第10話 前線行き
王様との食事が終わり、教官が広間にいた
「それでは各班のメンバーを発表する!だがその前にそれぞれの班の行き先をする!班はA〜Eの5班に分けられA班は対魔族戦線の中央方面軍に配属され、ミスカル湖の北に配置される!そしてメンバーとしてリーダーは勇樹殿とする!メンバーは杏奈殿、春輝殿、、、(略)」
〜4分後〜
「・・・・とする!以上で班と配属先の説明を終了とする!この後は各自自由行動とし、明朝7時に出発とする!そして今日が勇者様達の全員が集まる最後の日となるので、別れの挨拶をするように!以上、解散!」
ゾロゾロゾロ……
各自散らばって一緒になれない仲間と会話しているようだ
(どうやら俺は誰とも話せないようだな)
もともと俺は普段そんなに話さないし、話しかけられる事もない、話す人もいないのは当然だろう
(さっさと部屋に戻って銃の調整でもするか)
俺はどうやら東部方面軍C班に配属され、ランベル地方の森手前に配置される様だ
(しっかし地図で見たがA班は丁度激戦地の南部に送られる事になってるしいくら功績を挙げたいとはいえ激戦地に送るか?それでいてよく承認されたな、、まぁ王様パワーでゴリ押したのかもしれんがな)
そう、激戦地は中央の方が激しい戦いが起こっているのかと思いきや実は最近南部に魔王軍の攻撃が集中しており新たな激戦地となろうとしていたのであった
(まぁ勇者の職業を持っているのだし、そう簡単には死なんだろう)
そう思いながら部屋へと戻る
(やっぱり最終兵器として使うには安全性と命中率は重要なところだろうな)
そう考えられて出来上がったのは全長27cm高さ7cm横幅5cmの地球にはないであろう俺独自の銃が出来上がっていた
「しっかし元のデザインよりかなりオリジナル性に溢れてる銃が出来たな、だが当面はこれでいいだろう」
そう呟きつつ明日の準備を進めていく
「よし、荷物はこれでいいだろう、あとは前線についてからだな」
コンコン、コンコン
「どうぞ」(一体誰だ?)
ガチャッ、そんな音を立てて入ってきたのは
「やあ、最後だからね、、挨拶に来たよ」
勇者の職業を持つ友達の勇樹だった
「何だよこんな夜に、しかもお前準備はどうした?」
「準備は私達がするとか言って召使いの人達が聞かないんだ、だから言葉に甘えて任せてきたよ」
「そうか、それで要件は何だ?」(まんまといい気にさせられてるじゃねぇか)
「いや、これと言って特には無いんだけど、朝に教官が言ってた通りこれが最後に会うかもしれないから皆に会って回ってるんだよ」
「俺は最後か?」
「まぁそうだね、やっぱり最後は悠也って決めてたんだよ」
「それはまたどうしてだ?」
「朝誰とも喋っていなかったからね、俺だけでも声をかけてあげようと思ったんだよ」
「それはご親切にどうも」
「じゃ、これで最後だから、、、じゃあね」
「あぁ、頑張れよ」
バタン!
(行ったか、それにしても結構な待遇を受けてるんだな、それじゃさっさと寝るとしよう)
〜朝〜
ピチュ、ピチュンピチュン! いつものである
「今回ばかりは殺意を覚えてられんな」
コンコン、コンコン 「起きてるかい?」(ん?この声は!)
「教官が何故ここに?」
「まぁいいじゃないか、教え子が出るんだ挨拶するのは当然だろう?」
「そうですか」(あんたに教えられたのは地獄でしかなかったがな!)
「それで一つ聞きたいことがあるんだよ」
「何ですか?」
「丁度4ヶ月前にキメラとの戦いの時にあんたは勇者パーティーの護衛の指揮官を探していただろう?」
「えぇ、そうですね」
「その時にあんたの魔力が少しおかしかったんだよ」
「何がですか」(遂にバレたか?)
「いやね、あんたの魔力量が上がったり下がったりしていたのさ、通常魔力はレベルアップして量が増えるもんだが、あの時は全く敵を倒していなかったから上がるのもおかしいし、下がるのもあり得ないのさ」
「へぇ、、、それで?」
「聞きたいのはそこからさ、あんたの本当の職業は何だ?」
「創造士ですよ」
「何と言われようともかい?」
「はい」
「ふん、今はそういう事にしておいてやる、だが本当に創造士じゃないなら、、、覚悟しておきな」
「わかりました」(うわぁ、、4ヶ月前のあのオーラみたいなのが見える…)
〜1時間後〜
俺は馬車に揺られていた、路上で派手な出陣パーティーをやり過ごして城門を出てようやく城が見えなくなった頃…
(前線では一体どうなってるかねぇ)
ここで探知魔法で索敵していた兵士が声を上げる
「ん?敵性反応あり!敵襲です!」 「なんだと!」
(くそおぉぉぉっ一番面倒くさいお約束が来やがったぁぁぁ)




