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転生したらAカップだったでござる  作者: 渡辺 孝次郎
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ロシアに行こう

 DSPの宿舎しゅくしゃでは、加藤と小太郎こたろう狂四郎きょうしろうの戦いが続いていた。

「クソっ、なかなかしぶといジジイだ」

 加藤の素早すばやい動きに、なかなか攻撃こうげきが当たらず、小太郎と狂四郎につかれが出始めていた。

「ふん、2人がかりでも、この程度ていどか。そんなうででは強い鬼には勝てんぞ」

 加藤は2人を見下みくだしながら言った。

仕方しかたあらへん、こうなったら合体技がったいわざを出すぞ」

 小太郎が狂四郎の手をにぎった。

「やめろ小太郎!前回、失敗しただろ」

「今回は大丈夫だいじょうぶや、まかせとけ」

「まかせられん」

 きっぱりと拒否きょひする狂四郎。

「うるせえ、いくぞ友情合体魔竜ゆうじょうがったいまりゅう

 小太郎は、強引に合体技をかけた。

 すると大量の煙が2人をつつみ、中から合体超獣がったいちょうじゅう『サルざる』が現れた。

 今度は以前のように小さくなく、人間と同じサイズである。

「やったー。成功や、ウッキー」

 喜ぶ小太郎。

「いや、ちょっとちがうんじゃないか。本来は合体魔竜がったいまりゅう『夜刀神』になるハズだろ」

 狂四郎は不満そうである。

「前の小さいトカゲよりマシや、ウッキー」

 小太郎は狂四郎の不満を無視して大喜びしている。

「まさか、これは全宇宙でも非常にめずらしい珍獣ちんじゅう『サルい猿』ではないか。こんな所でお目にかかろうとは」

 なぜか加藤は『サル喰い猿』の事を知っており、めずらしがっている。

「死ねや加藤!」

 珍獣ちんじゅう『サルい猿』が加藤におそいかかる。

 しかし

ボグッ!

 加藤の喧嘩けんかキックが珍獣ちんじゅう『サル喰い猿』のみぞおちにヒットする。

「うげっ」

 珍獣ちんじゅう『サル喰い猿』は、りイッパツでKOされてしまった。

 合体技が解除かいじょされ、たおれている小太郎と狂四郎の姿にもどっていく。

「ううっ、なんでや、まさか俺の合体技がやぶれるとは」

 苦しそうに小太郎が言った。

「いや、お前の合体技で勝った事は無いけどな」

 狂四郎に、するどくまれた。

未熟者みじゅくものどもが。サル喰い猿は確かにめずらしいが、最弱の超獣ちょうじゅうだ」

 加藤が説明せつめいする。

「そうだったんや」

 とつぶやいて、小太郎は気を失った。


 

「さあ、一緒いっしょにロシアに行こうか」

 ラスプーチンが虎之助の右手をつかんだ。

「ロシアは遠いでござる」

 ロシアと聞いて、さすがに虎之助は、ためらっている。

たのむよ、俺はロシア政府で一番偉いちばんえらくなりたいんだ」

 ラスプーチンがこしを低くしてたのんできた。

一番偉いちばんえらくなって、どうするんでござるか」

「気に入らねえやつを、かたぱしから処刑するのだ」

 ラスプーチンが威張いばりながら自慢じまんする。

「うわっ、このオッサン、怖いでござる」

 虎之助はおびえて、少しラスプーチンから離れた。

「大丈夫だよ、気に入らねえ国もかたぱしから攻撃してやるから」

「絶対にえらくなったらダメなやつでござる」

「そんな事を言うなよ。俺は独裁者どくさいしゃになりたいんだ、頼むよ協力してくれ」

 動機どうきはムチャクチャだが、ラスプーチンは低姿勢ていしせいで頼んでくる。

「それで、肝心かんじん報酬ほうしゅうは何でござるか」

「10億円ぐらいはする金貨だ。こないだ、ロシア政府の金庫からパクって来たんだ」

 ラスプーチンは自慢じまんげである。

「おぬしわるでござるな」

「まあ、自慢じまんじゃないけど、生まれてこのかた、俺より悪いやつは見たこと無いなぁ」

 ラスプーチンがむねを張って言った。

「本当に自慢じまんにならないでござる」

 虎之助はあきれている。


 ラスプーチンが虎之助と交渉こうしょうしている間も、川島はモットプールと戦っていた。

「こいつ、復活してから強くなりやがった」

 川島は、パワーアップしたモットプールに手を焼いている。

 虎之助に修理され、なぜか強くなったモットプールは、魔剣まけんの魔力が通用しないのである。

「魔剣が通用しないとなると、力で勝負するか」

 川島は魔剣を術で金棒かなぼうに変化させて、モットプールになぐりかかる。

「死ね、機械野郎きかいやろう

 バキッ!

 ボトッ

 金棒でなぐられた衝撃しょうげきで、モットプールの首が取れて落ちた。

プシュー

 モットプールは倒れ、胴体どうたいから煙が吹き出して来る。

「やっとたおせたか」

 川島は汗をぬぐいながら、モットプールの首をとばした。

ーーとにかく、小娘を確保かくほしないとーー

 虎之助のいる方を見てみると、すでにラスプーチンに手を引かれて歩き出している。

「待てまて、ちょっと待て」

 あわてて川島は走り出し、虎之助の空いている方の手を引っ張った。

「コラ、なにすんだ。このは俺が連れて行くんだ」

 ウザそうにラスプーチンが言う。

「あっ、またモットプールを殺したでござるな。このサイコパスが!」

 虎之助からはひど暴言ぼうげんかれてしまった。

ちがう、俺はサイコパスじゃない」

 おもわず川島が釈明しゃくめいをしていると、虎之助はモットプールにけよって、ふたた修理しゅうりを始め出した。

めろ、もう修理するんじゃ無い」

ーーまた生き返ったら、面倒みんどうだーー

 川島が虎之助を止めに入るが

「修理させてやれよ、可哀想かわいそうじゃないか」

 ラスプーチンが同情するような口調で言いながら、川島の肩をつかむ。

「そんな言い方するな、俺が悪者みたいじゃないか」

 悪者あつかいされたので、気を悪くする川島。

 しかし

「いや、お前ら鬼は、もともと悪者だろ」

 と、ラスプーチンに正論せいろんまれてしまった。

ーーそうだった、俺は大阪鬼連合団体おおさかおにれんごうだんたい幹部かんぶで悪者だったんだーー

 モットプールを修理している虎之助をめながらも、テンションが下がっていく川島であった。

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