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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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闇の帝王の復活

「あーっ、よく寝た」 

 虎之助とらのすけのクロクカウンターを受けて、失神しっしんしていた鬼塚おにずかが、やっと目をました。

「なんや、なつかしいムーヤンの夢を見ていたわ」

 鬼塚が立ち上がると、川島と虎之助、ラスプーチンが何かめているようである。

「お前ら、なにめてんねん。喧嘩けんかはやめい」

 鬼塚が3人の中に割って入ると

「おのれは、まだ寝とれ」

バキッ!

 いきなりラスプーチンに頭部をなぐられた。

「いてっ、なにするんや、この野郎!」

 怒った鬼塚はラスプーチンになぐり返す。

ボコッ!

「やったな、この負け犬が」

「負け犬やと、俺は誰にも負けたことは無いで」

「なんだと。さっき、このにKOされてたじゃないか」

 ラスプーチンが虎之助を指さして言った。

「そんなん知りまへんな。確か、このにパンチを打ち込んだと思った直後から、しばらく記憶きおくがないけど、まさか俺がこんな女の子にノックアウトされるわけないやろ。アホかお前は」

 虎之助に頭部とうぶなぐられたせいで、鬼塚は軽い記憶喪失きおくそうしつになっている。

「いや、アホはどうみても、お前やろ」

 ラスプーチンはあきれて言った。

「なんやと、このアホ阿呆あほロシア野郎」

「やるか!駄目だめだめアホ鬼」

 ラスプーチンと鬼塚はなぐり合いを始めた。 

ーーラスプーチンが社長に気を取られている。今がチャンスだーー

 川島は虎之助をかかえると、全速力で走り出した。

ーー社長は、ほおっておいても勝手に帰って来るだろう。とりあえず、このむすめ夜叉やしゃさんの所までとどけなければーー

「ああっ、モットプールが、もうすぐ復活するのに」

 川島にられながらも、虎之助はモットプールのことが気になっている。

 しかし、川島は無視して走り続けた。


「あっ、しまった。あのが、お前の部下にパクられた」

 虎之助が川島に連れて行かれた事に気付いたラスプーチンは、追いかけようとするが

「待てや、俺との勝負がまだ着いていないぞ」

 と、鬼塚に腕をつかまれてしまった。

「はなせ、カス鬼」

 ラスプーチンは鬼塚を振り切ろうとする。

はなさへんでぇ、ロシア野郎」

 ラスプーチンを引き止めるために、鬼塚は腕を離さない。

 だが、その鬼塚も背後はいごから何者かに腕を引っ張っられた。

「誰や」

 鬼塚が振り向いてみると、モットプールであった。

「うわっ!なんやコイツ」

 復活したモットプールであった。

「お前たち鬼は、皆殺みなごろしにしてやる」

 モットプールは、虎之助の指示を忠実ちゅうじつに守り、鬼である鬼塚に攻撃してきたのである。

「なんや、機械みたいで気持ち悪いやつやな」

 鬼塚はモットプールを不気味ぶきみがっている。

「鬼は殺す」

 バキッ!

 モットプールのハイキックが、鬼塚の頭部にクリーンヒットした。

「痛てっ!この機械野郎きかいやろう、ブチ殺す」

 怒った鬼塚とモットプールが戦い出した。

「そいつは、あの召喚しょうかんしたサイボーグのモットプールだ。お前はしばらく、そいつの相手でもしてろ」

 ラスプーチンは、そう言うと川島を追いかけて行ってしまった。

「クソっ、ラスプーチンのやつ。こいつを片付かたづけたら必ず殺したる」

 とは言ったものの、復活したモットプールは、なかなか手強てごわい。

 ハイキックとミドルキックをぜて、まるでキックボクサーのように攻撃して来る。

「キックボクシングなら負けへんで」

 鬼塚は跳躍ちょうやくすると、ひざをモットプールの顔面に打ち込んだ。

バギッ!

「みたか、俺の必殺ひっさつ真空飛しんくうと膝蹴ひざげりや」

 鬼塚は勝利を確信した。

「そんな攻撃、私には通用しない」

 しかし、鬼塚の膝蹴ひざげりは、サイボーグのモットプールにダメージを、まったくあたええられなかった。

「機械の身体からだりは通用しないんか。ならば、こちらも召喚術しょうかんじゅつを使わしてもらうで。冥府めいふから、ムッチャ強い魔物を召喚しょうかんしたる」

 鬼塚は呪文じゅもんとなえだした。

 すると地面から大量の煙が吹き出し、中から一人の男が現れた。

 男は青白く不気味ぶきみな顔をしており、黒いマントを羽織はおっている。

「なんか強そうな魔人が召喚しょうかんできたで」

 鬼塚は召喚術しょうかんじゅつが成功したので喜んでいる。

「お前が吾輩わがはいよみがえらせたのか?」

 黒マントの男がたずねてきた。

「そうやで。さっそく、あのサイボーグをってくれや」

吾輩わがはいに命令するとは、命知らずな男だ。吾輩わがはいやみの帝王ボルデ本山もとやまであるぞ」

 なんと鬼塚は、闇の帝王であるボルデ本山をよみがえらせてしまったのである。

「そうでっか。ほな、本山もとやまはん、早いとこ、このサイボーグをってんか」

「だから、吾輩わがはいに命令するなって言ってるだろ!」

 ボルデ本山が怒りだした。

「そんなん、どうでも良いから、早くサイボーグをってくれや。よみがえらせてやったやろ」

「まあ、確かにお前には恩があるな。吾輩わがはいは紳士だから、きちんと恩は返す」

 ボルデ本山は

「アブラアゲ・カダブラ」

 ととなえながら、モットプールに向かってつえを振りかざす。

 すると、たちまちモットプールは一羽の白いはとへと変化して、空高く飛び去って行った。

「うわっ、すご手品てじなやな。どんな仕掛しかけなんや?」

 鬼塚はボルデ本山にり、つえを調べている。

「これは手品じゃなくて魔法じゃ!タネも仕掛しかけもないわ、失礼なやつじゃな」

 鬼塚は、ボルデ本山にしかられてしまった。

「そうでっか、えらいすんまへん。それにしても良いつえでんなぁ」

 鬼塚はあやまりながらも、杖をマジマジと見ている。

「これはコストリの杖といって、魔法界で最強の杖じゃ」

「へえ、ニトリで買ったんでっか?」

「バカを言うな、そんな既製品きせいひんでは無いわ、ドラゴンのヒゲで作られた物じゃぞ」

 失礼な事を言われてボルデ本山が怒った。

「あっそうや、もう一人、あんたにって欲しいやつがいるんやけど」

 ボルデ本山が怒っている事など、まったく気にしていない鬼塚はラスプーチンのことを思い出した。

「そいつは、どこにいるんじゃ」

「さっき、あっちの方へ走って行ったから、追いかければ、まだ間に合うハズや。行きまひょか」

 というわけで、鬼塚はボルデ本山を連れて、ラスプーチンを追いかけるのであった。

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