第89話 阻止
小屋にある装置を仕掛けてから1日後、俺は酒蔵の点検をしていた…
「あのー、ここで作業ばっかしてていいんですか?」
「ん?あぁ、あそこにはちょっとした罠をかけておいたから大丈夫だ、多分明日の朝には街中でちょっとした騒ぎが起きるはずだ」
「はぁ、、あっ!そういえばまた新しい情報がありましたよ!」
「おっ、今度は何だ?」
「例のカタハルト工房はここから離れた所にある地方の貴族の傘下の工房らしいです」
「んん?その貴族の名前は?」
「えーと、、たしかニースド・レフェア・トタハカルでした」
「レフェア地方は確かここから王都を挟んだ向こう側にあるよな?」(ってカタハルトってトタハカルを入れ替えただけじゃねぇか、、なんて安直な…)
「はい、それにレフェア地方は大して酒関連の特産品は無かったような気がするんですけど…」
(それなら誰かがバックにいると考るしかないか…?)
しばらく考えてみるが、今はあまり害がなさそうなので一旦放置することにして、今日分の点検を終えることにして今日の作業を終了する
〜夜〜
ドーン!!
街の外れから大きな音が聞こえてきて、咄嗟に俺は起きる
(作動したか、ちょっと様子を見てくるか…)
どうやら街の人達も起きたようで今まで真っ暗だった街に所々から光が見える
「あの…!」
家から出ようとした時、後ろから声をかけられたので後ろに振り向くと…
「何だシャリー?」
そこにはまだ私服姿のシャリーが立っていた
「あの、、何処へ行くんですか?」
「さっきの音聞こえただろ?それの確認に行くんだよ」
「あの!、よければ私も連れて行ってください…」
「そりゃまたどうして?」
「何故か、、不安で…」
「大丈夫だろ、それとも何だ、幽霊でも出るのか?」
「そ、そうじゃなくて…」
「・・まぁいい、付いてきたいんだったら付いて来いよ、安全は保証しないが」
「あ、ありがとうございます!」
(なんか厄介事でも起きそうな気がするな、、面倒くさい…)
そうして何故かシャリーを連れて俺は例の小屋にまで行く
ガサッ!ガサッ!
「あの、何処まで行くんですか?なんか草が沢山生えてますし…」
「もうちょっとだ、それくらい我慢しろ」(やっぱり怖がりなのか…?)
そうして俺は例の小屋に到着する
「あれですか?瓦礫の山ですけど…」
「あぁ、俺がこの前にワイヤーで賄賂の隠し場所に行くまでに通る場所に仕掛けて、作動したらボロ屋根が崩れてくるようにしたんだが見事に引っかかってくれたようだな」
「えっ!じゃああの下には人が!?」
「姑息な人間しか下敷きになってないから大丈夫さ、一般人を巻き込むような仕掛けはしないさ」
「でも…」
「大丈夫だって、元々ボロかった屋根が崩れて当たっても気絶する程度だ」
そうして確認が終わった俺はシャリーを連れて街に戻った所…
「よぉ、お兄さん、何やってんだよこんな時間に彼女なんか連れてさ〜」
帰る途中に5〜7人ほどの男達に前を塞がれる
(あ〜もう、この上なく面倒くさい…)
「兄貴、こいつ新顔ですぜ」
「ん?、、そういえばお前この街で見たことねぇ奴だな、冒険者の野郎か?」
「・・そうだが何か?」
「ハハハッ!冒険者ならこの状況でどうするかぐらい分かってんだろ、早く出せよ」
「金か?」(この上なく高圧的な態度だな…)
「ハッ!お前もうちょい頭使え!後ろの奴だよ!そいつを早く出せよ」
狙いはやはりシャリーのようで、男達が少しずつ横に広がっていって半包囲される
「チッ、あと3秒待ってやる、どうするか決めろ」
「お兄さん…」
「3秒待つまでもない、答えはいいえだ」
そう言うと真ん中の今まで喋っていたリーダーっぽい奴が俺を指差して高らかに笑う
「おいおいこいつマジかよ!いいえだとよ!、、、殺っちまえ!」
そうしてリーダーっぽい奴以外の全員が俺に殴りかかってきたのだった…




