然サスペンションもなく、振動が直に尻に響いて来るのだ
ガタン! (うわっ!?デカい石にぶつかったか!?)
そこであることを思いつく
(そうだ!創造士の能力で尻の下に跳ねる透明な板を作ろう!)
実は創造士は現実にはないであろうとんでもない物も作れる、例えば今言った跳ねる透明な板だったり、レベルアップすれば動力もいらない回転する羽を作れたりするのだ、しかり普通の素材よりも劣化しやすく、耐久が脆いという欠点がある
(だがしかし!この状況ではその欠点こそが有利!いらなくなれば捨てれば簡単に壊れて消滅するから自然にも配慮している!そうなればさっそく創ろう)
〜1分後〜
(あー、メチャクチャ快適だわ、眠っちまいそうだわ〜)
「ふわぁぁぁ」(ヤベ、声漏れた)
ガタン!!ガラガラ!(ん?)
派手な音がする
ドカッ! 「痛ったーー!!?何が起こった!?」
「も、申し訳ありません!勇者様、荷物が振動で落ちてしまったようです!」
「あぁ、そうか」(顔面に直撃したぞ、、、イタタ)
「ハハハ!荷物当たってやんの〜」
「うるせえよ!」(くそー助けに行かなければよかったか!)
そんな事を思っていると…
「あっ勇者様!到着しました、我々が今日泊まる城塞都市レクテナです!」
「やっとか、退屈だったぜ〜」「何か面白いもの売ってるかな?」
(呑気だなぁ、これから戦闘ばかりになるかもしれないというのに、さっきの襲撃のこともう忘れたのか?)
そう思っていると…
「報告!敵の大群が攻めてきました!戦闘配置についてください!」
(まったく俺の休憩は無いようだな…)




