第9話 実戦投入
あれから4ヶ月、毎日訓練の日々そのおかげもあってかなりレベルも上がっていた
「・・・さて、勇者の状況はどうなっている?」
「現在勇者様のレベルは11ほどになっており、なんとか実戦に出せるレベルになっております」
「まともに使えるのはまだ先と言う訳か?」
「左様です…」 「お前達は一体何をやっているんだ!」
「も、申し訳ございません」
「いいか!召喚から4ヶ月経ったのだぞ!それでまだまともに使えないレベルとは一体何をしておったのだ!」
「お言葉ですが王様、一般の兵士でも最低1年を訓練に費やします、いくら勇者様とはいえ元の素体は一般の人間ですので、、そのくらいかかるのは当然かと…」
「ええい、着々と各国が反撃の準備を整えているのに我が国は多大な犠牲を払ってまで勇者様を召喚したのに、これでは当初の勇者を使って我が国の立場を上げるという目的が達成されぬではないか!」
「ですが王様、今勇者様を前線に出したとしてもあまり役には立たんでしょう」 「それだっ!」
「はい?今何と?」
「だからそれだっ、今すぐに勇者を前線に送れ!」
「ですから王様、今前線に勇者様を送っても役には立たんと言ったではありませんか、第一まだ大規模戦闘の経験も初日のキメラとしか戦っておりません、それに他の勇者は実戦も学んでおりません、あまりにも危険過ぎます」
「そんなもの前線で積ませればよい!とにかく゛勇者様が前線で戦っている゛、という事実さえ作れればよい!」
「わかりました、ですがどの方面に送るかは一度会議をいたしませんといけません」
「無論そのつもりだ、されど前線に送ることだけは確定事項だ」
「承知しました、そのようにいたします」
(うーん遂に前線に出されるか、こっちも準備をしておかないとな)
定期的にこうして王様の会話を聞いていた俺はとうとう前線で戦わされる事を聞いた、そしてあるものを作ることを決意する
(「変質者」で博士の気質を出して設計図を書いてっ、とこれでよし次は創造士のスキルでパーツを出してっと、これでいいだろう)
俺が何を作っているのかというとズバリ「銃」だ、相手を殺す事に特化した兵器は銃以上に無い
(あとはこのパーツで行けるはずだ、っとできたなうん、中々の出来だな性能は何処かで試すとして今日は寝よう、おそらく明日か明後日には通達が来るはずだ)
〜朝〜
ピチュ、ピチュンピチュン
「もうこれには慣れたな、いや慣れるしか無いと言うかなんというか…」
コンコン!「勇者悠也殿、朝ですぞ!今日は勇者様方にお話がございます、急ぎ起きてくだされ!」 「はーい…」
(そう言えば今日は起こす人が違うみたいだな、まぁ大抵内容は予測がつくが…)
そうして俺は服を着替えて起こしに来た人に付いていく
「今日は全員の勇者様たちとお食事していただきます、いつもとは違う場所ですので案内いたします」
コツ、コツ、コツ (確かにいつもとは違うルートだな…)
そうして歩いていくと目の前に少し大きめの扉が現れる
コツ、コツ、コツ 「こちらです、お楽しみください」
ギィッギィィ! 劣化しているのか豪快な音を立てて扉が開くそこにはもう何人かが座っていた、そしてもちろん王様もいた
「おぉ、昔に勇者新保殿を救ってくれたお方ですな、座りたまえ」
(上からなのか感謝してるのかわかんねぇな)
〜6分後〜
「さて、お食事したままでも構いません、実はこうしてお集まり頂いたのは遂にあなた方を実戦に出すことになったからです」
「えっ!?本当?」「やっとか、待ちくたびれたぜ」ざわざわ、ざわざわ
(まぁ4ヶ月もの間毎日訓練だったんだ、遂に実戦となると当然か)
「少し静かにしていただきたい、実はもう一つ実戦に出すに当たってそれぞれ個別の班に別れて各方面に出陣していただく」
「本当に!?バラバラになっちゃうの?」「一緒がいいよ〜」
「ご安心くだされ、あなた方の教官から仲の良い者をなるべく一緒になるようにしております、ですがどうしても離れなければならない時はご容赦くだされ」
(まぁそれが妥当だろうな、実際ちょっとざわつきが静まってるから説明の効果はあるんだろう)
「食事が終わり次第各教官から配属先の方面と班のメンバーを聞かされるので従うようにしていただきたい」
(さぁ遂に実戦だ、気が引き締まるな)
そう思う俺なのであった…




